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日本のロックバランシング「石花」アレンジ編:海の石で 重ね斜め立ち

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石花ちとく

石花師
「石を立てる」ということから、不可能が可能になる感覚を味わおう!

夏になると海水浴などで、海辺に出かける機会が増えるのではないでしょうか?このHow toでは、海辺で比較的見つけやすい石を使った「石花(ロックバランシング)」を紹介します。

石花とは、岩や石を積み上げるアート。今まで基本編として「石を立ててみよう!」、アレンジ編として「石ぼうず」、「拮抗立ち(カウンターバランス)」など、石花の楽しさを紹介してきました。

基本編:石を立ててみよう! http://gogo.wildmind.jp/feed/howto/5
アレンジ編:石ぼうず http://gogo.wildmind.jp/feed/howto/60
アレンジ編:拮抗立ち http://gogo.wildmind.jp/feed/howto/62

今回は、海辺で比較的見つけやすい「角の丸くなった石」、「薄く平たくなった石」を使った石花のアレンジ編「重ね斜め立ち」に挑戦します。「STEP 5.石を立てる」では、実際に石を立てている動画も見られます。

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  • 汗や手を拭くタオル

STEP 1

海辺で見つけやすい石

  • 角が丸く、薄く平たくなった石

海辺の石とひとことで言っても、その海域に流れ込む川が運んでくる山の石の終着点ですから、形やサイズ、色も様々で、河原以上にバリエーションが豊富です。それに加えて、サンゴや貝殻、あるいは溶岩が直接海で冷えたものなど、環境や地形により千差万別!

今回は、海水浴などで出かける砂浜の海岸で、比較的見つけやすい石を使います。特徴としては、なんと言っても川を流れてくるので、角が削れて丸くなった石。また、波打ち際で行ったり着たりを繰り返し、磨かれて平たくなった石です。なかには、三角や四角もあるけど、いずれも角が丸くなっています。

STEP 2

重ね斜め立ち をイメージする

  • 4段の 重ね斜め立ち
  • 6段の 重ね斜め立ち
  • 「つむじ風」達人 石花かねき氏作:横浜
  • 「トルネード」達人 石花古渓氏作:和歌山

角が丸く平たくなった石を使う、特徴的な石花のひとつに「重ね斜め立ち」があります。まずは、画像で例を見てみましょう。

石を少しずつずらして重ねて積み上げることで「斜め感」を出すのがポイントです。間に挟まる石の上下の接点が、垂直に並ぶのではなく、左右にずれるように意識します。左右へのずれが大きければ大きいほど、ダイナミックでかっこいい作品になります。
スッと真っすぐ立つのもいいのですが、絶妙なバランスで斜めに立つと、ちょっとした感動を味わうことができます。また、石の数が多ければ多いほど見栄えが良いですが、その分難易度も上がります。最初は3個程度からはじめて、慣れたら少しずつ増やしていきましょう。

石花では「積むんじゃない、立てるんだ!」とはよくいうのですが…もちろん積んでいいんです(笑)。ただ、石花ちとくとしては、積み重ねるだけではなく、できれば最後にひとつ、一番上に石を立ててほしいかも…(ここゆずれない)。

POINT

今回ご紹介する 重ね斜め立ち は、石花の大技の基礎となる型です。
5枚以上の平たい石を、小さいものから次第に大きくなるように重ねて、全体を屈曲させる型が「つむじ風」、さらにはその上にもう一段「つむじ風」を置くようなダイナミックな型が「トルネード」と呼んでいます。重ね斜め立ち に慣れてきたら、つむじ風やトルネードにも挑戦してみてください!

STEP 3

台座を探す

  • 周辺よりやや高い位置にある大きな岩
  • どっしりと安定した流木

はじめに、かっこいい石がころがっている海岸に出かけます。特に、河口の近くにある砂浜がおすすめ。川から流れてきた、角の丸くなった石をたくさん見つけることができます。

STEP1で紹介したような石が転がっている海岸を見つけたら、石花を立てる台座を探します。台座は、周辺よりやや高い位置にある、大きくてどっしりと安定した石や岩、または海岸に流れ着いたかっこいい流木などがあれば、ぜひ活用しましょう。また、せっかく海岸で立てる石花なので、後で写真を撮影することを考えて、できるだけ作品の背景に海が入る台座を選ぶとことをおすすめします!

ここでは、背景に海が見える絶妙な位置に、どっしりと安定した流木を見つけることができたので、台座に選んでみました。

STEP 4

組み合わせを考えながら石を選ぶ

  • 色、形、サイズの異なる石
  • サイズの違う石を3つ選ぶ
  • 3つの組み合わせを考える
  • 小さいものから大きいものへ
  • 一番上に大きい石を選ぶ

台座の位置が決まったら、次はその周辺で、積み重ねに適した角が丸く平たくなった石と、上に立てる少し大きめの石を拾い集めます。海岸には、丸くてツルツルした綺麗な石がたくさん落ちています。石拾いで一日終わってしまうくらい楽しいはず(笑)。そんな石拾いに夢中になると、系統が同じ石ばかり集めてしまいがちです。石花の創作においては、なるべく異なる色、形、サイズになるように意識しながら拾うのがベスト。できるだけバリエーションを意識しながら石を探し、変わった形の石があったら、とりあえず手にしましょう。

ある程度石が集まったら、重ねた時のシルエットを想像しながら、組み合わせと積み重ねる順番を考えます。ここでは下に積む石3つと、上に立てる大きめの石1つを選びました。色々石を変えてみて、コレ!と思えるまで粘ってください。

かっこいい作品をつくるコツとしては、できるだけ「ずん胴」にならないような組み合わせを選ぶこと。小さいものから大きいものへと積んでいくこと、もしくは大きいものから小さいものへと積み、最後に大きい石を立てることが、石花的な考えです!

STEP 5

石を立てる

  • 石を載せ、次に石を立てる位置を押さえる
  • 同じようにふたつめの石を載せ指で押さえる
  • さらに3つめの石を載せ、指で押さえる
  • 一番上に大きめの石を立てバランスをとる
  • ピタリ!と静止したのを感じたら手を離す

石の組み合わせが決まったら、先ほど見つけた台座の前で安定した姿勢をとり、石を立てていきます。まず、ひとつめの石を台座に載せ、グラグラしない位置を探ります。この時、次に立てる石の位置を指で押さえて、グラグラしないところを探るのがコツです。これは、アレンジ編の「拮抗立ち」で紹介した要領と同じです。また、指で押さえる位置は、石の真ん中を押えがちですが、石が多少傾く程度ずらして探るのが「斜め感」を出す極意!その傾斜をキープできる位置に、指で押さえた力と同じ重さの石を立てていきます。

石がピタッと止まったら、指で押さえた位置にふたつめの石を載せます。この時も、石の真ん中を避けて、次に立てる石の位置を指で押さえて、グラグラしないところを探ります。続けて、同じ要領で3つめの石も載せます。

最後は、一番上に少し大きめの石を立てます。下3つの石を形が崩れないように片方の手で押さえながら、もう片方の手で、そっと上に石を立て、そのまますべての石(石の接点)が安定する位置を探ります。指先に伝わる重さ加減や、石と石の当たり具合を手がかりに、バランスが取れるまで、少しずつ石を動かしながら、ピタリ!と静止する位置を探ります。そして、静止したのを感じたら、さっと手を離しましょう。

「石を立てる」実際の動画はこちら
https://youtu.be/CEun57SBRUo

POINT

石の数が増えてくると、すべての石の接点を同時に安定させるのは難しい作業になります。はじめに下3つの石を安定させて、次に一番上の位置を探ると比較的わかりやすいです。

また「重ね斜め立ち」では、石の「摩擦」と「重さ」をうまく活用することが重要になります。傾斜させた平たい石の上に石を立てるとき、接点の摩擦が大きくないと滑ってしまいます。石の材質にもよりますが、ある程度重さが無いと摩擦が効率よく働きません。少し慣れてきたら、思い切って大きめの石でチャレンジしてみましょう。

STEP 6

写真を撮る

  • 海を背景に、ひとまず証拠写真を撮る

海辺は風が強いことが多いので、作品が完成したら崩れてしまう前に、ひとまず証拠写真を撮りましょう(笑)。せっかく海で立てた石花なので、水平線をバックにしたいですね。石が斜めになるのは吉、でも水平線は斜めにならないように気をつけて撮影しましょう(笑)。

証拠写真を残したら、その不思議さに見惚れてください。できたアナタが素晴らしいのはもちろん、人の感覚って無限!と思えるし、何よりも「石って凄い!」と実感できるでしょう。

STEP 7

崩す

  • 手前から奥に向けて押して崩す

石花は、はかなく崩れるからこそ美しいアート!苦労して立てた作品を崩すのはもったいない…ところですが、必ず崩して帰りましょう。危険ですので、絶対に置き去りにしないでください!ここでは、指で押して崩します。手前や横に崩すと、石が足の上に落ちたりと危険なので、できるだけ作品から体を離して、手前から奥に向けて押して崩しましょう。

STEP 8

『やった!レポ』に投稿しよう!

良い写真が撮れたら『やった!レポ』にアップして、みんなとシェアしてみましょう!感じたことや気づいたこと、または質問などがあれば、コメントに添えてください。気に入った作品には、自分なりの名前をつけても良いかもしれません。

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MATOME
まとめ

海辺の特徴的なきれいな石を使った人気の石花「重ね斜め立ち」。下に積み重ねる石の数によっては、いくらでも変化をつけられ、難易度にも挑戦することができます。水平線とは打って変わって、不自然にきれいに傾く斜めのラインをぜひ描いてみてください。そして、苦労して立てた石がピタリ!と静止した衝撃と感動を味わってください。

最初から、パワフルでダイナミックなものをイメージする必要はありません。まずは、簡単な作品をひとつ立たせる感動体験からはじめてください。すると「もっといけるかも?」と上を目指したくなるかも…。

また、色や形、サイズも異なるいろいろな海辺の石に触れ、そこへたどり着いた道のりや、自然の力できれいに磨かれた過程を想像しながら、自分の作品に取り入れる贅沢をたっぷり堪能してください。

※海辺の日差しは強いです。日焼けや熱中症に注意して、帽子をかぶり、水分をしっかりとりましょう。
※海岸では、水難事故に注意し、必要であればライフジャケットなどを着用しましょう。
※干潮時に波打ち際で作業をしていると、集中するあまり満ちて来る潮に気付かず、戻れなくなる恐れがあるので十分注意してださい。

石花師 石花かねき氏ホームページ:http://www.ishihana-kaneki.com/
石花師 石花古渓氏ホームページ:http://www.rocksportrait.com/

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
3知性
5感性
アクティビティ
つくる
環境
山 ・ 川 ・ 海
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
30分~60分
対象年齢
4才以上(保護者同伴)
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※画像サイズが大きい場合、通信料などがより多く発生します。
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