2016.11.10985 views

空を見よう

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池田美砂子

気象予報士/ライター

空、見てますか?世界中どこにいても、空のない場所はありません。都会でも田舎でも、いつでもどこでも、当たり前のように私たちの頭上にある空。でも、当たり前であるが故に、意識せず、あまり眺めなくなってしまったという方も多いのではないでしょうか。

そんなあなたに、小さな提案。1日1回だけでもいいので、空を見上げてみませんか?昼でも夜でも、家や会社、電車の窓からでも、数秒間だけでも、空を見る。こんな簡単なことでも、毎日繰り返すことで自然と仲良くなれるのです。今日は、そんな空を眺める時間を楽しむためのヒントをお伝えします。

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STEP 1

1日1回、空を見上げよう

まずは簡単。朝、家を出たときや、会社から外出するときなど、ちょっとだけ空気が変わるそのときに、空を見上げてみましょう。家の屋根の上やビルの隙間から、電線に邪魔されても、ちっちゃくても、空が見えるはず。まずは1日1回から。「今日の空は色が濃いなぁ」「どんよりしてて雨が降りそう」「日差しが強くなってきた!」。習慣になってくると、日々の変化に気づくようになります。

POINT

空を見上げることは、姿勢の矯正やストレス解消、気分転換にもつながるそうです。心身ともに健康でいるためにも、毎日の習慣にすることをオススメします。

STEP 2

雲を見つけて、名前を付けよう

  • 3歳の娘が見つけた「電車雲」
  • 『空の名前』(高橋健司著/角川書店)

今度は、雲を探してみましょう。常に移ろい、姿を変えている雲。あなたの見つけた雲は、どんなかたちに見えますか?動物、乗り物、それとも食べ物?想像力を働かせて、名前を付けてみましょう。「電車雲(写真の雲を3歳の娘が名付けました)」「ニンジン雲」「ネコ雲」…。見つけた雲を写真に撮って、SNSでお友達とシェアすれば、盛り上がること間違い無し。お子さんと一緒に名前をつけて遊んでみるのもいいですね。

POINT

名付けに正解はありません。ひとつの雲でいろいろな名前を付けてみたり、他の誰かのアイデアを聞いてみたり、自由に楽しんでみてください。雲の名前に興味が湧いてきたら、「ひつじ雲」、「ウロコ雲」、「笠雲」…など100以上の雲の名前が載っている、こんな本を眺めてみるのもいいでしょう。

STEP 3

お天気の観測にチャレンジ!

今度は雲の量に意識を向けてみましょう。あなたの頭上に見える空の面積が10だとしたら、そのうち雲はどのくらいありますか?その割合を捉えてみてください。実は全国約60か所の気象台・測候所のうち観測者がいるところでは、目視で雲の割合(雲量)を観測しています。雲の量を0から10までの11段階で定め、次のとおり「天気」(雨や雷などほかの気象現象がない場合)に置き換えて発表します。

雲量0~1は「快晴」
雲量2~8は「晴れ」
雲量9~10は「曇り」

さて、あなたの頭上のお天気は?気象観測者気分で、観測にチャレンジしてみましょう。

POINT

気象観測者のように空全体を見渡すことは難しいので、ビルの隙間や天窓から見えた空でも、そこを10として雲の割合を捉えてみましょう。全部青空なら、あなたの頭上は「快晴」です!狭い空ほど、次々に表情を変える雲の様子が楽しめますよ。

STEP 4

天気予報しちゃおう!

最後は天気予報にもチャレンジしてみましょう。気象予報士は、何枚もの専門的な天気図を見て、この先の天気を予報します。でも、昔、天気図が無かった時代には、みんな空を見上げてこの先の天気の変化を感じ取っていたはずですよね。そういった昔ながら知恵を、「観天望気」と言います。書籍やインターネットでもたくさんの情報が手に入りますが、代表的なものをいくつか挙げてみましょう。

「夕焼けの翌日は晴れる」
「太陽や月に暈(かさ)ができると雨になる」
「雲の行き違いが早いときは暴風雨になる」

「飛行機雲がすぐ消えると晴れ、いつまでも残ると雨になる」なんて近代ならではの暮らしの知恵も使えそうです。まずはこういった観天望気を利用して、自分で予報してみてください。すると、「あれ?昨日は夕焼けだったのに今日は曇ってる…」なんて気づく日が訪れるでしょう。そう、気象現象は非常に複雑で、法則に当てはめて単純に予測できるものではないのです。もちろん、地域や地形によって違いも出てきます。だからこそ面白く、きっと、まだまだ発見できていない法則も、たくさんあるはず。毎日空を眺めてみると、あなただけの法則に気づくかもしれません。ぜひ、あなたオリジナルの天気予報を楽しんでみてくださいね。

POINT

天気予報の要素は、実は目に見えるものだけではありません。風や気温はもちろん、たとえば私の元上司は低気圧が近づくと腰痛になる人で、見事に数時間後の雨を当てていました。他にも、匂いや動物たちの様子で天気がわかる、なんて声も聞いたことがあります。まずは空を見上げることから始めて、さらに一歩、五感をフル活用した予報にチャレンジしてみてください。

STEP 5

『やった!レポ』に投稿しよう

自分で見つけた空や名前をつけた雲を、『やった!レポ』にぜひ投稿してください。
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すべての内容にお答えできないかもしれませんが、いただいたコメントにはすべて拝読いたしますので、お気軽に送ってくださいね。
みなさまからの投稿、楽しみにお待ちしています!

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まとめ

いかがでしたでしょうか?毎日空を見上げるというちょっとした習慣から簡単な天気予報まで、さまざまな楽しみ方をご紹介しましたが、空の世界はまだまだ無限の広がりを持っています。コンピューターが発達して、天気予報も当たる確率が高くなってきましたが、それでも、やはり100%ではありません。気象予報士よりも、地元の漁師のおっちゃんの方がピンポイント予報に強いというのも、実は本当のお話。コンピューターでより正確な予報を追い求めるとともに、私たち自身の五感を駆使してみることも、怠ってはいけないことだと思います。その第一歩は、空を眺めることから。私たち人間の五感が花開いていれば、今よりもっと自然環境と仲良く生きていけるのだと思います。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性2
3知性
4感性
アクティビティ
見る
環境
その他
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
~30分
対象年齢
4才以上(保護者同伴)
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コメント
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  • 編集部
    2016.11.16 22:37

    ときときさん 気持ちいいほど澄んだ「やった!レポ」画像の投稿ありがとうございます!こんな日は、地面に寝っ転がって、ずっと空を眺めているのも楽しそうですね。

  • 編集部
    2016.11.16 22:29

    hirokouさん「やった!レポ」投稿ありがとうございます!巨人の指、タラコ雲 すごい迫力ですね。お友達のネーミングセンスも素敵。どうやら秋に見られ特有の雲のようです。編集部でも、巨人の指、タラコ雲探してみたいと思います!

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