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自他共栄!里山のような庭をつくっていろんな生き物を呼ぼう

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藤原祥弘

エディター/ライター
自宅の庭で、生き物と宴会をする

いまお住まいの家には庭はあるでしょうか。少しでも自由に使えるスペースがあるなら、そこを地域の生き物と共有する空間にしてみませんか。人が街をつくる以前から、地域の生き物はそこに暮らしており、私たちが去ってからもそこで暮らします。生き物にしてみれば人間のほうがビジターでしょう。先住民である彼らに暮らす場所を返しつつ、自分も庭づくりを楽しむ。そんな気持ちで自宅の周囲の空間をデザインしていくと、生き物と人間が相互乗り入れする庭ができあがります。そんな庭は小さな宇宙にして生きた博物館。庭に一歩おりるだけで、出かけなくても自然観察を楽しめるようになります。

READY
準備するもの
  • ひとつ

  • 果樹

    植えられるだけ

  • 野菜

    植えられるだけ

  • 巣箱

    必要量

  • 園芸用品

    一式

  • フィールドノート

    1冊

STEP 1

果樹を植える

  • 冬に花をつけるビワは花が虫を養う
  • 柑橘類にはアゲハチョウが来る
  • ブラックベリーはジャムに
  • 庭にあるとうれしい果樹。モモ
  • ブドウをグリーンカーテンに仕立ててもいい

「生き物が暮らす庭」といってもすべてを彼らに明け渡さなくてはいけないわけではありません。まずは自分が楽しんでこそ。理想の庭づくりを計画しましょう。

庭に木を植えるなら果樹をおすすめします。格好いい木は美しい見た目と緑陰をつくるかもしれませんが、そこに「実がなる」という性質が加わるとぐっと楽しくなります。丈夫な種を選べば、果樹は野菜よりも手間がかからず、毎年おいしい木の実を提供してくれます。木の実は人間だけなく、鳥や哺乳類も好みます。果樹があるとそれを目当てにいろんな生き物が集まります。

地域によってはクマ類やサルのような、招かれざる客がやってくるかもしれませんが、そうでない地域なら数本の果樹を植えると生き物を養う林としての機能を持ちつつ、美味しい副産物を得られます。

入門者におすすめなのはビワやカキ、柑橘類など。これらはまったくの放任でもよく繁ります。イチジクも比較的丈夫です。低い垣根をつくるならブラックベリー。こちらも非常に強健で、たくさんの実がつきます。我が家にはモモやブドウもありますがこれらは虫の防除にちょっと手間が必要です。しかし、そんな虫との駆け引きも自然を知るきっかけになります。収穫を期待しすぎないことが、ほかの生き物と無理なくお付き合いするコツかもしれません。

STEP 2

農薬を使わずに野菜を育てる

  • 夏場は野菜買わずに済むほど採れることも
  • ミニトマトのような育てやすいものから
  • 庭で採れたふきのとう
  • フキの間に顔を出すギボウシ(別名ウルイ)
  • 1株から採れたハヤトウリ

庭を手に入れた人の多くが挑戦するのが家庭菜園です。自分が手をかけた野菜を食べるのは楽しいものです。しかし、売り物のようにきれいな野菜をアマチュアがつくるのは至難の業。たいていの場合、初めての家庭菜園ではヒョロヒョロの野菜しか採れません。その理由のひとつが害虫です。1年目の家庭菜園にはいろんな害虫が押し寄せてあなたの野菜を食い荒らします。

そんなとき頭をよぎるのが農薬の二文字。ホームセンターに行けばアマチュアが手軽に使える農薬がたくさん並んでおり、実際にそれらはよく効きます。しかし、農薬は消したい虫だけに効くわけではありません。庭にいて欲しい益虫や良いことも悪いこともせずただそこで暮らす虫まで死んでしまいます。

虫は太陽光&土→植物→虫→鳥や爬虫類といった食物連鎖のステージのひとつなので、虫を殺してしまうとその先の生き物を養えません。庭の野菜に農薬をかけると、緑ではあるけれど生き物の賑わいのない庭になります。

家庭菜園を初めてからの数年は農薬をぐっと我慢して、たくさんの野菜を植えてみましょう。そのうちに、その庭に植えても虫に食われにくい野菜の種類や品種がわかってきます。もともと山に生えるウドやフキといった山菜も強健で薬いらずです。農薬を使わずに野菜を育てていると、そのうちに害虫と益虫の力が拮抗して、初期ほど害虫に食われにくくなります。

無農薬とはいっても、無抵抗に徹しろとは言いません。私も害が多い虫は駆除しています。使うのは「テデトール」と「スイトール」。前者は人の手で取る防除方法を農薬の名前風に面白おかしく表現したもの。昔から葉につく幼虫などを相手に多くの人が実践しています。スイトールはコードレス掃除機で吸い取ること(私の勝手な命名)。ハムシの成虫やカメムシ類に有効です。

野菜や果樹を植える際に気をつけたいのが逸出です。庭からこぼれた種子や、鳥の糞に残った種子が庭の外で繁殖しないよう、あまりに強健な種や繁殖能力の高い品種は選ばないようにするか、早めに収穫しましょう。

STEP 3

花を植える

  • ブラックベリーを吸うベニシジミ(春)
  • レモンに来たニホンミツバチ(春)
  • キュウリに来た小型のハチ(夏)
  • ウドとウラナミシジミ(秋)
  • ビワに来たニホンミツバチ(冬)

虫を呼びやすい花を植えると、訪花昆虫が増えて一気に庭が賑やかになります。……と言いながら、わがやでは花が主役になるような植物はほとんど植えていません。果実を期待しつつ花も咲く野菜や果樹を主体に植えています。

意識しているのは、春、夏、秋、冬のどの季節でも花を絶やさないこと。とくに、花が少なくなる秋から冬にかけては、この時期も活動する虫にとっては庭が貴重な食事の場になります。

春にはベリー類や柑橘類の花、夏はキュウリなどの夏野菜、秋はウド、冬はビワやウメなどが虫に人気です。虫はもちろん、メジロのような花の蜜を吸う鳥もやってきます。

野菜や果樹以外も植えられる余裕のある人は、数を減らす地域の花を植えてもよいでしょう。地域の虫と地域の花は長い時間をかけて関係を築いているので、どちらか片方だけでは存続できません。両方が残っていることが大切です。しかし、希少な花であっても、離れた場所からもってくるのはNGです。地域に残る株に他の地域の遺伝子を混ぜてしまう可能性があります。地域の花を育てるノウハウは以下の記事に詳しく紹介されています。

在来植物の花「ここはな」で昆虫も喜ぶ花壇をつくろう
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/308

STEP 4

グリーンカーテンをつくる

  • いろんなツル植物を試していたころ
  • 地面を這いがちなカボチャも実は上昇志向
  • ハヤトウリはよく茂る
  • ハヤトウリは晩秋に慌てて実をつける
  • グリーンカーテンがあるとカマキリが増える

限られた敷地を活かすなら、垂直方向に植物を伸ばすグリーンカーテンはぜひ取り入れたいもの。市販のキュウリネットなどを張って、ツルを上方へと誘引します。そのままでは生き物が利用できないただの壁も、植物を這わせれば生き物の生活の場に変わります。とくに歩いて獲物を探すカマキリやヤモリには評判です(……と私は勝手に思っています)。

グリーンカーテンは人にとっても良いものです。壁面や大きな窓を緑で覆うと日差しが葉っぱに遮られて、体感できるほど室温が下がります。太陽光を壁面に当てればただ家と地球を熱するだけですが、グリーンカーテンに当てれば果樹や野菜を養い、それは昆虫や鳥や自分の体に変わっていきます。

いろいろ試した結果、わがやのグリーンカーテンのレギュラーはナガイモ、カボチャ、ハヤトウリになりました。ナガイモは早い時期から伸びるので日差しが強くなる5月ごろには壁を覆います。陽当たりが悪くても葉をよく茂らせ、秋まで壁を覆うのも魅力的です。カボチャはいつの間にかうどんこ病に強い品種がこぼれ種子から生えるようなりました(カボチャは品種によってはうどんこ病になりやすい)。毎年10個前後の実を収穫できています。

ハヤトウリは九州などでよく野生化している南米原産のウリの仲間。春の早い時期からつるを伸ばしますが、夏はあまり茂らず、秋になってから旺盛に繁り、暮れも押し迫ってからたくさんの実をつけます。

キュウリやゴーヤもよいのですが、これらの夏野菜は強い日差しが必要なので、よく日の当たる南面などに向いています。日照時間が短い壁には向いていません。

STEP 5

水場をつくる

  • 睡蓮鉢のオタマジャクシで甲羅を除肉
  • 帰ってくるようになったヒキガエル

水場も庭の生物多様性を高めるツールです。睡蓮鉢程度のたまり水でも、あるとさまざまな生き物が利用しに来ます。カエル類やトンボ類、水浴びに来る鳥……。とくに水が少なくなる渇水の時期は小さな池が生き物の拠り所になります。

わがやではプラスチックの睡蓮鉢を庭に埋め(こうすると凍結しにくくなり、また生き物が水に出入りがしやすくなる)、近所の用水路ですくってきたメダカをボウフラの防除用に泳がせていました。

ある年、子供が鉢にこの用水からすくったヒキガエルの卵を入れたところ、そこから孵ったオタマジャクシたちがチビガエルになり、自宅の庭はもちろん庭の外へも拡がっていきました。その2年後からヒキガエルたちは春になると睡蓮鉢に帰ってくるようになりました。

わがやはたまたま近く(50mくらいの場所)に用水があったため、そこから生き物を動かしても大きな影響はないと判断しましたが、生き物の移動は思わぬ問題も引き起こし得るので、庭に水場をつくるときは水辺ビオトープの作り方を参照してください。

小さな水辺ビオトープをつくって生き物を涵養しよう
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/272

STEP 6

枝を分解しつつ生き物の隠れ家にする

  • 枝を隙間なく積み上げて分解する
  • 朽木を隙間なく積むとカブトムシが来るかも
  • 庭で育ったカブトムシ

庭に樹木を植えると、落ち葉や剪定した枝を定期的に処理することになります。そんなときはゴミに出さずにバイオネストをつくりましょう。バイオネストとは剪定枝自体を柵にして、そこに刈った枝や草、落ち葉などを積み上げて分解させるシステムです。枝自体が柵になるので、数年すればすべてが土に還ります。

このネストはその名のとおり生き物の隠れ家になり、ある程度分解したら今度はカブトムシのような落ち葉や朽木を食べる虫を養うようになります。朽木と枝を積んでおいたところ、わがやにも近所の森からカブトムシがやってきて産卵しました。

STEP 7

生き物の通り道をつくる

  • あらゆるルートでやってくるアライグマ
  • フェンスの下に残した獣道
  • 用水路に立てた木の枝
  • 枝をつたってヘビが庭にやってくる
  • 果樹の並木。木に沿って鳥が来る

庭を整えても突然そこに生き物が湧くわけではありません。生物たちは住み良い場所を求めてどこかからやってきて居つきます。そのため、生き物がやってくるルートを意識して整備する必要があります。

雑木林と果樹園の間にあるわがやの庭は、かつてタヌキの通勤路でした。しかしあるとき、いつもタヌキがくぐるフェンスの隙間に物を置いたら、タヌキは迂回するようになってしまいました。それ以降、物をどかしてもタヌキは通りません。とぼけた性格をしているようで意外と繊細でもあるようです。

そんな気遣いは不要とばかりに通るのはアライグマ。地面もフェンスもなんでもござれの彼らは、果樹が実るとフェンスをつたってやってくる招かれざる客です。

来るのは哺乳類だけではありません。家の裏の用水には裏山からヘビがよく流れてきます。一度落ちるとあがる場所がないのです。そこで用水路に1本枝を立てかけてわがやの庭につないだところ、庭でヘビに会えるようになりました。いまのところアオダイショウ、ヒバカリ、シマヘビの3種を記録しています。

庭木も生き物の通り道になります。小鳥にとっては遮るもののない空間の移動は緊張感を伴うよう。いちど庭木を強く刈り込んだらその冬はあまり来なくなりました。彼らには裏山から続くわがやの庭木と、いざとなったら飛び込める常緑樹が必要だったようです。庭木の配置や茂り方でも鳥の顔ぶれは変わるように思います。

自宅の庭だけでなく、そこにつながる環境を意識し、そこからの生き物の流れを意識するとより多くの生物を呼び込むことができます。

STEP 8

巣箱を用意する

  • シジュウカラの雛の巣立ちの瞬間
  • ニホンミツバチの巣箱。蜜を取れる
  • 台所の窓をナワバリにするヤモリ
  • ヤモリのために吊るした巣箱。隙間がある
  • 狩りバチ用に筒をまとめたもの

地域の生き物がいちばん欲しがっているもの……繁殖する場所を提供するのも効果的です。都市近郊の生物のなかには、数を殖やそうにも住宅難で殖えられないものもいます。営巣場所が彼らの繁殖のボトルネックとなっている場合、巣を用意するとすぐにやってくるかもしれません。

わがやで人気の物件が小鳥用の巣箱。庭木に3個かけたら、そのうちのひとつを選んで(毎年使う巣箱は違う)、シジュウカラが子育てするようになりました。巣箱にはあらかじめ小さなカメラをしかけてあります。雛の成長をカメラ越しに見るのは春の楽しみです。

庭には鳥の巣箱のほかにニホンミツバチの巣箱とヤモリの巣箱、狩りバチ用の巣箱を置いてあります。大きな樹洞が少ない郊外にあって、二ホンミツバチの巣箱は活躍している様子。結局ヤモリも専用の巣箱ではなくミツバチの巣箱の隙間をよく使っています。蜜にひかれてきた虫を食べるのに好都合なのかもしれません。大小さまざまな竹筒をまとめた狩りバチの巣は、各々が自分に合ったサイズの管を選んで利用しています。

こんな巣箱を用意することで、わがやの周囲だけ明らかに生き物の気配が高まっています。巣箱を直接利用する生き物はもちろん、それを食べようとする別の生き物も集まってきます。空にはミツバチを狙ってツバメが飛来し、巣箱のシジュウカラは庭の野菜から青虫を調達しています。まだ見ていませんが、狩りバチも野菜についた虫を食べているはずです。

STEP 9

庭に生き物のせめぎ合いをつくる

  • ハバチに食い荒らされたキャベツ
  • なんでも食害するシモフリスズメ
  • 芋虫を肉団子にするコアシナガバチ
  • テントウムシの幼虫はアブラムシの天敵
  • カナヘビを食べるカマキリ

庭で野菜や果樹を育て、そこをいろんな生き物のすみかにしようと試みていると、自分にとって好ましいものだけを増やすことはできないことに気づきます。

野菜を育てるとハバチやチョウやガの幼虫がそれを食べにやってきます。大繁殖するとどうしても「農薬でかたっぱしから……」といった考えが頭をよぎります。しかしそんなときに野菜から巣箱に目をやれば、そこには芋虫をせっせと雛に運ぶシジュウカラがおり、農薬を野菜に撒いたらそのとばっちりで死んでしまうミツバチがいます。ミツバチを生かし、シジュウカラに食物を提供し、害虫を一掃する……とはいかないのです。

面白いことに、食って食われる関係のなかで、庭で生まれたエネルギーは次々に「良いもの」と「悪いもの」をリレーしていきます。野菜(好ましい)→害虫(好ましくない)→シジュウカラ(好ましい)といったふうに、土と太陽光が生み出した栄養とエネルギーは目まぐるしく立ち位置を変えます。害虫が憎いからと消してしまえば、それを食べるはずだったシジュウカラも消えてしまいます。もちろん害虫を消したときにミツバチも消えています。ヤモリも、カマキリも消えるでしょう。

そこで私は、どの生き物も消さずに、増やすことにしました。あらゆる生き物が増えると、それぞれの力が拮抗しあって、壊滅的に何かを食われてしまうことが減ります。芋虫に困るなら狩りバチやシジュウカラを増やせばいいし、芋虫に食われるぶんの野菜や果樹にはある程度目をつぶる。それぞれに、それぞれの取り分を配り、最後に残った物を自分の取り分と考えるようにしました。

わがやの家庭菜園や果樹はとても見た目が悪いものの、生き物の濃さは近隣の公園や畑よりはるかに濃密です。

STEP 10

見た生き物を記録する

  • ジョウビタキとクマネズミ
  • サクラの下に生えたアミガサタケ。美味
  • みんな大好き、ラミーカミキリ
  • 部屋に入ってきたコオニヤンマ
  • 鮮やかなミヤマアカネ

庭には四季折々、さまざまな生き物が訪れます。庭が充実すればするほど来訪者も増えるので、家に居ながらにして自然観察を楽しめるようになります。今になって残念に思うのは、五月雨に撮影するばかりできちんと記録をとっておかなかったこと。この家に移り住んで、庭で行った作業と庭に来た生き物の記録をとっておけば、何種類の鳥や昆虫に出会えたか、どんな生き物が増えたり減ったりしたのかわかったはずです。

記録をとっておけば、翌年以降はどんな季節にどんな生き物が庭に現れるかわかります。きのこや山菜のとり漏らしや、楽しみにしていた生き物のイベントを見逃す失敗を避けられます。そんなわけでは私は、庭専用のフィールドノートをつけ始めました。今後どんな記録がつけられていくでしょうか。

STEP 11

やっかいな隣人と付き合う

  • 外飼いのネコもSFTSを運ぶ
  • 身近な強敵のアライグマ
  • 最近は都市にもマダニがいる

庭には来るのは好ましい客ばかりではありません。果樹を食い荒らす外来種のアライグマ、外飼いのネコやタヌキについたマダニ、病気を運ぶかもしれないネズミ類……。

とくに、野生の哺乳類が運ぶ病気や寄生虫は気になります。近年はSFTSのような死亡率の高い病気も流行しています。かわいい楽しいと動物を庭に受け入れていたら、彼らが運んできたマダニを通じて庭でSFTSに感染……なんてことが起こらないとはいえません。

これらについて私は態度を決めかねています。外来種と在来種でも線の引き方が変わります。あまりに頻繁に来るなら物理的に障壁を設け、それでも解決しなければ(外来種なら)法のゆるす範囲のなかで駆除もやむなし、と考えています。人の健康を守りつつ厄介者を過剰に排除しない……。匙加減の難しい問題です。

STEP 12

『やった!レポ』に投稿しよう

体験したら、写真をとって『やった!レポ』に投稿しましょう!苦労したことや工夫したこと、感想などあれば、ぜひコメントにも記載してください

MATOME
まとめ

東京郊外の今の家に移り住んで6年。砂利と瓦礫混じりの建設残土に生ゴミや落ち葉を漉き込んでは少しずつ土を改良してきました。土は痩せ、日当たりもいまいちの庭で試行錯誤を繰り返すうちに、こんな条件でも葉を茂らせる野菜や果樹がわかってきました。土が緑に覆われて、植えた果樹が育つにつれて観察できる生き物の数は増えているように思います。庭におりるたびに知らない生き物に出会い、そのたびに時間が溶けていきます。そんな出会いを繰り返すうちに、私はいつしか出会った生き物の立場で庭を見るようになりました。あるときはシジュウカラ、あるときはミツバチ、あるときは狩りバチ、あるときはみなから疎まれる害虫やネズミに……。庭を訪れる面々は全員がぜんいん、好ましい客ではありませんが、人の視点を捨て去れば私だってこの土地にとって好ましい来訪者ではないかもしれません。私たちは不都合なものは消してしまえばいい、と簡単に考えがちですが、その考えを人間にまで適用したらどんなことになるでしょうか。好ましい者もそうでない者も、せめぎ合いながら共に生きる。その面倒くささを受け入れてはじめて、世界の豊かさを保持できるのではないか。庭を見ながらそんなことを考えています。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
5知性
3感性
アクティビティ
つくる
環境
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
1日以上
対象年齢
小学生高学年以上
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