2018.03.161771 views

マウンテンバイクを操り、自然を身体で感じよう

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中沢清

マウンテンバイクショップナカザワジム/西多摩マウンテンバイク友の会」会長
感覚を研ぎ澄まし、地形や路面状況を楽しみ、季節を味わう

マウンテンバイク(以下「MTB」)は、名前の通り、山道(トレイル)を走ることを目的とした自転車です。競技スタイルや遊び方も多様にあり、急な斜面を駆け下りる「ダウンヒル」や、アップダウンのある少し長めの距離を走る「クロスカントリー」といったレース競技や、自然の中で自分のペースで野山を駆け巡る「トレイルライド」などがあります。使用する自転車も街乗り用とは違い、強い衝撃に耐えられる太いタイヤと丈夫なフレーム、ショックを和らげるサスペンションが付いており、石や木の根っこで凹凸した山道を走るために適しています。MTBを操ることで、ハイキングやランとは違った感覚が味わえ、体験の可能性が広がります。また、自然の中を駆け巡ることで、爽快感が味わえ、全身で季節を感じることができます。ここでは、MTB初心者の方に向けて、トレイルライドのはじめ方と楽しみ方を紹介します。

READY
準備するもの
  • マウンテンンバイク

  • ヘルメット・グローブ(滑らないもの)

  • バックパック

  • 飲み物・補給食

  • 携帯工具・スペアチューブ

  • 救急セット(消毒・絆創膏・包帯等)

  • フロントライト、テールライト(推奨)

  • アイウエア(推奨)

  • ホイッスル(推奨)

  • ワイヤーロックなどの鍵(推奨)

  • ウィンドブレーカーなどの雨具(推奨)

STEP 1

MTBでトレイルライドをはじめるには?

「MTBでトレイルライドをはじめたい!」と思ったら、まず2つのハードルがあります。ひとつ目は、山道を駆け巡るために適したMTBが必要になること。ふたつ目は、MTBを乗り入れられる山道は限られているため、走行できるコースを調べるのも手間がかかること。そこで、一番手っ取り早い方法は、MTBを取り扱っているショップに相談するか、マウンテンバイク団体の活動に参加することをおすすめします。なかには、MTBや装備をレンタルできるツアーやグループライドも開催されているので、気軽に体験することができます。

POINT

全国エリア別MTBコース(引用:BiCYCLE CLUB)の情報はこちら
https://www.ei-publishing.co.jp/bicycle/course_guide/

私のかかわっているショップや団体はこちら
・マウンテンバイクショップナカザワジム
https://www.facebook.com/nakazawagym
・西多摩マウンテンバイク友の会
http://nishitama-mtb.jp/
http://www.facebook.com/nishitamaMTB

STEP 2

目的や計画をたてる

素敵な景色を見に行くためでも、道自体を楽しむためでもOKです。トレイルライドに出かける前には、事前に目的や計画をたてましょう。これも楽しみのひとつです!

ツアーやグループライドに参加する場合は、設定されている目的や計画があるので、目を通しておくようにしましょう。自身でトレイルライドに出かける場合は、きちんと下調べを行い、無理のないルートとスケジュールを設定しましょう。スケジュールには、適度な休憩を挟み、時間に余裕をもって計画することが、安全に楽しむことにつながります。また、念のためトラブルがあったときの、ショートカットルートを考えておくと良いでしょう。そして、きちんと立てた計画は、家族や友人にも伝えておくようにしましょう。

STEP 3

スタート前の安全点検

  • ヘルメットの被り方
  • ハンドルとブレーキの確認
  • サドルとペダルクランクの確認
  • エア圧・ハブの確認と服装

整備されているレンタルのMTBであれば問題はないのですが、それでも走り出す前には安全点検は必須です!各部のネジにゆるみがないか、ハンドルとブレーキ、サドルとペダルクランク周り、タイヤのエア圧やハブ、調整機構のついているサスペンションであれば、体重に合わせたセッティングなどを確認します。はじめのうちは、ガイドや詳しい人にしっかり教えてもらいましょう。

服装は、できるだけ肌の露出が少なくて動きやすいものを選びます。ボトムが長いものは、裾がチェーンに巻き込まれないように、バンドなどで止めておくと安心です。グローブはすべらないものを選び、ヘルメットはきちんと被れているかの確認も忘れずに。

STEP 4

フィールドへ向けてスタート

  • 一般道路の走り
  • 街中の走り

準備運動を終えたら、MTBにまたがりフィールドに向けてスタートです!一般道では、無理に速く走る必要はありません。ウオーミングアップライドも兼ねて、軽めにギアを設定し、足をクルクル回して、MTBに慣れましょう。仲間と走るときは、より安全に配慮し、会話を楽しみながら目的地まで向かうのも楽しい時間です。もちろん道路交通法は守って走りましょう。

STEP 5

山道に入る

いよいよ山道に入ります!トレイルライドでは、山道、林道、ハイキング道などを利用することもあります。そのため、登山やトレッキング、山仕事を行っている人などにも出会います。他の利用者への配慮を忘れずに、安全を第一に、マナーを守って楽しみましょう。例えば、スピードは出しすぎず、いつでも止まれる速度を心がけます。他の利用者とすれ違うときは、自転車を下りて道をゆずり、気持ち良く挨拶を交わしましょう。また、山道には貴重な植物や生き物が生息している場合があります。決められた道以外は走らず、無用なスライディングなど、コースに無駄な負荷をかけない注意も必要です。

はじめのうちは、慣れない凹凸道に、思わず体に力が入り、ガチガチに固まってしまう人もいます。体が固まってしまうと、ショックに対して柔軟に対応ができなくなるだけでなく、疲れやすくなります。できるだけ体をゆるく構えて、ショックを吸収するようなイメージでライディングするようにしましょう。

STEP 6

トレイルライドの楽しみ:地形や路面状況の変化を感じる

  • 上り坂
  • 下り坂
  • 砂利の道
  • 落ち葉の道

山道には、整備された道路とは異なり、様々な表情があります。ここでは、MTBを通していろいろな地形や路面状況の違いを、身体で味わう楽しみを紹介します。まずは、森の澄んだ空気の中、汗をかきながら重たいペダルを踏みしめて登る上り坂。坂道の傾斜が、ペダルの重さとなってじわじわと伝わります。そして、そんな坂道を登り切った後は、風を切って進むのが気持ちいい下り坂。ブレーキを巧に操って速度を調節し、心地よく駆け下りるのも楽しみのひとつです。

砂利の上では、細かい振動を身体で感じ、スピードの緩急をつけることで振動のリズム変化を楽しめます。土の上では、柔らかい・硬いをタイヤを通して感じられ、時折ある石や木の根っこを越えるのも楽しいです。落ち葉の上では、タイヤが葉っぱを踏みしめるときのサクサクという乾いた音や感触。柔らかい葉っぱが積み重ねられて、フカフカした上を走る浮揚感も味わえます。

スキルが高くなれば、地形の変化や路面の変化を利用し、MTBと身体を道の変化に合わせて流れるように走れるようになり、トレイルライドにおける理想的な心地よさを感じることができます。

STEP 7

トレイルライドの楽しみ:季節を感じる

  • 夕方

トレイルライドの醍醐味は、自転車ひとつで自然の中を駆け巡るため、季節の移り変わりを身近で感じられるところにもあります。春は、ぽかぽかした陽気に、草木が芽吹いていく姿と瑞々しい香り。夏は、力強い森の緑と、青空に白い雲のコントラストのある風景。秋は、森が赤く色づき、視界が開けて落ち葉がサクサクと敷き詰められた地面。そして冬は、高い空に、肌を刺すような凛とした冷たい空気。 どの季節をとっても自然は違った表情をみせてくれます。五感を研ぎ澄まして、全身で自然を感じましょう。

五感の感度をあげることにより、自然の香りや音、空気感など普段気づかないことにも意識を向けられるようになります。

STEP 8

『やった!レポ』に投稿しよう

トレイルライドを楽しんだら、写真に撮って「やった!レポ」に投稿して、体験をシェアしましょう。感動した景色や、楽しかったポイントもあれば、コメントに記載してください。

MATOME
まとめ

自然の中をMTBひとつで駆け巡るトレイルライド。MTBがあることで、ハイキングやランとも違った感覚や心地良さを体感することができ、可能性が広がります。全身の感覚を研ぎ澄まして、地形や路面状況を楽しみ、季節を身体で感じましょう。

また、自然環境と他の利用者への配慮を心がけることで、その場所でずっと楽しんでいけるだけでなく、一番大事な「安全」にも繋がります。 自然の中で遊ばせてもらっているという気持ちを持って、そこに住む生き物や植物を大切に守りながら、MTBライフを楽しみましょう。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
3知性
3感性
アクティビティ
感じる
環境
山 ・ 川 ・ 森 ・ 公園
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
1時間~3時間
対象年齢
小学校低学年以上
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