【連載】親子で楽しむデザイン体操 #3美しい正方形を発見しよう＊初級

■観察エリアを決める
公園に出かけましょう。立派な自然公園や森林公園もよいですが、近所の小さな緑地公園でも構いません。そこで、観察エリアを決めましょう、秋冬は、木のあるところ。春夏は、花があるところが、おすすめです。観察エリアを決めたら、大人と子どもでペアチームを組み、『正方形』を、自然の中に探しましょう。

■観察は、木の幹のひび割れから
正方形の観察は、木の幹のひび割れを観察することから始めましょう。縦に横に引っ張られて割けた表面の皮の細かいひび割れの中に、正方形が見つかるかもしれません。そして、見上げると、木の枝が奇跡的に完璧な『正方形』を描いているのを発見できることもあります。花の季節には、虫眼鏡を持って、花の中をのぞいてみましょう。四枚の花弁、八枚の花弁の花の中に、正方形がみつかります。四枚の花弁やガクに注意していると、これから開く小さなつぼみや、いっぱい種をいれた実が、正方形のパッケージをつくっているのが見つかります。正方形の石畳のまわりには、草が正方形を描きながら生えてきます。

子どもが発見係、おとなはデジカメやスマートフォンでの記録係、が基本ですが、おとなも発見できるかもしれません。また、大人と子どもの数があわないときは、子どもどうしのペアチームもありです。その場合は、いくつかのチームに一人の大人がついて、記録係を務めましょう。

■ひとエリアの観察の制限時間は15分
このお宝探しの制限時間は、ひとエリアにつき15分です。スマートフォンのタイマーを15分にセットして、お宝探しに取り組みましょう。15分経って、まだ探したりなかったら、さらに、ワンセット追加して、時間を延長しても構いません。また、観察エリアを変えて、さらにワンセットのお宝探しに挑戦するのもよいです。楽しくなってきたら、4セット、60分くらいやるとよいでしょう。かなりの数のお宝が発見できます。

『美しい正方形』を発見したら、宝探しのパートナーを呼んで、発見の喜びを分かちあいましょう。そして、それがどんな正方形なのか、どんな風に正方形が作られているのか、よーく観察しましょう。二人の眼で観察すると、最初には見えていなかった新しい発見が見えて、いっそう楽しくなります。

発見した『美しい正方形』を、写真にとって記録しましょう。形のディテールがわかるように『美しい正方形』を中心において、きれいな写真を撮りましょう。また、観察して気がついたことは、小さなメモ帳にメモしたり、スマートフォンのボイスレコーダーに吹き込んでボイスメモしておくと、発見を忘れません。

記録ができたら、制限時間がいっぱいになるまで、同じエリアで、さらなる『美しい正方形』を探し、発見―記録のプロセスを繰り返しましょう。

撮った写真を、パソコンやタブレットの大きなモニターで、あらためて見てみましょう。これは、家に戻ってからでも、天気が悪くて出かけられないような日に、あらためて見てみるのでも構いません。『正方形』は、力が安定した不動の形。発見した『正方形』がどのように作られているのか、その不思議に考えを巡らせてみましょう。『正方形』を折ってつくられる形は無限にあり、一枚の正方形の紙から、箱のような入れ物や、立方体をつくることができます。お気に入りの『正方形』が見つかったら、ぜひ自分でも、紙を使って作ってみましょう。

《おすすめデザイン体操 in 博物館》
国立科学博物館 本館（日本館） 鉱物展示室
「黄鉄鉱（パイライト） Pylite 」や「方鉛鉱 Galena」「蛍石 （フルオライト） fluorite」等の自然の鉱石には、驚くほど美しい正方形の結晶が見つかります。近くの公園で見つけることはできませんが、国立科学博物館に出かけて、鉱物展示コレクションの中に、美しい正方形を発見しに行きましょう。日本各地の科学額物館、鉱物博物館でも、きっと見つかります。

《おすすめ相談室》
子ども科学電話相談室
NHKラジオでは「子ども科学電話相談室」という、子どもが不思議に思ったことを、自然科学研究の第一線にいる専門家の先生に電話で質問できる、人気の長寿番組があります。また、各地の科学館で、子どもの質問を受けつけているところもあります。そのようなところで、自然科学の専門家に質問してみることもおすすめです。
https://www.nhk.or.jp/radiosp/kodomoq/

《おすすめ書籍》
正方形 - ブルーノ・ムナーリ かたちの不思議1（ブルーノ・ムナーリ著、阿部雅世訳 平凡社）
デザインの神様、ブルーノ・ムナーリが発見した『美しい正方形』を満載した、かたちの百科事典。古代建築から現代建築まで、子供の遊びから高等数学まで、微生物から渦巻星雲まで、魔法陣から人相学まで……古今東西のデザインの知恵がちりばめられた、伝説の一冊。
詳細はこちら https://www.masayoavecreation.org/munari-square

《おすすめ映像》
究極の正方形 - エリック・アベルグ Erik Aborg の動く彫刻
スウェーデンのジャグラー、エリック・アベルグは、折り紙とジャグリングの動きを組みあわせて、正方形の箱が自由自在に動いて様々な形をつくりだす、動く正方形の彫刻ゴーストキューブ GHOSTKUBE を発明しました。

エリック・アベルグ Erik Aborg GHOSTKUBEを語る。

発見した正方形のお宝写真を『やった！レポ』に投稿して、驚きと歓びを分かちあいましょう。正方形の中に発見した不思議も、コメントに添えて教えてください。