SPECIAL TOPIC
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2017.08.08
登るだけじゃもったいない!もっと山を楽しむ山行へ、GO! GO!

「なぜ、エベレストに登るのですか?」という質問に対して、「なぜなら、そこに山があるから」と、イギリスの登山家ジョージ・マロリーは答えました。「そこに山があるから」という、この言葉はあまりにも有名です。エベレスト登頂に誰も成功していない当時、それを目指す、静かでとてもワイルドな情熱を、言葉の裏に感じます。やがて、エベレストもそれ以外の山々も、人類が山頂を次々に制服していくと、登頂するという目的以外の新しいチャレンジ、新しい山での遊び方が広がって行きました。人工器具の助けを借りずに登攀するクライミング・ジャンルや、山を走りその早さを競うトレイル・ランニングなどなど。そして、遊び方は、誰かと競うだけではありません。レベルがずいぶん違うという声が聞こえてきそうですが、自然のなかでの遊びは、要は設定やテーマ次第でどんどん面白くなるのだと思います。 今回紹介するHow toは、山をもっと楽しむための新しいチャレンジやテーマのヒントとなりそうなものを集めてみました。例えば、高山植物ではなく、地衣類やきのこを探すことを目的に山に出かけたり、山中の音をテーマにしてみたり。今度の山行から、いつもとちょっと違うテーマを設定してみては、いかがでしょうか? クリエイティブにそしてワイルドに、もっと山を楽しんでみましょう!

  • 宮原 悠

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    兵糧丸(ひょうろうがん)という言葉を聞いたことがありますか?食品の加工技術や、保存技術が発達していない大昔に、試行錯誤で生み出された、丸薬状の携帯保存食、野戦食のことです。戦国時代に主に使われていた兵糧丸は、穀物の粉末と木の実、蜂蜜、味噌、油、塩などを練って作られました。現代で言うエナジーバーのようなものですね!決して衛生的とは言えない状況で、常温で何日も持ち歩き、問題なく食べられていたそうです。「みそ玉」はその一種で、味噌を中心に、干し野菜や穀物、干し魚などを混ぜて丸め、お湯で溶いて味噌汁として、時にはそのままかじって食べられていたそうです。〝味噌の医者いらず” と言われるように、そもそも味噌は、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルを多く含んだ健康食です。そこに、さらに、出汁となるタンパク質やアミノ酸を含んだ魚介や、ビタミンや鉄分などのミネラルを含む干し野菜を加えることで、身体を元気にしてくれる液体スーパーフードが完成します!今回は、旬の野菜を使った干し野菜と、手作り味噌で、栄養満点なオリジナルみそ玉、名付けて「ソルジャー味噌」を作りましょう!『手作り味噌を育てよう!』:https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/83

  • 川口拓

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    野外活動中に遭難してしまった。災害に遭って、ライフラインから孤立してしまった。そんな時、救助がそこに来ているのに、こちらの存在に気付かれず、見つけてもらえず、命を落としてしまう。こんなケース、実は少なくありません。私が今まで読んだ、実際にサバイバルな状況を生き延びられた方の手記にも、必ずと言っていいほどそんな体験が出てきます。例えば、上空を飛行機やヘリが通り過ぎて行ってしまう。一瞬の期待が頂点まで登りつめ、また一気に奈落の底へ突き落とされるような体験。心身ともに極限状態にある時には、耐え難い出来事でしょう。「見つけてもらう」というテクニック「シグナリング」は、非常に重要なサバイバル術であり、また一方で最も軽視されがちなものでもあります。今回は、しっかりと要点をおさえた、少ないアイテムでの「シグナリング」のテクニックを紹介します。野外活動時に限らず、都市災害対策などにもぜひ取り入れてみてください。【連載】ブッシュクラフト入門#1 ペグ作りで覚えるナイフの使い方https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/86#2 タープと2種類のロープワークでつくるシェルターhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/87#3 フォックスウォークで地球と歩こうhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/90#4 トラッキングベーシックhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/96#5 ナイフ一本で挑戦!快適な焚き火ベンチをつくろうhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/103#6 マルチに使える薬草ミストを仕込もう!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/117#7 サバイバル術「シグナリング」を覚えておこう!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/124

  • 川崎義博

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    森へ入る。静かにそっと。ゆっくりと落ち葉を踏みしめ、かすかな森の土の感触を確かめつつ。倒木をまたぎ、朽ちた木を眺め、新緑の天蓋を見上げる。息を吸い込むと、森の様々な匂いが体に流れ込む。風が頬を撫ぜ、木の葉のざわめきを運んで来る。大きな木にもたれ、この樹が聞いて来た何百年の音を思う。目を瞑り、この樹の一部となって。何百年の音を聴く。そして、少しだけ音を録る。人はどうして森へ入るのでしょう?森林浴?鳥や樹木の観察?様々な目的があるでしょう。私の場合「森の音の録音」が目的でした。その音で、番組を作り、CDなどを創ってきました。しかしいろいろな森に入るうち、音を録音する事だけが目的ではなくなり、森と対話し、その森に同化する事が大切になりました。すると、森の体験が変わってきました。その結果、録音する音も変わりました。森から持ち帰るのは、森の記憶、森の時間であり空間です。皆さんも一度森に入る具体的な目的を捨て、その森と同化してみませんか?森は生きています。その呼吸とあなたの呼吸を合わせる時、何かが伝わってきます。そして記憶として音を持ち帰ります。帰って録音した音を聴くと、森の空間が広がるでしょう。

  • 新井文彦

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    はるか昔、生物の分類は、動物と植物のふたつに大きく分けられ(現在の分類体系はとても複雑です!)、植物はさらに、花を咲かす高等な植物・顕花(けんか)植物と、花を咲かせない下等な植物・隠花(いんか)植物に二分されていました。隠花植物は、シダ植物,コケ植物,藻類,菌類などを含みます。明治時代の日本を代表する知の巨人・南方熊楠(みなかたくまぐす)は、博物学、宗教学、民俗学など、広い分野での活躍が知られていますが、植物学、中でも粘菌をはじめとする隠花植物の研究が有名です。ぼくはきのこや粘菌が大好きなのですが、コケ、シダ、地衣類などにも興味を持っています。そう、それらの生物を、ひと言で表す便利な言葉こそ、生物学的にはほぼ死語となった「隠花植物」なのです。下等だなんてとんでもない。他の生物と同様に、地球生命が誕生して以来、進化に進化を重ねた最新鋭最先端の生物です。この連載では、毎月第4木曜日 全5回にわたり、いわゆる隠花植物の中から、コケ、シダ、きのこ、地衣類、粘菌をご紹介します。花が咲かないから地味だ、などと思っていたら大間違い。その美しいこと、愛らしいこと……。じっくり観察したら、隠花植物のとりこになること間違いなしです。【連載】隠花植物入門#1 めくるめくコケワールドを覗いてみよう!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/113#2 不思議生物 地衣類ウオッチングに行こう!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/121

  • 新井文彦

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    きのこ、と聞くと食べ物だと思う人がけっこう多いのではないかと思います。スーパーマーケットへ行けば、シイタケやエノキタケなど、たくさんのおいしいきのこが売られていますし、それより何より、今まできのこを食べたことがない人は、きっといないでしょう。ですから、間違って食べてしまった場合、いろいろな中毒症状が出たり、ときには死んでしまうことすらある毒きのこは、人間に害を及ぼすものとして、ある意味、忌み嫌われている存在かもしれません。しかし、少しだけ見方を変えて、きのこを食べ物ではなく、例えば野に咲く花のように、自然の中で生きている生物として観察してみたらどうでしょうか?じっくり見てみると、きのこは、色も、形も、大きさも、本当に多種多様で、見れば見るほど、知れば知るほど、本当に興味深い生物なのです。たとえ人を殺すほどの猛毒を持っているきのこでも、観察するだけならまったく問題はありません。美しい毒きのこもあるし、かわいい毒きのこだってあります。さあ、いろいろなきのこを探しに出かけてみませんか?

  • 滝沢守生

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    最近、親子登山について、新聞やテレビ、ラジオなどからよく取材を受けるようになりました。長女をはじめ男女3人の子どもたちを、山に連れて行くようになって10年以上が経ち、ようやく自分でも親子登山とはどういうものなのか、実践と経験を踏まえ、ちゃんと整理することができ、人前で語れるようになってきました。そうしてわかったことのひとつが、親子登山には正解がないということです。よく、親子登山の成功の秘訣やポイントなどを聞かれるのですが、それはあくまでも、わが家の場合であって、それがどの家族のケースにも当てはまるとは限りません。それぞれの家族には、それぞれの個性を持った子どもがいて、年齢や性別、兄弟姉妹構成によって、親子登山の目的や方法は、それぞれ違ったものになってきます。頂上というゴールさえも無理に設定しない親子登山ではなおさらです。もちろん、子どもといっしょに山に行くというリスクに対する認識と、それに備えるための最低限の道具や技術は必要です。しかし、こうすれば絶対に失敗しない、正しい親子登山の方法というものはありません。このHOW TOも、あくまでタキザーさんちの例として、ひとつの参考にしていただければ幸いです。

  • 駒崎掲

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    自然の中は本当に静かなのでしょうか。確かに都会と比べたら圧倒的に不快に思う音は少ないかもしれません。けれど音の数や音量などは決して少なく小さくないはずです。また自然では遠くの音まできこえます。都会のビル群や騒音の中ではきこえにくい音も、自然の中は色んな音を俯瞰してききやすい環境です。このHow toでは写真を撮るように音を録り、色んなサウンドスナップを集めてサウンドコレクターになってもらいます。自分の声を初めて録音してきいたときの驚きのように、そのまま耳できく音と一度録音した音をきくのとでは全く違う音のようにもきこえます。色んな場所で音をみつけ音を採取してみましょう!さあ、書を捨て「森」へ出よう。

  • 小雀陣ニ

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    登山用の食事と言えば、お湯を入れるだけで美味しく出来上がるアルファ米や、ドライフードのおかずが主流の組み合わせ。荷物を背負って歩く登山では軽くて持ち運びが便利、でもちょっと味気ない、もっと美味しいものが食べられないの?このHow toは、そういった疑問や希望に応える簡単な時短レシピです。山の頂に登頂する達成感と、登っている時の景色を見る満足感、そこにさらにゴハンを美味しくつくって食べる楽しみをプラスすることで、より幅広い楽しさと充実感が得られます。

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