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干し野菜でみそ玉作り〝ソルジャー味噌” を作って出かけよう!

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宮原 悠

農園プランナー・発酵クリエイター
保存食“みそ玉”作りで、古来からの知恵を身につけよう

兵糧丸(ひょうろうがん)という言葉を聞いたことがありますか?食品の加工技術や、保存技術が発達していない大昔に、試行錯誤で生み出された、丸薬状の携帯保存食、野戦食のことです。戦国時代に主に使われていた兵糧丸は、穀物の粉末と木の実、蜂蜜、味噌、油、塩などを練って作られました。現代で言うエナジーバーのようなものですね!決して衛生的とは言えない状況で、常温で何日も持ち歩き、問題なく食べられていたそうです。
「みそ玉」はその一種で、味噌を中心に、干し野菜や穀物、干し魚などを混ぜて丸め、お湯で溶いて味噌汁として、時にはそのままかじって食べられていたそうです。
〝味噌の医者いらず” と言われるように、そもそも味噌は、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルを多く含んだ健康食です。そこに、さらに、出汁となるタンパク質やアミノ酸を含んだ魚介や、ビタミンや鉄分などのミネラルを含む干し野菜を加えることで、身体を元気にしてくれる液体スーパーフードが完成します!

今回は、旬の野菜を使った干し野菜と、手作り味噌で、栄養満点なオリジナルみそ玉、名付けて「ソルジャー味噌」を作りましょう!
『手作り味噌を育てよう!』:https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/83

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READY
準備するもの
  • 自家製味噌、または生味噌(減塩でないもの)

  • 顆粒だし、または粉末だし

  • 野菜、きのこなど(旬のものをお好みで)

  • 具材(アオサ、乾燥ワカメなどお好みで)

  • 干し網、またはザル

  • 包丁

  • ボウル

  • ラップフィルム

  • マスキングテープ

STEP 1

野菜を選ぶ

  • できるだけ採れたての旬のものを

具として使う野菜を選びましょう。大事なのは、できるだけ採れたての「旬のもの」を選ぶこと。ビニールハウスなどを使わない自然の中=露地栽培で育てられた野菜は、栄養価が違います。
季節の野菜は、その時人が必要とする栄養素がたっぷり詰まっています。

POINT

難しく考えず、ハリツヤがあり美味しそうな野菜を選びましょう!葉菜、果菜、根菜、きのこもOKです。

STEP 2

野菜を切る

  • 慣れないうちはできるだけ薄く切る

野菜を選んだら、干し野菜にするため刻みます。
ここでワンポイント。通常干し野菜は、刻んでそのまま干すものですが、今回は、加熱して食べる野菜はさっと湯がいておきましょう。そうすると、味噌汁にする時お湯で戻すだけで使えます!生食可能な野菜はそのままで大丈夫です。
干すことで、野菜の味は凝縮しますが、アクも強くなります。生食できる野菜でも、アクの強いものは湯がいておきましょう。
水分の多い野菜はできるだけ薄く切り、切断面が大きくなるようにしてください。

POINT

基本は生のまま干しますが、用途によって下処理を選びましょう。
●塩をひとつまみ入れた湯に10~20秒くぐらす野菜:青菜(ほうれん草、小松菜、チンゲン菜、その他 葉菜)、きのこ類(しいたけ、しめじ、えのき、舞茸、エリンギ)、一部果菜(ナスなどアクが出るもの)
●かた茹でする野菜:根菜類(さつまいも、じゃがいも、ごぼう、レンコンなど)、一部果菜(かぼちゃなど)
●そのままでOKな野菜:大根、カブ、ニンジン、生姜、葉ネギ、玉ねぎ、キャベツ、ズッキーニ、パプリカ、トマトなど生食できるもの

※茹でた野菜は、水分をしっかり拭きとってから干してください。
※きのこ類はそのままでもOKですが、さっと湯にくぐらせた方が戻しやすくなります。
※ニンジン、キャベツなどはお好みで軽く湯がいてもOKです。

STEP 3

野菜を干す

  • ざるを使う場合は、虫や鳥に注意
  • なるべく重ならないように並べる
  • 乾燥すると大きさは半分ほどに

下処理が出来たら、野菜を干しましょう。ざるや、干しネットを使うと便利です。虫などが寄ってくることもあるので、気になる方は干しネットを使いましょう。
干す場所は風通しの良い所を選びます。直射日光に当てる天日干しなら2日ほど、陰干しだと3~4日で乾燥します。天日干しは、短時間で干すため香りと歯ごたえが残りますが、強い日差しの下だと酸化も進みます。天気を見ながら試してみてください。
基本は、朝干して、夕方には室内に取り込みます。これは夜露を避けるためです。
暖かい時期だと1日ほどでセミドライという少ししっとりした干し野菜が出来上がります。この状態でも1週間ほど冷蔵庫で保存できますが、今回は保存性を上げるため完全乾燥させましょう。

POINT

干す期間が長くなると、乾燥するまえにカビが生えることがあります。必要以上に時間をかけない方法を選びましょう。

STEP 4

みそ玉を仕込む

  • 味噌をブレンド、顆粒だしを混ぜて練る
  • よく混ざったら10等分に分ける
  • 今年仕込んだ味噌。気温が高く早く完成

いよいよ「ソルジャー味噌」を仕込みます。手作りの味噌(生味噌)がベストですが、市販であれば減塩タイプは避けてください。今回は、今年仕込んだ味噌と2年ものの味噌を、2:1で混ぜて使いました。顆粒だしを加えよく混ぜます。
よく混ぜたら、味噌汁1杯分に小分けします。目分量で1食分の玉にしたら、具材を混ぜます。ラップで包み完成ですが、食べる時ラップから剥がれやすいようにするのがコツ。アオサ、とろろこんぶ、ジャコなどで包んで工夫しましょう。
完成したみそ玉は、ラップで巾着状に包んでテープで止めておきます。マスキングテープを使うと、使用時に簡単にちぎれて便利です。冷凍庫に保存し、必要に応じて取り出しましょう。

10食分を一度に仕込みます。
<みそ玉の基本レシピ(10個分)>
・味噌:160~180g(味噌の量は好みの味の濃さで)
・顆粒だし:8g(粉末だしを練りこみ本格的に仕上げるのもオススメ)
・具材:適量

※味噌がゆる過ぎると、上手くまとめられないことがあります。そんな時は、味噌をお皿に薄く引き半日ほど干すと水分を飛ばせます。みそ玉状態で同じようにすれば水分が抜けてより保存性が上がります。
※保存食が腐らない目安の塩分濃度は10%以上。干し野菜は十分に乾燥させ、味噌は減塩ではない、しっかりと塩分を含んだものを使いましょう。

POINT

小さなみそ玉に干し野菜を入れるには、細かく砕かなければなりません。
そこで裏技!あえて大きな干し野菜でみそ玉を挟んでみましょう。見た目も可愛く食べ応えもある、クラッカーサンドのようなみそ玉の出来上がりです。

STEP 5

ソルジャー味噌のレシピ例

  • 写真①
  • ひと玉でシェラカップ1杯分の味噌汁に
  • 熱湯を注いでよく混ぜる
  • かぼちゃとエリンギの味噌汁
  • 生姜の香りが食欲をそそるけんさん焼き

ソルジャー味噌のレシピ例を紹介します。(写真① 左上から時計回りに)

●かぼちゃとエリンギのソルジャー味噌:STEP4の種味噌にほうれん草を混ぜて丸め、丸く切ったエリンギとかぼちゃで挟む。ホクホクとしたかぼちゃと、コリコリしたエリンギの食感、食べ応え抜群!

●アオサたっぷりソルジャー味噌:STEP4の種味噌に刻んだ玉ねぎを入れて丸め、砕いたアオサで周りを包む。海の香りがいっぱいに広がる、シンプルな美味しさ!

●おこげおじやのソルジャー味噌:STEP4の種味噌に乾燥わかめとニンジンを入れて丸め、市販のおこげせんべいで挟む。お湯で溶くとおこげせんべいがふやけて膨らみ、ボリューム満点の味噌おじやに!

●けんさん焼きのソルジャー味噌:STEP4の種味噌に生姜、ネギ、大根を入れて丸め、最後に味噌玉をバーナーで炙って焦がす。白米おにぎりを炙って焦がし、味噌玉と一緒にシェラカップに入れ、お湯を注げば、体が温まる新潟の郷土料理、けんさん焼きの完成!

●味噌雑煮のソルジャー味噌:STEP4の種味噌にアオサとニンジンを入れて丸め、適当に切ったしゃぶしゃぶ餅で挟む。これ1杯で小腹を満たすお雑煮風の味噌汁に!

●トマトとズッキーニの洋風ソルジャー味噌:STEP4の種味噌に刻んだパプリカを入れて丸め、トマトとズッキーニで挟む。食感も楽しい洋風味噌汁に!

POINT

その他にもいろんなレシピが作れます。干し肉や、干しあさりなどを使ってみるのもいいでしょう。水分と塩分濃度の関係は忘れずに!汁物以外にも、魚の切り身や豚肉に塗って焼いたり、味噌味のパスタなど可能性は無限大です!

STEP 6

みそ玉を持って出かけよう!

  • ソルジャー味噌でホッと一息

外ごはんで大活躍する保存食「ソルジャー味噌」を持って、キャンプや登山に出かけましょう!
持ち運ぶ時は、タンブラーやコップに入れましょう。コッヘルにみそ玉を入れ、バーナーで沸かしたお湯180mlほどを注ぎます。先に味噌玉が入っているので200mlの目盛りのあたりまで入れましょう。箸でよく混ぜて、干し野菜を戻すため2~3分待ちます。干し野菜から旨味がたっぷり出て、普段の野菜の味噌汁より何倍も美味しい味噌汁が完成します!具材が固い場合は、しっかり戻した後、沸騰しない程度にもう一度温めましょう。

美味しい外ごはんは気持ちをリフレッシュし、たっぷりの栄養は疲れをとって身体を元気にしてくれます!さぁまたひと遊び!思う存分自然を楽しみましょう!

POINT

残ったものも含めて、一度冷凍しておくとより保存性が上がります。

STEP 7

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まとめ

How to『手作り味噌を育てよう!』では、「保存して食べる」ことに注目しました。今回はその応用「保存して携帯する」How toです。
人に有害な細菌は、水分と温度が原因で食べ物に繁殖します。その対策として、古来より人は、乾燥や天然の防腐剤(塩分、糖分)などの技術を利用してきました。干し野菜の「乾燥」、味噌の「塩分」は、携帯保存食の理にかなった組み合わせです。
どんな食べ物も、塩分濃度が10%を切らなければ、雑菌が繁殖する危険性はまずなく、伝統的な塩漬け保存食はそれを目安に作られています。

こうした保存食を手作りし、昔ながらの暮らしの知恵=科学の知識を身につければ、日々の暮らしはもちろん、緊急時や災害時の安心の材料を増やすことになります。ぜひ皆さんも昔ながらの野良遊びを紐解いて、現代の暮らしに役立ててみてくださいね。

夏になると、日本各地で食中毒の話題が上がります。作り手が十分に気をつけることはもちろん大事ですが、消費者である私たちも自分で判断して、食べ物を選ぶ必要があるのではないかと思います。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
4知性
3感性
アクティビティ
つくる
環境
その他
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
1日以上
対象年齢
小学生高学年以上
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