HOW TO

How To一覧
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  • 岩橋大悟

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    2024年3月、PRO TREKから「生命を育む水」をテーマにした新モデルが発売されました。何を隠そう、私が勤務するNGO、日本自然保護協会とのコラボレーションモデルです。このモデルのテーマとなったのは人の生活に欠かせない「水」。豊かな自然が生み出す「最初の一滴」と都市で暮らすみなさんのつながりについて解説します。╲生命を育む水をテーマにした、「日本自然保護協会」コラボレーションモデル/『PRW-61NJ』PRO TREKは日本自然保護協会とのコラボレーションを通じて、自然の美しさとそれを守る大切さを発信しています。今回のモデルは、「生命を育む水」がテーマ。利根川の源流「みなかみ」エリアの自然をモチーフに、水のライフサイクルをホワイト×ブルーのアクセントカラーで表現。地域のシンボルであるイヌワシをデザインに落とし込みました。さらに、再生素材やバイオマスプラスチックを採用するなど、マテリアルでも自然との共生を表現しています。

  • 井上綾乃

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    ここ数年で、肉や魚の身は新鮮なものだけではなく、数日寝かして熟成させたものもおいしいことが知られ始めました。また、お寿司屋さんでも仕入れたばかりの鮮度の高いお魚をすぐに出さずに熟成させた魚を出すお店もあります。おいしさは主観に大きく左右されます。鮮度が高くて身が締まり、歯応えのある鮮やかな色味のものがおいしい、と感じる人もいれば、熟成が進んでやや柔らかくなった甘い身がおいしいと感じる人もいます。その中間を好む人もいるでしょう。一度に食べきれない魚を手に入れたときは、魚の熟成を試してみるチャンス。釣りたてから数日かけて食べ比べれば、自分がどんな歯触りと味を好むのか知ることができます。魚の熟成の仕組みと熟成させるための技術を知り、味の変化を五感で感じ取ってみましょう。

  • 服部文祥

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    外国の生活事情を紹介するテレビ番組には、よくニワトリの姿が映っている。日本でも半世紀ほど溯れば、人の生活圏でニワトリの姿を見るのは、珍しいことではなかった。歴史的には3600~5000年程前から人間とニワトリは一緒に暮らしてきたらしい。ともに生活することで、ニワトリにも人間にもいいことがある。そのためにニワトリと人間の生活は近づいていったのではないかと思う。人間にとっては、卵や肉などの動物性タンパク質が比較的簡単に手に入ること。そして単純に楽しいこと。ニワトリにとっては、日々の食べ物が手に入り、安全に繁殖生活を営めること。ニワトリが人との暮らしを楽しいと感じているかはよくわからない。ときどき、卵を取られたり、食べられてしまったりするのは、些細な損失として許容されているように思う。そしてこれらの「いいこと」はいまでも双方にとって有効である。

  • 奥山英治

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    野生動物の市街への進出がニュースになる昨今。数十年前と比べると、都市近郊の身近な野山にも大型の哺乳類が姿を見せるようになりました。しかし、ぼんやり風景を見ているだけではその存在に気づけません。人の目を避ける野生動物の気配を感じ取るにはちょっとしたコツと注意力が必要なのです。人間界に顔を出した哺乳類たちは、さまざまな痕跡を残します。その痕跡を「フィールドサイン」と呼びます。哺乳類が残したフィールドサインを読み解いて、それを残した主を探し当ててみましょう。

  • 奥田祐也

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    この10年ほどで、街でも野外でも人気を集めるようになったサウナ。温泉などの温浴施設には以前から付属しており、一部の人に愛されてきましたが、このブームでサウナの気持ちよさが一般にも広まった感があります。日本ではサウナは温泉や浴場に付属する北欧からやってきた施設、といったイメージが強いですが、日本の風呂の歴史を遡ると、実は湯に浸かる風呂よりもサウナのような蒸し風呂のほうが先行しています。蒸気を浴びる蒸気浴は日本をはじめ世界中で楽しまれてきました。その原型をもっとも簡素なシステムで再現するのがテントと焚き火を使ったサウナ。持ち運びできるテントと焚き火を組み合わせれば、深い自然のなかでサウナを楽しむことができます。

  • 人は古い時代から、飲み物に香りを付けて楽しんできました。「植物から香りを抽出する」というと、特殊な装置を思い浮かべるかもしれませんが、素材によっては、植物から香りを取り出すのはそれほど難しくありません。ここで紹介するのは植物から取った香りを楽しむ自家製ノンアルコール・ジン。お酒が苦手な方や妊婦さん、車を運転するお父さんやさらにはお子さんまで楽しめます。バーで飲むようなジントニックをつくってキャンプなどで仲間たちと一緒に楽しんでみましょう。

  • 人の暮らしに欠かせない要素を「衣・食・住」と表現することがあります。この3つの要素の筆頭に掲げられるように、私たちが生活を営み、命をつなぐうえで衣類はたいへん重要です。しかし、生活の根幹を支える衣類を自分で作ったことがある人は、少ないのではないでしょうか、ましてや布の素材となる綿花から育てた人はごくわずかでしょう。私たちは1枚のシャツを織るのにどれほどの広さの畑や手間が必要か知らないまま、日々衣服を身につけています。日本には、この島の風土に合った「和綿」というコットンがあります。日本人の生活を支えてきた和綿を育てて、衣類とは何か、ファッションとは何かを考えてみませんか?

  • 棒とそこに張り渡した弦、弦の震えを共鳴させる筒の3つで構成される一弦琴はもっともシンプルな弦楽器です。単純な構造なのに(単純だからこそ?)、弦を押さえる位置を変えれば、無段階に音を変化させることができます。あらゆる弦楽器の原初にある一弦琴を作って、音楽の不思議に触れてみませんか。

  • 宮原 悠

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    一年も終わりに近づくと、クリスマスに向けて街中は色とりどりの装飾で飾られます。家庭でも楽しめるクリスマスの装飾といえばクリスマスツリーとクリスマスリースでしょうか。なかでもクリスマスリースの歴史は古く、五穀豊穣や子孫繁栄、新年への祈願の想いが込めて家庭の戸口に飾られたと言われます。つまりこれはしめ縄の西洋版。思い思いの願掛けをして、自分だけのクリスマスリースを作ってみましょう。

  • 野営の技術のひとつだった飯盒炊爨に始まって、いまではキャンプでのレクリエーションの花形となった野外料理。たくさんの専門書が刊行され、キャンプ場ではサイトを離れずにずっと料理を楽しむ人も見られます。用意した食材に創意工夫を凝らして美味しい料理に仕立てるのは楽しいものですが、手の込んだ料理ならば家庭でもつくれます。せっかく野外で調理するのですから、野外でしかできない料理に触れてみるのはどうでしょうか? 屋内でつくる家庭料理は調味料や加工によって風味を高めていく足し算の料理ですが、その反対に料理の手数を引いていくことによって見えてくるものもあります。素朴な野外料理は、調理の根源について考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

  • みなさんはハンモックにどんなイメージを持っているでしょうか。自宅でくつろぐときのスペースでしょうか。それともちょっとワクワクする遊具的な寝床でしょうか。なかには熱帯の家々で実用的な寝床として使われている様子を思い浮かべる人もいるかもしれません。どのイメージもハンモックの特徴を捉えていますが、私はこれらに加えて、「旅の道具」としての一面もみなさんに知ってほしいと思っています。ハンモックはくつろげて、寝るだけでワクワクして、涼しく眠れて、そして旅にも持ち出せる道具でもあるのです。寝床をつくるうえで必要なのは、2本の立ち木だけ。ちょうどいい木があれば、ハンモックは自宅の庭も、奥山も、斜面も、湿地の上も快適な寝床に変えてくれます。

  • 星 昇

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    私は今から14年前に、現在住んでいる福島県の山村に引っ越してきました。それまでずっと首都圏にしか住んだことのなかった私は、「空気が美味いってこういうことか!」とか、「隣近所の人たちとの会話が楽しい!」とか、都会とのいろいろな違いに衝撃を受けましたが、その中の一つに「夜が暗いな!」ということがありました。移住した集落は小さな温泉地だったこともあり、風呂は毎晩住民用の浴場へ歩いていくのですが、最初はその暗さになかなか慣れず苦労しました。ところがしばらくすると、「暗さ」にもいろいろなタイプがあることがわかってきたり、暗いことで得られる楽しさ、豊かさがあることに気づきました。今回は、そんな田舎暮らしに魅了された私からみなさんに、「暗闇の楽しみ方」をお伝えしたいと思います。暗闇を体験しに出かける際は、安全のため単独での行動は避けましょう。大型の野生動物と遭遇する可能性もあります。クマやイノシシ等の生息する地域では、それらに出会わないよう、鈴を鳴らす等の対策をしましょう。また、くれぐれも許可なく私有地に立ち入らないようにしましょう。

  • 戸門秀雄

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    「野の香り山の味」を謳って、「郷土料理ともん」を開店したのは1976年4月、私が24歳になる少し前のことでした。渓流釣りを通して各地の山渓に出かけた私は、いつしか多くの山人とも知り合いになりました。山梨県でヤマメ、イワナの養魚場を営むAさんとは、釣りによる親魚の採捕に何度も同行し、ワラビ狩りやヤマウド掘り、秋にはキノコ狩りにも出かけました。同様に長野県の伊那谷のBさんとはマツタケの山に入り、同じく福島県の奥会津のCさんとは、マイタケを目的に飯豊山の深山にも分け入りました。そのほかにも渓流釣りを通して知遇を得た多くの山人たちの協力を得て、山渓の幸を扱う「ともん」はスタートしました。私が抱いた〝山河に深く関わって暮らす〟夢はこうして始まり、まもなく半世紀になります。ここでは私の経験をもとに、季節を追って野生食材の採集の魅力についてお伝えしましょう。

  • 三森 典彰

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    最近、生き物の愛好家の間で水辺ビオトープづくりが再び盛り上がっています。水辺ビオトープは30年ほど前にも大きなブームがありましたが、当時は造成や管理の方法が確立されておらず、この時代につくられたビオトープには環境に対して悪い影響を残したものが多くありました。それらが生んだ負のイメージから、長いあいだ水辺ビオトープづくりは生き物の愛好家が手を出しづらい遊びになっていたのですが、この数十年で水辺ビオトープをつくることで自然環境にプラスの効果を生む技術が蓄積されました。小さな水辺ビオトープをつくって、地域の生き物たちに居心地の良いすみかを提供してみませんか。

  • 藤原祥弘

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    夏の人気の遊び場といえば……川! たくさんの生き物が暮らし、透明で冷たい水の流れる川は、いくつになっても心躍るフィールドです。そのいっぽう、川は大きな事故が起きやすい場所でもあります。若い頃にリバーガイドとして働き、一般の人より川や水の流れに詳しい私でも、子どもを連れて川に行くときは「今日こそ事故を起こすかもしれない」と常に緊張しています。驚くほど簡単に、水は人の命を奪います。悲惨な事故を防ぐには、川の危険を知って万全の準備をすることが必要です。入門者にも簡単に実践できる原則を知り、楽しく水遊びをしましょう。