HOW TO

How To一覧
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  • 松葉サイダーは昭和の時代から親しまれてきた素朴な炭酸飲料。松葉についている酵母菌で砂糖水を発酵させて微発泡の炭酸水へと仕立てます。必要な素材と道具は砂糖と松葉と保存瓶だけ。太陽の力と時間を使って夏にぴったりな清涼飲料水をつくってみましょう。

  • 宮原 悠

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    子供のころに植木鉢やプランターで花や野菜を育てたことはあるでしょうか? 序盤はすくすくと育ったのに、そのうちに枯らしてしまった、という経験を誰しももっているのではないでしょうか。土の容量が小さい植木鉢やプランターは、保持できる栄養も小さく乾燥の影響も大きく受けます。プランターで上手に植物を育てるには小まめな水やりと栄養の補給が必要です。しかしこれは、かけた手間が如実に表れる環境とも考えられます。水、光、栄養……の条件が限定されるプランターで植物を育ててみると、植物の成長に必要なものを感覚的に知ることができます。そしてプランターなら、庭を持たない人でも手軽に野菜作りに挑戦できます。収穫をゴールに据えて野菜を育てて、身近なようでまったく知らなかった土の力を感じとってみましょう。

  • 現在、急速に在来植物が減っています。その理由はさまざまですが、その要因のひとつがハナバチを中心とする花粉媒介者の減少だと考えられています。地球上で昆虫とともに進化してきた虫媒花(花粉を虫に運んでもらう花)は、虫が消えると花粉を運んでもらえず、タネをつくることができなくなります。植物がつけるタネは、鳥や哺乳類などの大事な食糧でもあります。在来植物とハナバチを守ることは、そのほかの多くの生き物の暮らしを守る活動でもあります。郷土に根付いてきた在来植物の花を私たちは「ここはな」と名付けました。ここはなとハナバチを守る花壇をつくって、地域の生物多様性を保ってみませんか。

  • 千松信也

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    野生動物たちは人間たちの環境の改変に振り回され、その生息数を減らしたり、絶滅の憂き目にあったりしてきました。ところが、近年の森林の放置にうまく適用してその生息数を劇的に回復してきている動物たちもいます。その代表がシカとイノシシです。その生息数の増加に伴い、農林業被害なども問題視されるようになり、森林生態系への被害も報告されています。「害獣」などと呼ばれ、悪者扱いされがちなシカやイノシシですが、狩猟という観点から見ると、おいしいお肉を提供してくれる「ありがたい獲物」になります。 今回紹介するのはわな猟についてです。以前は日本で狩猟というと銃猟が一般的でしたが、近年はわな猟の人口も増えてきています。獲物の増加を背景に、狩猟を職業にする人も出始めていますが、僕が実践しているのはあくまでも生活の一部としての狩猟です。家族や友人たちと分け合って食べる肉を1年分確保するために、1シーズン10頭程度の獲物を捕る暮らしを25年ほど続けています。

  • 玉置標本

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    春になると毎年おいしいタケノコが出回りますが、一般的によく食べられている孟宗竹(モウソウチク)のタケノコは、地中からほんの少し頭を出したくらいが収穫のタイミング。竹は成長が早い植物のため、すぐ食用に不向きなサイズとなってしまいますが、そんな育ちすぎたタケノコだからこその活用法があるのです。それはラーメンのトッピングでお馴染みの『メンマ』にすること!もともとの産地である中国や台湾では採算面の低さから生産が敬遠され、世界的に不足しているとも言われているメンマ。自作をしてみると敬遠したくなる気持ちもわかるくらいに手間と時間が掛かりますが、わざわざ作るに値するだけの味わいが楽しめますよ。

  • 八ヶ岳山麓の標高750mの山里で自給的な暮らしをしています。この標高だとサトウキビは栽培できません。カエデの樹液からメイプルシロップはつくれますが1シーズンかけてつくったメイプルシロップはパンケーキ3回でなくなってしまいます。その点、蜂蜜は優秀です。ここ虫草農園で育てているのは、ニホンミツバチという在来種。セイヨウミツバチに比べると採蜜量は5分の1程度とかなり少ないのですが、それでもひとつの巣から1シーズンで2000cc以上の蜂蜜が採れたりします。さらにミツバチたちは別の幸運をももたらしてくれました。ハチを飼い始めてから畑の作物、特に実モノの出来がよくなったのです。虫草農園は無農薬、無化学肥料、放任に近いいい加減な栽培方法なのですが、それにもかかわらず、アンズはジャムを販売できるくらいにたくさん採れるし、桃も1本の木で200近い袋をかけています。さらには、野菜などのタネを自家採種する上でもミツバチはありがたい存在。優良なタネがたくさん採れます。ミツバチは健気で可愛くて観ているだけでも癒やされるのですが、ミツバチを飼うことでハチたちは、われわれヒトと自然との間でいまどんなことが起きているのかを教えてくれます。

  • 藤原祥弘

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    人間の暮らす街を生活の場とする鳥、「都市鳥」。人がつくった環境を積極的に活用する鳥、一度は姿を消したものの再度都市へと進出してきた鳥、都市化によってすみかを追われ細々と生き残っている鳥……。そんな都市鳥のなかには、都市で繁殖するものがいます。その代表がスズメですが、彼らが好んで巣をかけた瓦屋根がなくなったことで、スズメは繁殖の場をなくしたと考えられています。スズメをはじめとする馴染みの鳥たちと今後もご近所付き合いができるかどうかは、食事を採れる場所と子育てできる場所を提供できるかどうかにかかっています。観察しやすい庭木に巣箱を置いて、家賃がわりに鳥たちの不思議を少しだけ覗かせてもらいましょう。

  • 「糒(ほしいい)」とも書かれた乾飯は、炊いたご飯を乾かして保存期間を飛躍的に伸ばしたもの。日本人はふるい時代からこの保存食を活用しており、天平10年(738年)の駿河国正税帳には乾飯を納めた倉のことが「糒倉」として記録されています。第二次世界大戦では日本軍の要請によりアルファ化米(乾飯はこれの一種)の研究が進み、今もアルファ化米は炊飯なしで食べられる白飯として重宝されています。現代の保存食の原点でもある乾飯を自宅の台所でつくってみましょう。

  • のん

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    北海道から九州にかけて分布し、日本の古歌にも登場するクズ(葛)。日本人はクズを歌に詠み、根から葛粉を取り、茎からは繊維を取って利用してきました。そのいっぽう、旺盛な繁殖力でクズは厄介な侵略者扱いされることも……。移入先のアメリカでは、侵略的外来種に指定され、防除に大きな予算と手間がかけられてもいます。日本でも生えてほしくない場所で繁茂することもありますが、そんなときはぜひクズを利用してみましょう。きっとクズの見え方が変わるはずです。

  • 尾園 暁

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    木々が葉を落とし、生命感も薄い冬。暖かい季節には虫たちで賑わった野山も、動くものは少なく静まりかえっています。しかし、冬枯れの風景のなかでも虫たちはちゃんと命を繋いでいます。冬の野山に出かけて、この季節だからこそ目にできる虫たちの営みをのぞいてみましょう。

  • 「化石を掘る」と聞くとと、壮大なプロジェクトを思い浮かべてしまいますが、掘る対象が恐竜やアンモナイトでなければ、意外にも近い場所で楽しむことができます。化石採集の入門者におすすめなのが、岩が柔らかいポイントでの採集。特別な道具がなくても掘れるので気軽に挑戦できます。出会えるのは貝類や植物などが主ですが、東京を流れる多摩川ではアケボノゾウという今では絶滅してしまったゾウや、アキシマクジラと名付けられたコククジラの仲間が見つかっています。そんな大物と出会う可能性もゼロではない、と思いつつ数万~数百万年前の地層と向き合ってみましょう。

  • 宮原 悠

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    人間が生きる上で欠かせない食事。私たちは毎日、何かしらの食事を取っています。野菜、魚、肉etc……。これらは元をたどればすべて生き物です。人間の豊かな食生活はこうした生き物とそれらを育む自然に支えられています。もちろん、このことは誰もが知識として知ってはいるでしょう。しかし、毎日の食事のたびに生き物や命に感謝して食事をする、という人は少ないのではないでしょうか。美味しかった、いまひとつだった、といった感想を抱くことはあっても、口にした食材が元はどういう形のどういう生き物だったのか、自分の口に入るまでにどんなプロセスを経たのかを想像することはあまりありません。それは私たち現代人が「食べる」という行為において、重要な手順を代行してもらっているからかもしれません。自分の手で生き物を食物へ加工すると、食や自然を見る目がきっと変わるはずです。※記事内にはニワトリを絞めて解体する写真や表現が出てきます。

  • 安田守

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    ヨーロッパでは古くから筆記用インクとして没食子(もっしょくし)インクというものが使われてきました。このインクは皮でできた羊皮紙にもしっかりと書くことができ、中世から最近まで利用されてきました。没食子とは中近東で得られる虫こぶの一種。人類は長く虫こぶで字を書いてきたわけです。日本に没食子はないのですが、同じようにインク作りに適したヌルデミミフシという虫こぶがあります。化学的につくられたインクの書き心地いいボールペンが手軽に使える現代だからこそ、ここはあえて虫こぶインクで字を書いてみてはいかがでしょうか。

  • 藤原祥弘

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    コロナの蔓延をきっかけにキャンプブームが訪れ、去っていきました。中古用品店を覗くとアウトドア用品が山と積まれています。残念なことに、キャンプもまた大量生産・大量消費の流れに取り込まれてしまったようです。「キャンプは人との接触を避けられるレジャーだったからコロナ禍で流行した。接触が解禁されれば、ブームも去る」。そう言ってしまうのは簡単ですが、他者との接触を避けられる遊びはほかにもありました。きっと、過密の回避以外にもたくさんあるレジャーのなかからキャンプが選ばれた理由があったはずです。多くの人がキャンプのなかに「素敵なもの」の気配を感じたものの、それに気づけないまま通りすぎていったのではないでしょうか。その素敵なものの正体とは何か。簡素なキャンプのなかに、そのヒントが隠されています。

  • マッチやライターが登場する以前に使われていた発火法のひとつが火花法。火打石と火打金を打ち合わせて火花を飛ばし、その火花から火種をつくって火をおこします。ヨーロッパでは1万年ほど前から行われており、日本でも江戸時代にはよく行われる発火法でした。火花法は今では馴染みが薄くなりましたが、実は身近な素材で再現可能です。河原で拾った石と生活の中から出る廃材で火をおこしてみましょう。