春になると毎年おいしいタケノコが出回りますが、一般的によく食べられている孟宗竹(モウソウチク)のタケノコは、地中からほんの少し頭を出したくらいが収穫のタイミング。竹は成長が早い植物のため、すぐ食用に不向きなサイズとなってしまいますが、そんな育ちすぎたタケノコだからこその活用法があるのです。 それはラーメンのトッピングでお馴染みの『メンマ』にすること! もともとの産地である中国や台湾では採算面の低さから生産が敬遠され、世界的に不足しているとも言われているメンマ。自作をしてみると敬遠したくなる気持ちもわかるくらいに手間と時間が掛かりますが、わざわざ作るに値するだけの味わいが楽しめますよ。
八ヶ岳山麓の標高750mの山里で自給的な暮らしをしています。この標高だとサトウキビは栽培できません。カエデの樹液からメイプルシロップはつくれますが1シーズンかけてつくったメイプルシロップはパンケーキ3回でなくなってしまいます。その点、蜂蜜は優秀です。ここ虫草農園で育てているのは、ニホンミツバチという在来種。セイヨウミツバチに比べると採蜜量は5分の1程度とかなり少ないのですが、それでもひとつの巣から1シーズンで2000cc以上の蜂蜜が採れたりします。 さらにミツバチたちは別の幸運をももたらしてくれました。ハチを飼い始めてから畑の作物、特に実モノの出来がよくなったのです。虫草農園は無農薬、無化学肥料、放任に近いいい加減な栽培方法なのですが、それにもかかわらず、アンズはジャムを販売できるくらいにたくさん採れるし、桃も1本の木で200近い袋をかけています。さらには、野菜などのタネを自家採種する上でもミツバチはありがたい存在。優良なタネがたくさん採れます。 ミツバチは健気で可愛くて観ているだけでも癒やされるのですが、ミツバチを飼うことでハチたちは、われわれヒトと自然との間でいまどんなことが起きているのかを教えてくれます。
人間の暮らす街を生活の場とする鳥、「都市鳥」。人がつくった環境を積極的に活用する鳥、一度は姿を消したものの再度都市へと進出してきた鳥、都市化によってすみかを追われ細々と生き残っている鳥……。そんな都市鳥のなかには、都市で繁殖するものがいます。その代表がスズメですが、彼らが好んで巣をかけた瓦屋根がなくなったことで、スズメは繁殖の場をなくしたと考えられています。スズメをはじめとする馴染みの鳥たちと今後もご近所付き合いができるかどうかは、食事を採れる場所と子育てできる場所を提供できるかどうかにかかっています。観察しやすい庭木に巣箱を置いて、家賃がわりに鳥たちの不思議を少しだけ覗かせてもらいましょう。
“自然はそれを愛するものの心を裏切ることは決してない。”