北海道から九州にかけて分布し、日本の古歌にも登場するクズ(葛)。日本人はクズを歌に詠み、根から葛粉を取り、茎からは繊維を取って利用してきました。そのいっぽう、旺盛な繁殖力でクズは厄介な侵略者扱いされることも……。移入先のアメリカでは、侵略的外来種に指定され、防除に大きな予算と手間がかけられてもいます。日本でも生えてほしくない場所で繁茂することもありますが、そんなときはぜひクズを利用してみましょう。きっとクズの見え方が変わるはずです。
木々が葉を落とし、生命感も薄い冬。暖かい季節には虫たちで賑わった野山も、動くものは少なく静まりかえっています。しかし、冬枯れの風景のなかでも虫たちはちゃんと命を繋いでいます。冬の野山に出かけて、この季節だからこそ目にできる虫たちの営みをのぞいてみましょう。
「化石を掘る」と聞くとと、壮大なプロジェクトを思い浮かべてしまいますが、掘る対象が恐竜やアンモナイトでなければ、意外にも近い場所で楽しむことができます。化石採集の入門者におすすめなのが、岩が柔らかいポイントでの採集。特別な道具がなくても掘れるので気軽に挑戦できます。出会えるのは貝類や植物などが主ですが、東京を流れる多摩川ではアケボノゾウという今では絶滅してしまったゾウや、アキシマクジラと名付けられたコククジラの仲間が見つかっています。そんな大物と出会う可能性もゼロではない、と思いつつ数万~数百万年前の地層と向き合ってみましょう。
“心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。”