焚き火サイト「たき火ヴィレッジ〈いの〉」も運営、管理。現在は焚き火マイスター、日本焚き火協会会長、アウトドアプランナーとして活躍。フジテレビ「石橋、薪を焚べる」の焚火監修を務めるほか、BS日テレ「極上!三ツ星キャンプ」の一員でもある。
年越しをするキャンパーも多くなり、年末のキャンプ場予約が困難になるほど、昨今のキャンプブームは凄まじい盛り上がりをみせています。なかでも焚き火コンテンツは人気で、数多くの焚き火台が発売され、「焚き火台戦国時代」とも言われています。
火を起こす目的は、調理をしたり、暖を取ったり、炎を見つめるリラックスタイムだったりが主。これだけでも十分に楽しいものですが、焚きつけの準備から、嫌な煙までも楽しい思い出にしてしまう、焚き火のちょっと違った楽しみ方を今回ご紹介します。
着火剤といえば、新聞紙や牛乳パックを思い浮かべる人も多いはず。確かに良く燃えるものの、ゴミを燃やしているようでどこか見た目も残念に感じてしまいます。そこで、麻紐をほどいてほぐした通称「モフモフ」を作ると、見た目もかわいく、着火前から楽しむことができます。
作り方は簡単。麻紐を伸ばしてナイフで表面を擦ります。あれよあれよと綿あめのように「モフモフ」ができます。擦る時は麻紐をしっかり固定させましょう。
大量に作っておくと、失敗した時や次回の着火にも使えて便利です。保管はジップロックなど密閉容器に入れておくと湿気ることないでしょう。
ライターやマッチを使わず、不自由を楽しめるファイヤースターターで着火してみよう。マグネシウム棒と専用金具の組み合わせで、金具でマグネシウム棒を削ると火花が飛ぶ仕組みです。その火花をモフモフに引火させます。
空中で擦って火花を飛ばすことも可能ですが、ファイヤースターターを焚き火台や丸太の上に固定させると着火しやすくなります。モフモフのなかにマグネシウム棒を入れると着火成功率がグーンと上がります。
ズリズリと擦れば、着火成功。モフモフに引火している最中に枝や細かい薪を上に乗せて火を育ていきましょう。焚き火台ではない場所で引火させると、焚き火台に移す前に消えてしまうこともあるので気をつけてください。
ファイヤースターターは女性や子どもも火起こしを簡単に楽しめるので、持っていて損はなく災害時にも役立つアイテムです。
焚き火台の火床がフラットだとやりやすいですが、斜めだったり、メッシュタイプだったりすると手こずるものです。
安定な着火を求める人は市販されている固形タイプやジェル状タイプがオススメです。
薪をちゃんと組まないと焚きつけに火が点いても消えてしまいます。火床も焚き火台によって斜めだったり、メッシュタイプでフニャフニャしていたりと千差万別です。そこでどんな火床でも対応できる組み方をご紹介します。
まず、1本、枕木を敷きます。市販されている薪を半分、あるいは1/3にカットして、その上に立てかけるように置きます。螺旋状に組むことで炎もキレイに立ち上がります。太ければ太い薪を枕木に使うことで、ずっと燃え残ってくれて、追い薪をする際も簡単に立てかけられ、組みやすくなります。
薪と薪の接点が少なくなるよう組むことで燃焼に不可欠な空気も入りやすくなり、燃焼効率が維持されます。また煙ばかり出る時は、薪と薪の間を開けることで炎が復活します。着火剤の追加は危険なので、まずは空気の通り道を作ったり、火吹き棒などで吹いてみたりしてください。
焚き火ひとつとっても、楽しみ方はたくさんあります。どうしてもBBQやキャンプ料理がメインになってしまい、焚き火は「ついで」のような傾向がありますが、思い切って「焚き火だけを楽しむ」という選択もぜひいかがでしょうか。