HOW TO

How To一覧
テーマ:気象
  • 井手大介

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    「砂金採り」と聞くとアメリカのゴールドラッシュや時代劇がイメージされますが「現代でもじゅうぶん採れる!」と言ったら、みなさんは驚くでしょうか。私も取り組んでみるまで半信半疑でしたが、今ではポイントに出かけるたびに必ず砂金を採っています。しかし、丸一日かけても採れるのは0コンマ数グラム程度。かける労力に対してまるで儲かりません。だけど、それがいいのです。儲からないからこそ、自然界から元素のひとつである金を探しだすことに純粋な喜びを見出せます。地球が川に隠した金をみなさんも探してみませんか?

  • 唐澤 敏哉

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    生まれては消えていく波。それはまるで生き物のようです。しかし、神秘的に思える波も地球物理の原則によって発生します。そして、自然の恩恵を楽しむサーフィンにも、その裏には科学的な原理・原則が潜んでいます。科学的に波を理解し、良い波に巡り会えるようになりましょう。

  • 藤原祥弘

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    地球からおよそ1億4960万km離れた場所に位置する太陽。太陽を飛び出した光は、そこから8分20秒かけて地球に到達し、あらゆる生命を養う源となります。 ソーラーパネルはこの光を電気に変換することを可能にしましたが、特別な装置がなくても、太陽光をエネルギーとして利用することができます。なかでも簡単かつ効果的な道具が「ソーラークッカー」。太陽光を一点に集中させることで、お湯を沸かしたり、食物を加熱します。 ごくごく少量の素材で作れて燃料を使わず、二酸化炭素もススも出さないソーラークッカーは、もっとも環境負荷の小さい加熱器具。製作・使用するうちに、エネルギーと資源について学ぶことができます。

  • 夏は夕立がよく起きますね。夕立の後に偶然大きな虹を見ると感動します!最近はスマートフォンで手軽にできるので、感動を捉えておきたいと撮影する人も多いことでしょう。 ところで虹は何色あると思いますか?日本では7色が一般的ですが、あなたは本当に7色数えられますか?世界には3色、4色、5色、6色など、7色以外の数で虹を表現したポスターや旗などがさまざまあります。 なぜ地域によって色数が違ってくるのでしょう?本当は何色が正解なのでしょう?虹をハントして塗り絵をし、その色数を数え、本当は何色あるのか見てみませんか? このHOW TOでは、ハントした虹の写真をお手本に「虹の色を塗り絵する」ことで、実際に何色なのかを数えます。さらに投稿したほかの人の塗り絵と比べて、虹の色数のバリエーションを発見し共有しましょう。 色の正体は光です。虹はそれを教えてくれる自然現象です。虹を写し取ることで虹色(夏色)スケールは美しい色使いの糸口であることを発見しましょう。 ※参考文献 『いたずら博士の科学大好きⅡ-⑥「虹を作る」』板倉聖宣・遠藤郁夫著(小峰書店) 『色彩学貴重図書図説』北畠耀著(日本塗料工業会) Cover Photo: ©2021Etsuro Endo

  • 猪熊隆之

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    観天望気(かんてんぼうき)とは、雲を見たり、風を感じたり、人間の五感を使って今後の天気を予測すること。気象遭難は、天気予報が外れるとき、天候が急変するときに多発しています。山で空を眺めることは、暴風雨や雷雨など登山におけるリスクを回避する意味でも重要です。また、雲は目に見えない空気の“気持ち”(状態)を語ってくれます。雲を知ることで、空の気持ちが段々分かってくると、空を見ることが楽しくなっていきます。 このHow toでは、雲から空気の“気持ち”を読み取るために、雲ができる理由や、“危険な”雲の見分け方などを紹介していきます。山を登るとき、時には空を見上げて雲の声に耳を傾けてください。きっとあなたが知らない景色が見えてくるでしょう。

  • 冬、身近な植物たちは枯れて冬色になります。そんな色が無くなった世界でも、枯れ葉や枝を見比べてみると決して同じ色ではありません。明るく白に近い「茶色」から、暗く黒に近い「茶色」まで、同じ茶色ですがそこにはさまざまな明るさがあります。 私たちがあたりまえに見ている風景には色がついています。「見る」という行為は受動的なので、自然の美しい色使いの風景を見た瞬間に心を奪われますが、いざ自分でその感動的な色を何かに応用しようとしても、なかなかうまくいかないことに気づきます。そんなとき、自然の色で作られたスケールがお手本にあったら、と思いませんか? このHOW TOでは、枯れた植物を採集して見比べることで、同じような枯れ色にも明るさの違いがあることを発見し、色の「明暗」を意識できる「明るさのスケール」を作る方法を紹介します。冬色スケールが美しい色使いの糸口であることを体験しましょう。

  • 小林文明

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    大空は不思議な現象で溢れています。 「雷」は、太古の昔から恐れられてきた一方、ふたつとして同じもののないその姿は、芸術的で神秘的です。なかには、雷を見ると、その一瞬の輝きにワクワクする人もいるのではないでしょうか? このHOW TOでは、自然の神秘とも言える雷について知ることで、その美しさと自然エネルギーの力強さに触れ、雷が起きる仕組みと特徴を知ることで、その予兆から観察する方法を紹介します。 また、異常気象が頻繁に起こるなか、いざという時に備えて、雷から身を守るポイントも紹介します。

  • 私は、時々トレイルランニングという山を走るアウトドアスポーツをしています。100km超のトレイルランニングのレースでは夜間も山を走らなければならず、その練習にナイトランに出かけたのが、はじめて夜の山を歩いた、いや、走った経験です。練習に出かけた山は、過去に何度も走っているのに、暗闇は恐怖心をかき立てるように迫ってきました。視界はライトで照らせる範囲に限られ、にぎやかだった登山道はすれ違う人もなくドキドキします。そして、なんとか山頂までたどり着くと、眼下には人間界の圧倒的な夜景が広がり、思い出深い体験になりました。 昼の世界と夜の世界は違います。このHow toでは、ナイトランの経験を元に、恐ろしくも美しい夜の山を楽しむ「ナイトハイク」を紹介してみたいと思います。夜の山には、色とりどりの色彩や美しい木漏れ日はありません。そしてなにより、夜は日中よりも危険です。それでもナイトハイクは、暗い闇だからこそ味わえる非日常の風景、達成感などがあり、その体験はきっと忘れがたい冒険となるはずです。安全には十分配慮してぜひチャレンジしてみてください。

  • 神田健三

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    これは何の写真だと思いますか? 答は氷ですが、花のようでもあり、雪の結晶にも似た形に見えます。そして、その中心付近に泡のようなものも見えます。これが今回のテーマ「チンダル像」です。花のようにも見えるので「アイスフラワー」の別名もあります。イギリスの科学者チンダル(1820~1893)が湖の氷で発見してスケッチを残したことから、この名がつきました。雪の研究で知られる中谷宇吉郎(1900~1962)も、詳しく研究しています。 よく晴れた冬の日、庭先のバケツや、公園の池にはった氷の上に、このような小さな花模様を見つけたことはないでしょうか?「チンダル像」は、氷に太陽などの強い光が当たるとできる自然現象です。条件がうまく整えば、あなたの身近なところでも見つかるかも知れません。このHow toでは、美しく不思議な「チンダル像」の仕組みと、観察の方法を紹介します。 ※写真は、2019年12月に、後で述べる方法で氷を作り、太陽の光に1時間ほど当ててできた「チンダル像」をスマートフォンで撮影したものです(WMGG編集部撮影)。 関連記事 雪の結晶を観察し、天からの手紙を読んでみよう https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/179

  • 藤原祥弘

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    年々、苛烈さを増していく日本の災害。地震、台風、水害……。自然災害はどこか遠くの出来事ではなくなり、明日にも自分にふりかかるかもしれないものになりました。「いざ」に備えて、道具や食料を用意しておかなくては……と、誰もが思っているでしょうが、防災についての情報が溢れかえり、何からそろえれば良いのか分かりづらくもなっています。そんな時、ヒントになるのがキャンプです。ライフラインから離れた場所で生活をまかなうキャンプには、防災のノウハウがたくさん詰まっています。そして、防災を意識したキャンプのキーワードになるのが、「保温」と「補給」です。この2つを前提にするだけで、被災時にどんなものが必要か明確になります。普段から被災時をイメージして道具を用意し、キャンプを楽しんでおけば、災害に余裕をもって対峙できます。

  • 川口拓

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    夏はアウトドアが楽しいシーズン!でも、暑さに負けて、クーラーの効いた部屋にこもりっきり…という方も多いのではないでしょうか? 炎天の下、逃げ場のない「現代人以外の生き物」たちはというと、本能的に暑さから逃れ、巧に「涼ハンティング」をしています。「涼ハンティング」とは、文字通り、涼しい場所を探す行為。人工的なものではなく、自然が作り出してくれる「涼しい場所」を探し求め、その場所を楽しむことです。 今回は、そんな生き物たちに習い、身近な環境で「涼ハンティング」を楽しむ方法を紹介します。思いもしなかった場所に「オアシス」が見つかるかもしれません。個人的には、本当に暑い日こそ、楽しめると思います(今回の写真は全てイメージです)。

  • 米山 悟

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    北米の北極圏、地球上で最も寒さの厳しい地域に住む先住民族「イヌイット」が、古くから活用している「イグルー(igloo)」は、雪をブロック状にカットして積み上げて作るドーム型簡易住居。イグルーの中に入ってみると、そこは驚くほど静かで、想像以上に暖かく快適に過ごせる不思議な空間です。 森林限界より北の地域では、木材などは手に入らないため、雪は唯一で豊富な建築資材。魚やアザラシなどを捕りながら、定期的に移動し生活を続ける彼らには、時間や手間をかけずに周りにある雪で建てられるイグルーは、過酷な環境に順応するために編み出した手法のひとつ。 そんな便利なイグルーは、同じように過酷な環境に追いやられる雪山登山などでも、悪天候の際にテントよりも頼りになるシェルターとして役に立ちます。周りの雪を使って作れるため、テント無しで軽量の長期山行ができます。また怪我などのトラブルでメンバーがその場から動けなくなった時なども役立ちます。気象遭難、低体温症で疲労凍死という恐れがなくなり、大きな自信になります。また何より、自然の中で、自然の素材を使って作ることは、その素材と向き合い、観察し、特徴や性質を深く理解することに繋がります。 このHOW TOでは、イヌイットの作り方とは異なりますが、これまで30年あまりの雪山登山で、100以上のイグルーを作って習得した、誰でも簡単に作れるイグルーの作り方を紹介します。一度身につけておけば、いざという時に命を守る、確実で力強い生存技術になります。「雪山登山などは行わない…」という方でも、積雪が50cmを超え、ある程度気温が低い地域であれば、簡単に作ることができるので、挑戦してみてはいかがでしょう。 ※近年、イヌイットの生活も定住化が進んでおり、イグルーに住む人々も減少しているようです。

  • 神田健三

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    冬の空から舞い降りる雪の結晶を見たことがありますか? 雪の結晶は、六角形を基本としながら、ひとつとして同じものはないと言われています。そして、地上に降った雪は、気温が上がるとすぐに溶けてしまいます。そんな美しくも儚い雪の結晶は、「天からの手紙」でもあるのです。 「雪は天から送られた手紙である」― 雪に魅せられ、世界で初めて人工雪を作ることに成功した中谷宇吉郎博士(1900~1962)の有名な言葉です。博士は、北海道の十勝岳中腹の山小屋で撮った3,000枚もの雪の写真をもとに、初めて結晶の分類を行いました。そして、人工雪を作る実験から、結晶の形は気温・水蒸気量と関係があることを発見しました。その成果をもとに、結晶の形から、それらができた雲の温度や水蒸気量が推測できると考えたのです。つまり、降ってくる雪の結晶を観察することによって、はるか上空の気象状態を読み解く可能性がでてきたのです。 このHOW TOでは、中谷博士の有名な言葉を体験するために、雪の結晶を撮影・観察し、実際に自分で受け取った「天からの手紙」を読み解く方法を紹介します。 繊細な造形に記録されたメッセージを読み取り、自然の不思議を味わってみましょう。

  • 久納鏡子

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    科学技術の発達によって、私たちの身の回りの自然の様子も10年前、100年前、1000年前と変わってきました。例えば、空気が澄んだ日の空に、飛行機から真っすぐに引かれた一筋の雲、飛行機雲は飛行機が生まれた100数十年前以前には、私たちが見ることができなかった雲です。 あるいは、星がよく見える夕暮れ時、空をじーっと見ていると、星とも飛行機とも違う、ちょっと光の足りない小さな星、人工衛星がゆっくり空を移動しているのを見ることができます。この人工の星が生まれたのも、今から60年程前のことで、現在は大小、軍事、通信、観測など様々な衛星4000基以上が空に浮かんでいます。数十年で数千の新しい星が生まれたようなものですね。 今では環境に馴染んで、存在することが当たり前になっているこれらの人工の雲や星を、今から150年前、明治時代の人達は見たことがなかった。今と150年前では、家の形や人々の着ているもの、持っている道具が変わっただけでなく、何万年も前から変わっていないように見える空ですら変わったということを改めて考えると、科学や技術が発達することは、自ずと私たちの周囲の自然の風景を変えていくことだということがわかります。 このhow toでは、科学技術によって生まれた新しい自然「人工の自然」を発見し、観察することで、自然とは何か、あるいは私たちが自然だと思っているものは何か、再確認します。

  • 林敏弘

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    皆さんはピンホールカメラ(針穴カメラ)を知っていますか?簡単に言うとカメラに必ず付いている「レンズ」が無いカメラのこと。レンズが無いのにどうして写るかって?代わりにとても小さい穴を使います。そしてその穴のおかげでちゃんと写真が撮れるのです。 カメラ付きスマホの普及もあって、最近は誰でも簡単に写真を撮りますね。SNSにアップする人も多いです。 では、なんで今どき「ピンホールカメラ」なのでしょう?それはレンズのカメラでは撮れない「光の柔らかさ」や「ゆったりと流れる時間」が、ピンホールカメラで撮った「ピンホール写真」では表現できるからです。アプリで加工する必要もありません。 これまでのピンホールカメラは箱や缶などを利用して作り、印画紙やフィルムで写す方法が一般的でした。印画紙を利用する場合は暗室も必要ですし、現像の薬品も使わねばならず、ちょっと試すにはかなりハードルが高かったのです。でも近年デジタルカメラが進歩して、簡単にデジタルのピンホールカメラを作って撮ることができるようになりました。ぜひ皆さんも挑戦してください。そして、その魅力を存分に味わいましょう。