のん
春の七草のひとつに数えられるハコベ(はこべら)は、もっとも身近な食べられる野草。庭や家の近所に生えているのを知っている人も多いでしょう。人だけでなく、飼い鳥やウサギにも喜ばれる食べやすい野草ですが、消炎効果の高い生薬「繁縷(はんろう)」としても知られ、江戸時代には歯磨き粉の素材に使われていました。そんな素朴な歯磨き粉を再現してみましょう。
斎藤 徹
最近、街で見かける自転車にスポーツ車が増えました。今や高校生も当たり前にロードバイクやクロスバイクに乗っています。もしもあなたがそんな少年なら、自分の自転車のフレームをよく見てみましょう。きっとそこにはなんのパーツも付いていないネジ穴があるはずです。その正体は「ダボ」。キャリアなどを取り付けるためのネジ穴です。かつての自転車少年たちはキャリアに生活の道具をくくりつけて日本一周や海外へと旅立っていきました。移動時のエネルギー効率において、生身の人間はほかの生物やエンジンを使う乗り物と比べてそれほど優位ではありません。しかし、ひとたび自転車にまたがると他を大きく引き離すほど効率が高まります。自転車は人間が発明した乗り物のなかで最もエネルギー効率が高い道具だと言われています。あなたのもっているスポーツ車も数百km、数千kmを走り抜ける性能を秘めています。自転車のメンテナンスとカスタムの技術を覚えて、自転車で旅に出てみましょう。
GO!GO!編集部
料理に欠かせない香辛料の多くは海外が原産国。それらの多くは輸入によって供給されています。そんなスパイスのなかでも、日本の山野に自生し、手軽に採集できるのがサンショウです。香り高いサンショウの収穫の適期は春から初夏。葉が瑞々しい今の時期にサンショウから自家製調味料をつくってみましょう。
藤原祥弘
いまお住まいの家には庭はあるでしょうか。少しでも自由に使えるスペースがあるなら、そこを地域の生き物と共有する空間にしてみませんか。人が街をつくる以前から、地域の生き物はそこに暮らしており、私たちが去ってからもそこで暮らします。生き物にしてみれば人間のほうがビジターでしょう。先住民である彼らに暮らす場所を返しつつ、自分も庭づくりを楽しむ。そんな気持ちで自宅の周囲の空間をデザインしていくと、生き物と人間が相互乗り入れする庭ができあがります。そんな庭は小さな宇宙にして生きた博物館。庭に一歩おりるだけで、出かけなくても自然観察を楽しめるようになります。
長野修平
現在は東北地方にまで分布しているヤシ科のシュロ。本来は南九州原産と言われていますが、シュロの木の皮が暮らしの素材としてとても優秀だったために庭先などに植えられ、その種子を鳥が食べて運んだことから分布が広がったと考えられています。近年は山で増え過ぎて、除伐の対象にもなっていたりします。そんなシュロの木ですが、その幹はたくさんの繊維が不織布のように絡みあう皮に覆われています。それを剥がしたものは鉄鍋を洗う布タワシとして使われたり、また皮の繊維をほぐして縄にしたり、さらには棒に巻きつけて箒としても使われてきました。シュロを使った道具は古くから日用品として重宝され、今日でも職人が数十年使える箒やはたきを1本ずつ丁寧に仕上げています。シュロの皮の繊維は油分を多く含み水に強く、腐りにくく、驚くほど丈夫。そんな天然繊維の力を活用するミニ箒のつくりかたを解説します。
金子 実
かつて、日本には旧石器時代の文化はないと考えられていました。しかし、在野の考古学者である相澤忠洋が群馬県みどり市の関東ローム層から石器を発見したことでこの定説は覆りました。相澤が石器を発見した岩宿遺跡からは約3万5000年前の後期旧石器時代初頭の石器が出土しています。これらの石器を収蔵する岩宿博物館(2026年秋まで改修で閉館中)では、黒曜石を使った石器作りのワークショップを開いており、その指導に石器作りサークルのメンバーがあたっています。この記事ではガラス質の石から石槍をつくり出す基本の技術を紹介します。
GO!GO!編集部
採集時に資源への配慮が求められることの多い野生食材のなかで、いくら採っても問題なし、むしろ採ったほうがよいと言えそうなのがセイヨウカラシナです。その繁殖力は環境省から「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種」に指定されるほど旺盛。ちょっとやそっと採集した程度ではまるで減りません。そんなに丈夫な野草なのに味は一級品。若葉は漬物、花芽はおひたしで美味です。都市近郊の川の土手などにもよく生えているので採集も簡単です。花芽を楽しむなら2月下旬から3月上旬が適期。春の野に出て若菜を摘んでみましょう。そして初夏に実る種子はマスタードとして利用できます。ポイントは夏まで忘れずに!野生のカラシナの種子から自家製の粒マスタードをつくろうhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/290
きうちともゆき
「フィールドノート」とはフィールド(野外や社会)で自身が見聞きした事象を書きつけたノートのこと。異文化や社会を研究する人も用いる言葉ですが、自然観察の世界では主に観察した生物の記録を指します。フィールドノートをつけると、いつ・どこで・だれと・何をしたのか、何を見たのかを数十年にわたって残せます。書き残さなければ忘れてしまう事柄をとどめ、ある地域にあった生き物の営みの変遷をあとから俯瞰することもできます。また、見極めて記録をとろうと意識することで動植物を精緻に見る目も養われます。生き物の世界に興味がわいたなら、ぜひ記録を残してみましょう。
トミザワタクヤ
人は植物や昆虫、獣から糸を取って利用してきました。細く長い1本の糸を、広がりのある布にするのが織りと編みの技術。糸を縦横に組み合わせてはじめて、布として利用できるようになります。織りの技術のなかでも最もシンプルなのが平織りです。経糸と緯糸を交互に織るこの方法で、布の原点を感じてみましょう。布や洋服はすべて、糸の集合体ということを感じられます。
房総竹部
近年各地で問題になっている放置竹林。暗く見通しの利かない竹林は獣たちのすみかとなり、そこから夜な夜な獣たちが田畑へと遠征してくるようになっている。ところがほんの数十年前までは、竹林は生活に必要な資源を生み出す宝の山だった。春にはタケノコが生え、その材はさまざまな生活道具の素材に使われてきた。竹林の価値は今も昔も変わらない。変わったのは私たちの手からそれを活用する技術が失われたこと。もう一度竹を生活に生かす技術を身につけて、地域の竹林に息を吹き込んでみよう。
GO!GO!編集部
日本人なら誰でも一度は拾ったことのあるドングリ。秋の日差しを照り返して光る実はとても魅力的に見えます。もしかしたらドングリに心惹かれるのは、縄文人が食糧にしていたころの記憶が私たちのどこかに残っているからかもしれません。今では食べることの少ないドングリですが、種類を選べばそれほど無理なく料理ができます。近所で拾ったドングリを加工して、先祖たちを養った秋の実りを味わってみましょう。
GO!GO!編集部
松葉サイダーは昭和の時代から親しまれてきた素朴な炭酸飲料。松葉についている酵母菌で砂糖水を発酵させて微発泡の炭酸水へと仕立てます。必要な素材と道具は砂糖と松葉と保存瓶だけ。太陽の力と時間を使って夏にぴったりな清涼飲料水をつくってみましょう。
宮原 悠
子供のころに植木鉢やプランターで花や野菜を育てたことはあるでしょうか? 序盤はすくすくと育ったのに、そのうちに枯らしてしまった、という経験を誰しももっているのではないでしょうか。土の容量が小さい植木鉢やプランターは、保持できる栄養も小さく乾燥の影響も大きく受けます。プランターで上手に植物を育てるには小まめな水やりと栄養の補給が必要です。しかしこれは、かけた手間が如実に表れる環境とも考えられます。水、光、栄養……の条件が限定されるプランターで植物を育ててみると、植物の成長に必要なものを感覚的に知ることができます。そしてプランターなら、庭を持たない人でも手軽に野菜作りに挑戦できます。収穫をゴールに据えて野菜を育てて、身近なようでまったく知らなかった土の力を感じとってみましょう。
ここはなの会
現在、急速に在来植物が減っています。その理由はさまざまですが、その要因のひとつがハナバチを中心とする花粉媒介者の減少だと考えられています。地球上で昆虫とともに進化してきた虫媒花(花粉を虫に運んでもらう花)は、虫が消えると花粉を運んでもらえず、タネをつくることができなくなります。植物がつけるタネは、鳥や哺乳類などの大事な食糧でもあります。在来植物とハナバチを守ることは、そのほかの多くの生き物の暮らしを守る活動でもあります。郷土に根付いてきた在来植物の花を私たちは「ここはな」と名付けました。ここはなとハナバチを守る花壇をつくって、地域の生物多様性を保ってみませんか。
玉置標本
春になると毎年おいしいタケノコが出回りますが、一般的によく食べられている孟宗竹(モウソウチク)のタケノコは、地中からほんの少し頭を出したくらいが収穫のタイミング。竹は成長が早い植物のため、すぐ食用に不向きなサイズとなってしまいますが、そんな育ちすぎたタケノコだからこその活用法があるのです。それはラーメンのトッピングでお馴染みの『メンマ』にすること!もともとの産地である中国や台湾では採算面の低さから生産が敬遠され、世界的に不足しているとも言われているメンマ。自作をしてみると敬遠したくなる気持ちもわかるくらいに手間と時間が掛かりますが、わざわざ作るに値するだけの味わいが楽しめますよ。