1980年神奈川県鎌倉市生まれ。 魚座のA型。 多摩美術大学油画科卒。 絵を教えたり絵を描いたりして生活している。
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見えない学校 おえかき教室
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自然を観察するフィールドワーク。気になった自然のものをスケッチしてみましょう。自分でスケッチ用のかばんを作って公園、里山、身近な自然のフィールドへ足を運んでスケッチしてみましょう。ただ、スケッチというとなかなか面倒なイメージがあると思います。道具をそろえたり、道端に座って描いているところを通行人に見られたり。
絵だと「上手く描かないといけない」と思いがちですが、上手く写すのは機械の得意分野なのでスマホやカメラにまかせ、絵具を混ぜて色を作ったり、じっくりと景色を見る時間を持つ贅沢さに気づくきっかけになれば、それでいいのだと思います。
絵を描く際に大切なのは描くことではなく、見て気づくこと。描いてみて本物と全然違う! と思ったらその気づきが、観察する目を使っているのです。違いが気になれば、よく見て直し、直さなくてもいいやと思えたら直さなくてOK。
スマホのカメラで記録するのもよいですが、フィールドワークの一環としてスケッチを始めてみましょう。
木製B5~B3パネル
2枚
紙やすり
1枚
テープ
適量
パッチン錠
1~2個
蝶番
2個
ドライバーセット
1
キリ
1本
トンカチ
1本
吊り金具
2個
綿テープ
1~1.5メートル
ナスカン
2個
カシメ(または針と糸)
2個
パレット(パネルより小さいもの)
1
水彩絵具セット
1
鉛筆
1本
筆
1本
水(携帯用)
適量
パネルに紙やすりをかける。
※紙やすりはかけなくても作れるので、お好みで。パネルを2枚あわせ、適当なところにパッチン錠と蝶番の位置を鉛筆でしるしをつけましょう。釘やネジの位置が決まったら、ドライバーセットのキリで穴をあけておく。
やするときは、トゲがささらないように注意。この時、パネル2枚をテープなどでくっつけておくとずれなくて楽です。
パッチン錠と蝶番をドライバーやトンカチでパネルにつける。
金具はホームセンターや東急ハンズ、パネルや中に入れる画材は画材店、綿テープとカシメは手芸店で買うことができます。
パネルの側面に吊り金具をつける。この時、パッチン錠がついているほうが上になるようにつけましょう。吊り金具を左右のパネルに1つずつつけると良い。
綿テープをカシメを使ってナスカンにつける。綿テープをナスカンに通し、写真のように端から3~5cmほど折り、ハトメ抜きで穴をあけ(写真2枚目)、カシメ(凸)をとおす。カシメ(凹)をはめ、カシメ打ちでカシメをくっつける。
カシメがなければ綿テープをナスカンに通して針と糸で縫いつけてとめてもよいでしょう。
STEP4で作った綿テープとナスカンを、吊り金具につなげてできあがり。
パネルは好みでニスを塗ったり絵を描いたりステッカーを貼ったりして自分好みにアレンジしてもよいでしょう。
パレットに水彩絵具をいれていく。日陰で何日か乾かす。
パレットのサイズによってはパネルに入らないこともあるので、買う前によく確かめましょう。パレットには事前に水彩絵具や透明水彩絵具をつめておくと便利。アクリル絵具は乾燥後耐水性なので、あらかじめパレットにつめておくことはできません。
スケッチかばんができたら、自然があるところへ出かけてみよう。
スケッチは描くものにこだわらず、大きな景色から小さな花や虫までなんでもOK!
<スケッチのポイント>
1.場所を選ぶ
落ち着いて描けるところを探しているうちに疲れてしまう場合があります。描きはじめてしまうと案外夢中になって人の目も気にならなくなりますので、あまり気にせず適当に選んで大丈夫です。
2.構図
目立つものがあれば、そこを目印にして描きはじめるといいかもしれません。画面を縦にするか、横にするかでも変わってきます。あせらずゆっくり決めましょう。
3.下描き
あまり鉛筆に力を入れず、やわらかく描きましょう。油絵やアニメーションの背景などを参考にしてみるのもおすすめ。広い風景を描く時は、最初は全体的にやわらかく描き、だんだん距離感がつかめてきたら近いものはしっかりと描いてみるといいかもしれません。
下描きでは、見えているものを輪郭線でくくるのではなく、なるべく鉛筆の白黒の差で見えるようにするのがコツ。色をのせる時にこの鉛筆の明暗があると暗い色をのせるのが楽になります。
4.色塗り
最初は水でうすめた淡い絵具で描き、淡い感じの雰囲気が好きな方はここで完成。鉛筆の白黒がしっかり描かれていると、淡く塗っただけでもいい感じになります。もう少し色を重ねるなら、カゲの色も作ります。カゲは黒に見えますが、よく観察すると色があることに気づくかもしれません。他の色も混ぜてみるのもいいでしょう。
筆洗器は飲み終わったペットボトルなどでも充分ですが、画材屋さんで折りたたみができる蛇腹のものも売っています。筆は小ぶりのものが1本あれば充分。写真は水筆という柄の部分が水をいれるタンクになっているものを使用しています。
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普段忙しい人こそ、スケッチかばんを作って、じっくり見る時間を楽しむためにでかけてみるのもいいと思います。写真を撮るだけでは気づかなかったことがきっと見つけられるはず。たまには道具作りからはいるのもいいものです。いきなりスケッチするのもハードルが高い、という人は散歩がてら描きたい風景を写真に撮り、帰宅してから写真を見ながらゆっくり描いてもいいかもしれません。
描くことに慣れてきたら、ぜひ屋外で、風のそよぎで変わる日差しの変化を楽しみながら描いてみてください。