「女子をちょっとワイルドに!」WMGG編集部の女子が集まり、アドバイザー兼部長にブッシュクラフト インストラクターの藤井浩美さんをむかえ「GO!GO!女子部」がスタート!
日々ワイルドなネタの企画に励むメンバー。企画を兼ねてアウトドアに出かけることも。女子が集まり遠征ともなると、いかに楽しく、いかにオシャレに、無理せずちょっとワイルドに遊ぶアイデアや工夫が湧いてきます。
自分の好みを見つけ創意工夫が得意な女子には、男子とは違ったアウトドアの楽しみ方があるかもしれません。そんな外遊びのアイデアに、ちょっぴりブッシュクラフトのエッセンスを取り入れ、楽しいHow toを紹介していきます!
WILD MIND GO!GO! 編集部の女子が集まり、アドバイザー兼部長にブッシュクラフト インストラクターの藤井浩美さんをむかえ、おすすめの楽しい外遊びを紹介する「GO!GO!女子部」。
今回は、アウトドアには欠かせない、簡単”火おこし”に挑戦!火おこしというと、なかなか火がつかず大変なイメージはありませんか?実は、ちょっとしたコツさえ抑えれば、誰でも簡単にできるようになります。
ここでは、キャンプ場のまわりや野山で、自然の中に落ちている素材を使って、無理せず簡単に火おこしする方法を紹介します。また、マッチやライターを使うのも良いですが、今回はカチカチと火花を散らして着火する「火打石」によく似たアイテム「ファイヤースターター(メタルマッチ)」を使います。この方法は、必要最低限の道具と知恵を使って、自然の中で野遊びや生活をするというブッシュクラフトや、災害時にも役立つ手法だそうです。
※ブッシュクラフトについてもっと知りたい方は、川口拓さんの【連載】ブッシュクラフト入門 もご覧ください。 https://gogo.wildmind.jp/users/731/profile
麻ヒモ
ファイヤースターター(メタルマッチ)
手ぬぐい(あると便利)
ナイフ(あると便利)
バケツやボトル等に入れた 水(防災用 焚き火横に常備)
火おこしを、失敗しないでスマートに行うために重要になるのが、いかに燃えやすい素材を集められるか(当たり前ですが…笑)!素材が湿っていると、火をつけるのも一苦労です。できるだけ乾燥している素材を集めましょう。地面に落ちて乾燥した枝や、立ち枯れの木の枝がおすすめです。折り曲げると、乾いた音でポキっと音を立てて折れるのがよく乾いているサイン!枝はできるだけ細いものから太いものまで、太さの異なるものを集めるようにしましょう。この理由は、あとのステップでご紹介します。
集めた枝は、手ぬぐいやタオルで運ぶと便利です。手ぬぐいがある場合は地面に広げ、その上に拾った枝を置き、クルッと巻くように手ぬぐいの端と端とを手で持つと、片手でもたくさんの枝を運べるようになります。
杉の葉、松の葉、松ぼっくりなどは、樹脂を含んでいるので自然の着火剤になります。乾燥していると、よく燃えてくれるので、一緒に集めておきましょう。
いろいろな素材を集めたら、火おこしを行う場所(ここでは石の炉)の側に、着火する順番に素材を並べていきます。
はじめに、着火剤となる杉の葉や松ぼっくりを置きます。その横に、次に着火する一番細い枝を置き、さらにその横にはもう少し太い枝…と、だんだん枝を太くしていきます。枝は鉛筆の芯くらいから、手首の太さくらいまで、5段階くらいに分けると使いやすいです。長さは大体20cmほどに揃えると扱いやすいです。
地味な作業にも思えますが、このように分類することで、無駄なくスムーズに、しかもキレイに着火できるようになります。このために、太さの異なる枝を集めたということですね。
火おこしは、その人の性格がわかるともいいます!大雑把でワイルドだったり、繊細に美しかったり、中には個性的でアーティスティックだったり。気になる”人”との火おこしは、じっくり観察するのもおすすめです。または、自分の目標を立てて追求してみるのも面白いかも。GO!GO!女子部では、一時期「いかに”美しく”火おこしできるか」ブームになりました(笑)。
先ほど、着火剤として杉の葉を集めましたが、少しでも湿っていると着火するのも大変だったりします。そんな時、ホームセンターなどでも購入できる市販の麻ヒモがあると、さらに簡単に着火することができます。麻ヒモは、ほぐすとかなり細い繊維にわかれるので、燃えやすく着火が格段に楽になります。
麻ヒモをほぐすには、そのまま手で裂いても良いですが、写真ではナイフでほぐしてみました。ナイフでほぐす場合は、はじめに手ぬぐい(またはナイフの摩擦を受けてもいいエプロン等)を平らな台の上などに敷きます。次に、麻ヒモの端から20cmほどの部分を手でしっかり持ち、ヒモがまっすぐ伸びるように手ぬぐいの上に置きます。ナイフを取り出し、麻ヒモをクシでとかすように、手元からヒモの先に向けて、力をかけず優しく撫でます。この際、ナイフの刃は、必ず立てて寝かせないこと。ナイフを絶対に横に引かないこと。刃を寝かせたり横に引くと、麻ヒモの下まで刃が入り、土台まで切れてしまいケガにつながる恐れがあるので十分に注意してください。
何度か繰り返すと、3枚目の写真のように、麻の繊維がほぐれてモフモフの毛玉になります。ある程度の大きさのモフモフができたら、薪の横に並べて準備万端です。
写真では、作業に慣れているため、厚手のズボンを履いた足の上に、厚手の手ぬぐいを引いて、モフモフを作っています。はじめのうちや、ナイフの使い方に慣れるまでは、台の上など平らなところを使って行いましょう。
ここでは、薪を組んでいきます。はじめに、先ほど並べた素材の一番端の杉の葉を手にとり、半分の長さに折り曲げて、束になるように炉の一番下に置きます。できるだけバラバラにならないように、炉に立てかけるように組むのがポイントです。
次に、一番細い枝(鉛筆の芯くらい)を手に取り、杉の葉を崩さないように上に三角に立てかけます。このとき、手前の真ん中に隙間をつくり、杉の葉が見えるようにしておくのがポイントです。後ほど、ここから着火します。
同じ要領で、徐々に太い枝を上に重ねていき、一番太い枝を立てかけられたら完成です。手前の真ん中に開けた隙間からは、杉の葉が見えるようにしておきましょう。三角に組んでいくのは、炎は下から上に登るので火が集めやすく、火を育てるのに必要な火元からの風通りもよくなるので、一定の火力まで育てやすくなります。
ここでは、キャンプ場などに設置されている石の炉を使いました。直火や焚き火台の上などでも、同じように火おこしを行うことができます。写真のように薪を立て掛ける壁がない場合は、杉の葉を真ん中に置き、そこを中心に枝を三角に立て掛けるように組んでいきます。三角のティピをイメージするとわかりやすいかもしれません。
いよいよ、ファイヤースターターで火をつけていきます。仕組は、ストライカーと呼ばれるヘラで、マグネシウムの棒をこすって火花を散らし、着火するというもの。
まずは、小枝などの棒を使って、麻のモフモフを杉の葉の下にそっと押し込みます。次に、片手でファイヤースターターのマグネシウムの棒を持ち、押し込んだモフモフの上に軽く押し付けます。もう片方の手でストライカーを持ち、マグネシウムの棒をヘラの角で押し付けながら「シュッ」とこすって、火花を散らします。
火花を散らす作業は少しコツがいりますが、慣れてしまえば力もいらず簡単に扱えます!なんといっても、火花を散らして「シュボッ」と火がついた瞬間なんて、ちょっと感動したりします。
うまく火花が散ったら、モフモフに火がつきます。少しすると、次第にその上にある杉の葉に火が移り燃えはじめます。この時、炎がついている部分に、松ぼっくりなどを入れてあげると、さらによく燃えます。せっかく起こした火です。大切に大切にゆっくり育てていきましょう。
しばらくすると杉の葉から細い枝へ火が移りだんだんと炎が大きくなっていきます。炎の元気がなくなったようなら、薪の下の方から適度な風を送り込んであげましょう。また、炎が大きく安定してきたら、さらに薪も追加していきましょう。最初はほんの小さな火ですが、少しずつ火を育てて行くと、光や熱を与えてくれる心強い焚き火に成長していきます。
ファイヤースターターは、コンパクトで持ち歩きも便利、水に濡れても使えるので、1つ持っておくと災害時にも活躍する強い味方になります。ここでは、ハイマウントのライトマイファイヤーというファイヤースターターを使っています。( http://goo.gl/ED3r86 )その他にも、いろいろな種類や、デザインがかわいいもの、色のバリエーションがあるものなど販売されています。安いものでは数百円のものから購入できるので、自分の好みに合わせて選びましょう。
一番太い枝に火が移り、薪の一部が熾火(おきび)になってきたら、一安心です。ゼロから育てた大切な炎を活用して、アウトドアを楽しんみましょう。今回GO!GO!女子部では、ちょっとワイルドに竹筒に研いだお米を入れてごはんを炊いてみました。ほのかに竹の香りと煙の香りで甘く美味しく炊き上がったごはん!サラダや煮込み料理と一緒に並べて、最高の贅沢ランチになりました!
スマートに火おこしができたら、ぜひ写真を撮って『やった!レポ』に投稿してください。また、苦労したことや、気がついたコツがあれば、ぜひコメントをつけてみんな教えてください。質問があればコメントに記入してください。
簡単に火おこしするコツ!それは、燃えやすい素材を集め、はじめは無理せず小さな火を起こすことを目指します。火がついたら徐々に大きな炎に育てていくと、いつの間にか大きな炎になります。火おこしができるようになると、アウトドアでの楽しみが一気に広がります!料理を作ったり、みんなで焚き火を囲んで暖を組んだり、夜の灯りになったり!
やったことがないことだと、特に最初のハードルは高く感じるかもしれませんが、まず外に出て、木々の彩り・風の流れ・鳥や虫・海や川の音を意識して楽しむことが、ワイルドの始まりになるかもしれません。無理のないところからコツコツ積み重ねると意外に簡単に超えられたりすることもあります。「あっ意外に私にもできるかも!」そんな発見を重ねて、ちょっと”ワイルド”になってみませんか。
※小学生以下の子どもが火を使う場合は、必ず大人と一緒に行いましょう。
※焚き火を行う際は、必ずバケツやボトル等に水を入れ、防災用に常備しましょう。
※キャンプ場などの管理された施設では、焚き火や薪拾いなどのルールが設けられていることがあります。必ず、利用する施設のルールに従って、行うようにしましょう。
撮影協力:山梨県都留市 宝の山ふれあいの里・ネイチャーセンター http://goo.gl/nGtpsq