「女子をちょっとワイルドに!」WMGG編集部の女子が集まり、アドバイザー兼部長にブッシュクラフト インストラクターの藤井浩美さんをむかえ「GO!GO!女子部」がスタート!
日々ワイルドなネタの企画に励むメンバー。企画を兼ねてアウトドアに出かけることも。女子が集まり遠征ともなると、いかに楽しく、いかにオシャレに、無理せずちょっとワイルドに遊ぶアイデアや工夫が湧いてきます。
自分の好みを見つけ創意工夫が得意な女子には、男子とは違ったアウトドアの楽しみ方があるかもしれません。そんな外遊びのアイデアに、ちょっぴりブッシュクラフトのエッセンスを取り入れ、楽しいHow toを紹介していきます!
WILD MIND GO!GO! 編集部の女子が集まり、アドバイザー兼部長にブッシュクラフト インストラクターの藤井浩美さんをむかえ、おすすめの楽しい外遊びを紹介する「GO!GO!女子部」。
今回は、焚き火やカセットコンロなどの火があるところだと、簡単に作れてしまう、かっこいいインテリア「ハナズミ(花炭)」に挑戦します!
ハナズミとは、花、葉っぱ、木の実、野菜や果物など、植物の形をそのままに、真っ黒に炭化させて作る炭のこと。「飾り炭」とも呼ばれ、500年も前から「茶の湯」の世界で珍重されてきたとか。その昔、はじめてハナズミを見た人も、この100%自然のオブジェに感動したんでしょうね!また、鑑賞用としてだけではなく、除湿、脱臭や水の浄化にも効果がある万能アイテム。
植物には、水や養分をすみずみに行き渡らせるための管があり、炭化させるとその水や養分だけが抜けて、無数の孔(あな)が残り、この孔が臭い匂いを捕まえてくれるので、脱臭できるそうです。
ブッシュクラフトでも、水の浄化に炭を使うこともあり、野外で作ったハナズミは、いざという時には、そのまま活用できるとか。そんな、見て楽しい、使って便利なハナズミを作ってみましょう。
ブッシュクラフトについて知りたい方は、川口拓さんの【連載】ブッシュクラフト入門 もおすすめ! https://gogo.wildmind.jp/users/731/profile
はじめに、ハナズミにしたい素材を集めます。多少向き不向きはありますが、植物なら大抵はハナズミになります。なので、楽しむコツとしては、できるだけ自分が見つけて「カッコイイな」、「キレイだな」と思えるものを集めること!完成した時の感動が高くなります。
また、炭化した素材は、もろく壊れやすいので、花びらや葉っぱなどは、できるだけ堅めで肉厚のものを選ぶと扱いやすいくなります。
ハナズミになるまでの時間は、素材によって異なります。松ぼっくりや杉の葉など、水分が少ないものは短い時間ででき上がります。野菜や果物などの水分が多いものは、でき上がりまでに時間がかかります。そのため、同じ缶に入れるものは、できるだけ水分量が似ているものを選ぶと、失敗が少なくなります。
女子部では、松ぼっくり、杉の葉、堅めの葉っぱを集めました。また形が面白そうなので、カットしたレンコンと、さやから取り出したそら豆も追加!さて、どうなるか!?
素材を並べる缶(蓋付き)を準備します。蓋がなければ、アルミホイルを数枚重ねて、ぴったりカバーして代用することもできます。アルミ缶は溶けてしまうので使えません。また、缶の周りに塗料などがついていると、火にかけた時に煙が出たり、変な匂いがするので、できるだけシンプルなものを選びましょう。
缶が準備できたら、蓋に釘やキリなどで穴を開けます。ここでは四隅とセンターに1つ、合計5つの穴を開けました。缶が高温になった時、この穴から膨張した空気や煙が出てきます。
次に、缶の本体に素材を並べていきます。少しずつ間隔をあけて、素材同士がぶつからないように並べます。素材の間に間隔がないと、炭化する過程や移動するときに、互いにぶつかり合って壊れてしまう可能性があります。壊れ易い素材は、個別にふわっとアルミホイルで包んでから缶に入れると、より安心です。
キレイに素材が並べられたら、先ほど穴を分けた蓋をして準備万端!
缶を火にかけていきます。ここでは、焚き火の火を使ってハナズミを作ります。代わりに、ガスコンロやカセットコンロでもできますが、煙が出るので、外で行うことをおすすめします。
焚き火については、前回の女子部で「女子でも簡単!ファイヤースターターで火おこし」を紹介しているので、こちらをご覧ください。https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/123
ここでは、焚き火の準備ができたところからの紹介です。先ほど素材を並べた缶を、そっと火にかけます。缶は、炎の真上に置き、缶に炎が巻く程度が火加減の目安!火傷をしないように、必ず耐熱グローブか、耐熱性の軍手を使いましょう。
火にかけてからしばらくすると、蓋に開けた穴から白い煙りが出てきます。これは、炭化に向かって素材が反応している合図!焚き火の灯りや、炎の揺らぎを楽みながら、できあがりをゆったり待ちましょう。
STEP1では、素材の水分量によって出来上がりの時間が異なると伝えました。缶のサイズや火力にもよりますが、水分量の少ないもので大体30分ほど、水分量の多いもので大体50分ほどを目安として炊き続けます。
缶の穴から、煙が出なくなったら、炭化が終わった合図!ハナズミが壊れないように、ゆっくり缶を火からおろします。このとき、缶がかなり高温になっているので、必ず耐熱グローブ(または耐熱性の軍手)をつけるようにしましょう。そして、そのまま、缶が自然に冷めるのを待ちます。
いくら中の様子が気になっても、缶がある程度冷めるまでは、絶対に蓋を開けないでください!熱いうちに蓋を開けると、酸素が入ることで、炭化素材が燃え出してしまうことがあるので要注意です。
缶が冷めたら、蓋を空けます。水分や養分が蒸発して、少し小さくなった素材が、真っ黒に光っていたら大成功です。女子部でも、真っ黒でかっこいいハナズミができました!レンコンだけ、水分量が多かったせいか、炭化しない部分が残りました…残念。
かっこよく完成したハナズミ!その形や色をじっくり楽しみましょう。
女子部では、ハナズミを見ながら、お団子とお抹茶で野点(のだて)パーティーを楽しみました。500年前の人も、初めて見たハナズミに感動し、同じように鑑賞しながらお茶を楽しんだのかな…なんて思う最高にプレミアムな時間でした!
かっこいいハナズミができたら、ぜひ写真を撮って『やった!レポ』に投稿しましょう。作品のお気に入りポイントや、作る過程で気がついたことがあれば、コメントもつけてくださいね。また、おすすめの素材もあれば、教えてください!女子部の参考にさせてもらいます(笑)。
大抵の植物であれば、火にかけ炭化させるだけでできるハナズミ!はじめは、あまり深いことを考えずに、自分の好きな素材で作ってみるのがおすすめです。一度作ってみると、「もっとこうしたい」、「次はこんな植物で作りたい」と、どんどん「こうしたい!」が湧いてきます。
また、ハナズミをじっくり観察することで、自然の繊細な造形美に気がついたり、植物をオブジェとして捉えたりと、新しい見方を得られるかもしれません。
女子部では、出来上がったハナズミを、飾って楽しみましたが、家の中に飾ると、観賞用だけではなく、除湿や脱臭の効果もある万能インテリアになります。ブッシュクラフトでは、野外での水の浄化に炭を活用することも!皆さんも、そんな、見て楽しい、使って便利なハナズミを作ってみてください。
※小学生以下のお子さんは、必ず大人と一緒に行いましょう。
※焚き火を行う際は、必ずバケツやボトル等に水を入れ、防災用に常備しましょう。
※キャンプ場などの管理された施設では、焚き火、薪拾い、植物などの素材を採取する行為にルールが設けられていることがあります。必ず、利用する施設のルールに従って、行うようにしましょう。
撮影協力:山梨県都留市 宝の山ふれあいの里・ネイチャーセンター http://goo.gl/nGtpsq
参考資料:https://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file5326a18384c1f.pdf