人類をちょっとワイルドにする自然体験を集めた、体験メディア「WILD MIND GO! GO!」編集部。
自然の中の体験を通して、普段の自分がちょっとワイルドに変わって行く、そんなステキなアイディアを集め毎週皆さんへお届けしています。
植物標本とは、植物の保存技術のこと。植物の全体または部分を乾燥処理して、台紙に貼り付けて保存する「押し葉標本(おしばひょうほん)」や、アルコールなどに浸して保存する「液浸標本(えきしんひょうほん)」があります。採集地、採集年月日、採集者などの情報を記入した標本ラベルを付けて自然科学の研究資料となり、さまざまな目的に活用されるそうです。
最近は、鑑賞目的などで、ガラス瓶に植物を入れて専用オイルで満たした液浸標本「ハーバリウム」が人気です。そこで「葉脈標本」に続き、WILD MIND GO! GO! 編集部が、観賞用の液浸標本「ハーバリウム」作りに挑戦しました。花や葉っぱの美しさに触れながら、意外にも少しの材料でできるハーバリウム制作。ぜひ皆さんも挑戦してみませんか?
「葉脈標本を作ってみよう!」https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/94
まずは、主役の花材(植物)を準備します。野外に摘みに行きたいところですが、今回は切り花を購入しドライフラワーにしたものを使用しました。ハーバリウムの花材は、ドライフラワーやプリザーブドフラワーと呼ばれる水分を抜いたものを使います。花材は、はじめにテーマを決めるとスムーズに進みます。たとえば、色合い、植物の質感、花と葉っぱのバランスなど。自由な発想であれこれ創造してみましょう。
ガラス瓶は、花材に合わせて高さ違いの角瓶と丸型の3種類を用意しました。ハーバリウム用オイルは、専用のものが販売されています。
ドライフワラーの作り方は何通りかありますが、一番簡単なのは「ハンギング法(自然乾燥法)」です。切り花を麻紐などでしばって、風通しが良く直射日光が当たらない場所に吊るします。種類や環境にもよりますが、約1~2週間でドライフラワーになります。
花材を吊るして待つこと10日ほど。しっかり乾燥したドライフラワーができました! いよいよハーバリウム制作に取りかかります。
ガラス瓶の横に花材を並べて、仕上がりをイメージしながら、瓶の大きさに合わせて花材を1本1本カットします。小さなガラス瓶の中はやり直しが難しいので、この作業は肝心です。花材の長さを変えると動きがでて、仕上がりが単調にならず良さそうです。枯れた茎や枝、取れそうな実などは取り除きましょう。
ハーバリウムのガラス瓶は口が小さいものが多いです。今回も準備した花材のうち何種類かはガラス瓶の口を通らず、残念ながら使用をあきらめました。その点を考慮して花材を選ぶのもポイントです。
長めのピンセットを使って、花材をガラス瓶に入れていきます。花材を交互に重ねると引っかかりができて、オイルを注いだ時に花材が浮きにくくなります。気持ち多めのボリュームにすると隙間が空きすぎず、比較的イメージ通りに配置できます。
四面からバランスを確認して、花材の位置やバランスを最終調整します。
ハーバリウムオイルを注ぎます。オイルはひたひたになるまで、ガラス瓶のくびれあたりまで注ぎましょう。気泡が消えたらキャップを閉めて完成です!
WILD MIND GO! GO! 編集部が制作したハーバリウムを並べてみました。窓際などの光が当たる場所に置くととてもきれいです。
*完成写真左から
・丸型:スモークツリー。ふわふわした花穂と優しい色合いがきれいです
・角瓶(低):ミモザは春先に咲きます。オイルを注いだら黄色が生き生きとしました
・角瓶(高):ユーカリの一種ユーカリテトラゴナ。ドライにしても清々しい香りがしました
ハーバリウムを作ったら「やった!レポ」に投稿して、あなたの作品をシェアしましょう。質問や感想はコメントに記入してください。
意外にも少しの材料でできるハーバリウム。植物の持つ、色合い、テクスチャー、季節感、香り……そんな自然の魅力を五感で感じながら、花や葉っぱのバランスをあれこれ考えるハーバリウム制作はとても豊かな時間でした。ハーバリウム制作を通して、植物の名前を知るきっかけが生まれたり、植物の魅力を改めて感じてもらえたらとてもうれしく思います。ぜひ、自由な発想であなただけのハーバリウムを作ってみてください。
*キャップは完全に閉めて液漏れにはご注意ください