ホールアース自然学校理事。富士山麓をガイドして15年。田貫湖畔に環境省が設置した自然学校第1号「田貫湖ふれあい自然塾」のチーフインタープリターとして、身近な野生生物の生き様や人とのつながりを伝えることなどを通じて、自然と人とをつなぎ、身近な自然の見方を変えるきっかけ作りをしている。
その他、様々な企業・行政と自然を知る、伝える人になる、自然を守る・活用するなどの企画・実施に忙し楽しい毎日。
春から夏にかけては、生き物の気配がどどどーーと増す季節。家の中にいるなんてもったいない!太陽の照りつける中、そよ風を頬に受けながら、あちこち走り回って、小さな命の不思議を楽しんではいかがでしょう?
虫は、僕ら人間と違うところがたくさんある生き物。なんで体がかたいんだろう?頭から生えている触角はなに?6本足でどうやって歩いているんだろう?人間との違いを見つけて、家族や仲間と一緒に、ワイワイ話しながら楽しんじゃえば、なんだか虫も愛おしく見えてきます。
それにはまず、本物をつかまえてみなきゃ!ということで、今回は、私むしハカセがとっておきの虫取りの極意と、初夏に出会える虫たちを紹介します。
わが子は虫が好きなんだけど、親の私はちょっと…。そんな風に思っている方も安心して楽しめる虫のつかまえ方をお教えします!
一年を通してみると、数えきれないくらい多くの虫たちが僕らのまわりに出現します。でも、出会えるのはほんの一瞬。虫の一生は短いからです。そして、虫は大きくないので、僕たちが意識を向けないとその姿は見えてきません。
図鑑を見ていてかっこいいと思った虫でもいい。ゲームに出てきたあの虫でもいい。大事なのは好奇心。自分でねらった虫を苦労してつかまえられた時のうれしさったらありゃしない!まだ見ぬ虫に出会うために、まずは以下の二つを用意しよう。
・入り口が大きくて後ろの部分が長い虫あみ
・傘(できれば模様がついてない白い傘がいい)
仲良くなりたければ、相手のことを知るのが大事。それは人とのつき合いだけでなく、虫との関係でも同じこと。
もし自分が小さな虫だったらどこにいるだろう?と、虫の気持ちになってみる。そんな風に考えて、家族や仲間とお目当ての虫がどこにいそうか話し合ってみてください。きっといろんな意見が出て楽しいはず。それだけでも虫という生き物に一歩近づいた気がします。
虫を探すヒントは、大きく分けて二つ。「食べ物」と「産卵場所」です。つかまえたい虫の食べ物と産卵場所をまずは図鑑などで調べておくと、ぐっと出会えるチャンスが増えますよ。
まずは「食べ物」に着目。動かないもの、たとえば、植物の葉っぱや花を食べる虫は、比較的つかまえやすい虫です。
ここでむしハカセの虫取りの極意、その1をご紹介。葉っぱや花を揺らして虫を取る方法です。ここで活躍するのはなんと傘!葉っぱや花を揺らす前に、下に傘を広げておくのです。そうすると、ポトリポトリと虫たちが自動的に傘に落ちてくる!なぜなら、飛ぶことを得意としているチョウやハチやアブなど以外の虫は、たいてい下に落ちて地面のどこに行ったか分からなくなるようにして身を守る習性を持っているからです。
つぎに「産卵場所」で言えば、材木が切って積んである場所はカミキリムシの宝庫です。彼らは木に産卵しに来るのです。
このように「食べ物」と「産卵場所」は、ねらい目です。彼らの動きを読んで待ち伏せしよう!
ひとくちに「虫」といっても、出会い方だけでも実にさまざま。人と猿が違うように、虫の中にもいろんな種類があって、それぞれが工夫をして生きています。その生活スタイルに合わせて、つかまえるこちらも知恵を絞って挑む。虫たちとの知恵比べです。
気温や湿度、そのほかの条件によって、虫の居場所は刻一刻と変わります。そんな虫たちを追いかけて、お目当ての虫に出会える瞬間を、家族や仲間と一緒に味わえたら最高だと思いませんか?
さあ、図鑑を開いて、今度の休みはどの虫を探しに行こう?なんて考えたり、話し合ったりしてみるのも面白いかもしれませんね!
いろんな虫との出会い方は、私むしハカセのYouTubeでも見ることができます。詳しくはYouTubeチャンネル「むしハカセ ちょびひげ / You虫部」をご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UC7QaVC6RZiWx-bu-DdOJgwQ/featured