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虫や雑草と畑をシェアする「虫草農法」で、生き物と遊びながら野菜をつくろう

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わたなべ あきひこ

虫草農園スタッフ
虫と草の力を借りて農薬を使わずに野菜を育てよう

虫のこと、嫌いですか? 私は好きです。多くの人に虫のことを好きになって欲しいです。なぜかというと、虫や草が好きになると、それまでとはちょっと違う世界が見えてくるように思うのです。「虫たちのように、ヒトも自然の生態系の一部になるような暮らしがしたい!」そんな思いから田舎に移住し、畑をつくり、そこを虫草農園と名づけました。
野菜を育てることで虫や草が育ち、畑に集まってくる生き物たちに小さな生態系をつくってもらい、彼らの力も借りながら人はほどほどの分け前をいただく。虫草農法では、収量の最大化より多様性を高めることを目指し、生き物とともに野菜をいただきます。虫や草にも手伝ってもらう農法の魅力を、いま絶滅に瀕している里山生物たちに代わって、紹介したいと思います。

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READY
準備するもの
  • タネ

    少々

  • 半月クワ

    1本

  • 鳥や虫に作物を食べられても許せる心

    ひとつ

  • 芋虫や芋虫の体から出てきた別の虫を面白がる好奇心

    ひとつ

STEP 1

菜園をデザインしよう

  • 畑だからといって畝をつくらなくたっていい
  • 傾斜地の場合はロックガーデン風も楽しい
  • 水辺があると生物相は格段に豊かになる
  • 中央にスプリンクラーをセットした円形の畑
  • 面積が広い場合は畝を作ると管理はしやすい

畝をつくるか? つくらないか? それが菜園づくりの最初の悩みどころ。排水や管理の面では畝があったほうがよいのですが、手間をかけられるなら畝をつくらないほうが美しく、何より楽しいのでオススメです。どれだけ時間をかけられるか、どのくらいの広さかによって、そのあたりが決まってきます。面白いと思う方向に、変えながら楽しんでください。

畝なしの場合、平らなところでは、意図的に築山をつくるのも楽しいもの。傾斜地の場合は、自然石の石積みなども組み合わせたロックガーデン風にすると多くの生き物を呼び込みます。石を積む場合は、セメントを使わず土極めで積むと石の隙間にいろいろな生きものが住み着いてくれます。傾斜地に廃材のバスタブやトラック用の大きな廃タイヤなどで小さな池をつくると、その周囲の生物の多様性が一気にあがります。

ものぐさにオススメなのは円形の畑。こんな畑の真ん中にスプリンクラーを配してタイマーを仕掛ければ、タネまき後の水やりの時間も省けます。植物の多くは、毎晩、適量の散水をしてあげると、成長が著しく驚かされます。

STEP 2

カオスな畑を作ろう

  • 異なる科の野菜を混植するといいようです
  • 箱庭のようなスペースでもカオスは作れます
  • イチゴとコスモスの中にキャベツがポッコリ
  • 作物以外の草もあると生態系が豊かになる?
  • 草に埋もれぬようサインを立てるのも楽しい

「たくさん収穫できる」という喜びも確かにあるのですが、同じ作物をたくさんつくり、そのために同じ作業を繰り返すのはあまり楽しいものではありません。「農的な暮らし」と違って「農業」が苦痛になってしまうのは、そんなところにも原因があるのかもしれません。

そしてどうも、自然の生態系も多様性のない単一の状態が苦手なようなのです。キャベツの畑にはキャベツだけを植えて管理したほうがたしかに効率的ではあるのですが、多様性でバランスを保つ自然の仕組みからはそれは「とても不自然な状態」に見えるようです。

そのため、単一な畑には多様性のある状態を取り戻す方向に力が働きます。つまりモンシロチョウやコナガ、ヨトウガなどがたくさんやってきて、地面を専有するキャベツを減らそうとします。そうなると、収穫の効率を最優先させなければいけないプロの場合は、農薬を使うことになってしまいます。

しかし、自給用であれば、たくさん穫ることを目的にしなくてもいいはず。キャベツのすぐ隣にパクチーを植えるなどして、雑多な野菜や野草で、キャベツがそこにあることを誤魔化すことができるかもしれません。

こんな工夫をするのは楽しいものですが、虫に食べられないようにと必要以上に計算高く考えて植えなくても大丈夫。さまざまな植物がそれぞれに影響し合いながら育っている畑の方が楽しくて、虫食いがあっても美味しくも感じられたりします。

POINT

虫草農法は、鳥たちのために土を耕し、カブトムシのために落ち葉を積んで堆肥をつくり、それを肥料として施します。里山に暮らしていたヒトがその地域の生態系の一部になっていた頃の農的な暮らしを模索し、楽しもうというものです。

STEP 3

半月クワを使いこなそう

  • 半月クワ。手前は使い込んで三日月クワに
  • これくらいに草に埋もれてしまったら救援を
  • 作物の根際の表土を半月クワで薄っすら削る
  • 虫を摘むための竹でつくったピンセット
  • 屋根付きの小さな道具小屋があると便利

南アルプスの片隅に移り住んだのは25年ほど前のこと。このころの畑仕事の相棒は半月クワでした。移住した当初は100坪ほどを開墾し、小さな畑をやっていました。その後、急激に地域の高齢化と過疎化が進み、農業の後継者が少ないこともあって、畑や田んぼ、それに果樹園までお借りすることができるようになりました。今は畑だけでも3000坪以上。さすがに半月クワ1本で、とはいかなくなくなり、天ぷら廃油で動くように改造したトラクターや太陽光発電で充電した草刈機なども使っています。それでも、毎日の見まわりの際には、半月クワを片手に歩きまわります。

道具としての美しさもさることながら、これ一本で、クワにもカマにもなるのが素晴らしい! さらには、座らず腰も曲げずに立った状態で作業ができます。半月クワは地方によって「立ちカンナ」などとも呼ばれています。畝の両サイド、上の写真で土が見えているところは、半月鍬で草を少し掻いたところ。こうして作物の生長に少し加担してあげるだけで作物と野草の生長に差が出て、収量なども違ってきます。

半月クワは「土がんな」などとも呼ばれ、土のきわを削れることも特徴のひとつ。土を削ると刃がなまりやすいのですが、半月クワは刃先が鋼になっているものが多く、研いで使うことができます。見まわりに出る前にその都度研ぐのが快適に作業を進めるコツ。そのためには100円ショップで売っているダイヤモンドのヤスリが重宝します。

少し邪道なやりかたですが、虫草農園では刃が大きく丸まってしまった場合は、マジックとグラインダーを使って修正しています。この方法は、クワや大ガマなどにも使えます。(以下の動画の8分30秒過ぎあたりにあるので参考にしてください)

STEP 4

自家採種可能なタネを蒔こう

  • タネが継がれてきた在来品種がオススメ
  • 山奥で守られたインゲンの原種 、銀不老
  • 自家採種したコリアンダーのタネ
  • 小麦やお米も地方ごとに種継ぎされてきた

虫草農法はエコロジーを優先すると同時に、お金に頼りすぎない、ということでエコノミーも大切にしています。タネや苗を手に入れて、一度植えたらその後は自家採種(育てた野菜から再びタネを取ること)を基本としています。

最近種苗法が改正され、品種登録されたタネは自家採種ができないことになりました。しかしそのおかげで消費者は賢くなり、自家採種が可能な在来種の市販のタネには、「自家採種が可能な固定種」と表示され、それが宣伝になるようにもなりました。

丈夫で、成長が早く、美しくて、おいしく、多収で、さらには病害虫も寄せ付けない……。自然界には、そんな野菜は存在しません。しかし今、植物に菌類の遺伝子を組み入れるなどして、長所ばかりの野菜を人工的に作ろうという動きがあります。

これまでなぜ、長所ばかりの野菜がこれまで存在しなかったのでしょうか。私には「ひとり勝ちをさせない力」が自然界に働いているからのように思えます。優秀な種はひとり勝ちして多様性を失わせます。しかし、生態系は多様性こそが命。氷期、温暖化、旱魃……。地球上で繰り返されてきたさまざまな環境変化を生き物が耐え抜けたのは、多様性があったからにほかなりません。

野菜を育てようと思うと、ついつい収量に目が眩んでしまいますが、遺伝子を組み替えるなどして作られ、生産者にとっては(一時的には)都合がよい(しかし、毎年種子や苗を購入し直さなくてはいけない)品種よりも、継続してタネを撮り続けられる野菜を育てたほうが、多様性を維持でき、お金もかかりません。「自分の畑を生物多様性を保つ場にする」。そんなふうに考えると「よいタネ」の見え方が違ってくるように思うのです。

STEP 5

畑に野菜の花を咲かせよう!

  • ヤロウ、ニンジン、ディル、ヤグルマギク
  • 高価なランより美しく思えるルッコラの花
  • 牛乳パックを木片で囲った花活けと野菜の花
  • 虫草農園のヒット商品のひとつ、野菜の花

自家採種をするためには花を咲かせる必要があります。花を咲かせるにはどうしたらいいか? 実に簡単、食用部の収穫後に残った株をそのまま残すか、タネ取り用の株を放置しておけば、野菜たちの多くは花を咲かせてくれます。虫が多い畑であれば、受粉も虫まかせ、風まかせでOKです。

野菜の花の中には、ルッコラやニンジン、ボリジやゴボウなど、しっかり観察すると、ため息が出るくらいに美しいものも多くあります。試しに出荷してみたところ、本体の野菜よりも、野菜の花のほうが人気があった、などということもありました。

園芸品種のような派手さはありませんが、シックながらも機能性を持っていたり、観察対象としても面白いものが多かったりします。そして何より、野菜の花の蜜と花粉は虫たちのごちそうでもあります。

STEP 6

究極の育苗法は、こぼれダネ栽培?

  • マイクロトマトはこぼれダネ発芽しやすい
  • カモミールは秋に耕すとこぼれダネで発芽
  • こぼれダネ発芽は30cmほどの幅で耕す

花を咲かせたのちにタネを結実させ、そのタネを再び育てるのが自家採種です。さらにその先、野菜たちの自主性を重視・尊重するのが「こぼれダネ栽培」。自家採種どころか、タネ蒔きさえも手抜きする「究極のぐうたら農法」とも言えるかもしれません。

土壌や気象条件、標高などでもこぼれダネ栽培が可能な品種は変わってくるのですが、虫草農園(本州中部、標高750m)では、レタス各種、ルッコラ、野良坊菜、ディル、カモミール、トマト各種、小麦、ライ麦、ニンジン、ごぼうなどが、ほぼ放任で毎年こぼれ種から育ってくれています。

ポイントは花を咲かせ、タネを実らせた野菜の残渣をそのまま放置すること。あるいは来年、育って欲しいところに投げすてておくこと。その後、種によっては、上手いタイミングでその場を耕すと、発芽率が高まったり生育がうまくいったりします。

レタス類などの好光性種子は、覆土(タネを土に埋めること)は不要で、残渣をただ積み重ねておくだけで、そこからたくさんの苗が育ってくれたりします。そしてこれをそのまま放置し、育てるのが「自然生え」という育苗方法。間引きをしなくても自然淘汰で強いものが適量残ります。もちろん、無駄なく増やしたい場合は、密生した状態の苗を分けて移植したほうが収量は増えます。

カモミールや野良坊菜、ダイコンや赤からし菜、それに小松菜などは、適当なタイミングで種がこぼれたと思われるあたりを耕してあげると、こぼれていたタネがたくさん発芽してくれます。

タイミングをつかむまでが難しいのですが、たとえばカモミールの場合、虫草農園では、毎年、10月10日に生えていた畝(このときにはもうすでに影も形もないのですが)を小型の耕運機で耕します。その畝に生えていた夏草を耕運機ですき込み、土をむき出しの状態にしてあげると、そこにカモミールが出てきてくれます。このところは毎年このサイクルで、カモミールに関しては、自家採種もタネ蒔きもしていません。

秋の耕耘によるこぼれダネ栽培は、アブラナ系など冬も常緑で越冬する品種に適しているようです。ただし、野良坊や赤からし菜、以外のアブラナ科は、雑交しやすく、不思議な菜っ葉ができてしまったりもします。

STEP 7

狩りバチたちを誘致しよう

  • アシナガバチは巣の形成初期は移動が可能
  • 巣を枝に作っている場合は移動も簡単
  • アオムシを食べるキイロスズメバチの巣
  • ハチの働きで無農薬で立派なキャベツを収穫

虫草農園では、ハチやカマキリ、肉食テントウ、それにモズやジョウビタキたちのことを「スタッフさん」と呼んでいます。彼らや彼女らが働きやすい環境を作ると同時に、積極的な勧誘活動も行なっています。いちばん勧誘が簡単なのはカマキリ。冬にカマキリの卵を見つけたら、枝ごと取ってきて、畑のどこか適当なところに刺しておくだけ。それだけで翌春から畑は働き者でいっぱいになります。

スタッフの中で最も優秀なのは、キイロスズメバチです。農園のことを気に入ってくれて近くに巣を作ってくれると、その巣は夏過ぎには1000頭規模の大世帯になります。こうなると効果抜群。仮に働き蜂1頭が1日に1頭のアオムシを仕留めてくれるとすると、なんと10日で1万頭のアオムシが食べられる計算に。キイロスズメバチの巣が成長するとさすがに畑のアオムシはいなくなります。キイロスズメバチの巣がある年は、キャベツにネットをかけなくても葉がレース状にならず、(虫草農園にしては)立派なキャベツが収穫できたりするのでした。 

ところでスズメバチは、ヒトの認識能力に優れていて、その家の主とお客さんとをかなり正確に見分けているように感じられます。我々家族を威嚇することはないのですが、初めてのお客さんがやってくると、顔の前でホバリングして警戒します。この地にかれこれ25年以上住んでいるのですが、軒先に巣をかけたスズメバチにはまだ刺されたことがありません。ただ、キイロスズメバチの巣を他から移動しても、そのままその場で巣作りをしてくれるケースはごくわずか。いまのところ巣作りの場所は彼女たちの自由な意思が尊重されています。

一方、巣作り初期の頃のアシナガバチは、比較的簡単に巣の移動ができます。ポイントは働き蜂が生まれる前、女王蜂が1頭で巣作りをしているときに移動すること。畑に雨除けをつくってそこに移動します。写真では両面テープを使っていますが、割る前の割り箸に巣の軸を挟み込むほうが、その後、蜂自身による補強がしやすいようです。

こうしてアシナガバチの移動をして気づいたのが、生態系の中で生きていくのは熾烈だということ。多くの場合、アシナガバチは他の天敵に見つかってしまい、次世代の女王バチを羽化させるまで巣が続くのはかなりまれです。こうした一次情報を自分で発見できることも虫草農法の喜びのひとつです。

STEP 8

落ち葉や刈り草は里山生態系の源泉!

  • 刈り草マルチで保水、草抑え、土壌改良
  • 落ち葉はかつては貴重な有機肥料の素材
  • 畝に堆肥を積む。シートで水分過多を防ぐ
  • カブトムシの糞は堆肥を最高の団粒構造に
  • 藁葺き屋根風にして水分過多を防ぎ堆肥化

地域の古文書読んでいて、薪炭林(入会地)の落ち葉を盗んだ罰として腕を切り落とされた、という記述をみつけて驚いたことがあります。地元のお年寄りに聞くと、昔は雑木林の中に落ち葉などなく、地表は苔で覆われていて裸足で歩くのが気持ちいいくらいにしっかり管理されていた、とのこと。林道のU字溝をさらえば、いくらでも完熟腐葉土が手に入る現代からは、とても考えられないことです。

落ち葉を集めて積む堆肥場もよいのですが、省力化をするなら畝の上で堆肥をつくることもできます。また、刈り取った草は苗の周囲に敷くマルチ(被覆材)に最適な素材。刈った草は光を遮るので苗の周囲に雑草が生えるのを抑制し、保水もしてくれます。そして、土壌改良材を兼ねる生分解性マルチでもあります。

「ロータリーモア」と呼ばれるタイプの芝刈り機では、刈り草が粉砕されバッグの中に収容されます。粉砕された草は遮光効果が高く、草抑えのマルチとして最高の効力を発揮してくれます。

地質学的には、土は岩石やその風化物が主な素材とされていますが、植物を育ててみると、土の主な組成は生物の残渣ではないかと思えてしまいます。ほんの25年ほど有機物を頼りに耕作をしただけなのに、土の量は増え、畑の中の大きな岩は少しずつ沈んでいることを実感しています。これなら土石流などの土砂に巻き込まれていない縄文や弥生の遺跡が地面の何mも下から見つかることも納得できます。

STEP 9

「こしゃり」という奥義

  • 定期的に大発生するマイマイガの幼虫
  • 感染したヨトウムシから出た白い胞子
  • 無農薬の畑は小さくも多様性に満ちている

畑をやっていると、虫が大量発生することがあります。定期的に大発生する虫としてはマイマイガが有名ですが、そのほかの虫も定期的に大発生するようです。マイマイガは雑食性が強く、いろいろな植物の葉を食べますが、草木を食べ尽くすまで大量発生が続くかというとそうでもなく、マイマイガの場合では長くても3年ほどで大発生は終息します。

自然の生態系には多様性を維持しようとする絶妙なバランス感覚があって「誰かをひとり勝ちさせない仕組み」が組み込まれている、とSTEP4で書きました。大発生した虫にもその力が働くように思います。

マイマイガにはエントモファーガ・マイマイ、バッタにはエントモファーガ・グリリなど、それぞれに専属の菌類やウイルスがいます。これらの菌類は感染症の常として、宿主の生息密度に比例して急速に増殖します。つまり、生息密度の高い「密」な状態があると、より拡大しやすくなり、密度が下がると終息に向かいます。

驚くべきことに、日本ではこうした昆虫寄生菌をヒトが意図的に使っていたそうです。大発生をしたヨトウムシに対処するため、寄生菌に感染したヨトウムシを使って菌を培養し、培養した菌を撒くことで、ヨトウムシの被害を食い止める「こしゃり」と称する伝統農法があった、と言われています。

身近な小さな畑であっても、生態系は存在しようとします。作物を育てるにあたり、日本では古くからその自然の生態系の流れを重視、尊重していたようにも思えます。それはもしかしたらヒトも自然の生態系の一部だと思っていたからかも知れません。小さな畑であっても不思議なことがたくさん発現します。まずはじっくり観察すること。楽しいですよ。

STEP 10

『やった!レポ』に投稿しよう

完成したら、写真をとって『やった!レポ』に投稿しましょう!苦労したことや工夫したこと、感想などあれば、ぜひコメントにも記載してください。

MATOME
まとめ

カブトムシやオオクワガタ、それにホタルやアキアカネなどの多くの里山生物は、長く営まれてきたヒトの農的な生き方に適応しているように思えます。ところがここ100年ほどでヒトの暮らし方は激変し、それによって里山生物が絶滅の危機に瀕しているように感じます。

農薬や除草剤、化成肥料などが普及する以前も、ヒトは自然の生態系に対して大きな影響を与えながら暮らしてきました。ただし、その変化のスピードはゆっくりで、ヒトの近くで暮らしてきた生きものたちは、ヒトの暮らしに適応できていたように思われます。

ヒトは環境変化に「知力や考察」で対応しますが、虫や草たちは「個の多様性と淘汰」によって適応しようとします。とくに昆虫は遺伝子への刷り込みスピードがヒトよりもはるかに早いのです。たとえばモンシロチョウは、1頭のメスが、200個くらいの卵を生みます。東京あたりのモンシロチョウ1年の間に6世代、世代交代を毎年くりかえすのに対して、ヒトは次の世代に移るのに20年くらいかかります。

ヒトがひとりかふたり子どもを生んで、次の世代に移る20年の間に、モンシロチョウは200個×6化×20年=2万4000個の卵を生みます。昆虫はたくさんの卵を産み、淘汰されるなかで環境の変化に対応してきました。虫のほかにも、草や藻類、菌類なども、多様性に富んだたくさんのタネや胞子を残すことで、ヒトが行なってきた農的な暮らしに順応し、その周囲を生息域としてきたと思われます。

ところが現代は、環境変化のスピードが早すぎます。化石燃料の普及と同時に、薪炭林は使われなくなり、建材用の針葉樹林に変わってしまいました。急激に進歩する農薬には、年に6回も世代交代を行なうモンシロチョウでさえ追従できずにいます。

虫草農法には、その変化のスピードを緩める、あるいは生き物にエスケープゾーン(逃げ場)を提供することで彼らの存続を手助けしたい、という思いがあります。

カブトムシたちのために堆肥を積み、狩りバチにすみかを提供し、モンシロチョウやキアゲハにもいくらかは居場所を残す。虫や草たちと密接な関係を築きながら、分かち合ような形でキャベツやニンジンをつくる。生態系のシステムのなかで野菜をつくる虫草農法は、ひとり勝ちはできないけれど、虫や草とも情報交換ができて、なにより楽しい農法であるように思います。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
5知性
4感性
アクティビティ
食べる
環境
田畑
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
1時間~3時間
対象年齢
小学校中学年以上
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