2025.04.214715 views

伸びすぎたタケノコを発酵させてメンマをつくってみよう

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玉置標本

ライター
一年分のメンマを自分でつくってみよう!

春になると毎年おいしいタケノコが出回りますが、一般的によく食べられている孟宗竹(モウソウチク)のタケノコは、地中からほんの少し頭を出したくらいが収穫のタイミング。竹は成長が早い植物のため、すぐ食用に不向きなサイズとなってしまいますが、そんな育ちすぎたタケノコだからこその活用法があるのです。

それはラーメンのトッピングでお馴染みの『メンマ』にすること!

もともとの産地である中国や台湾では採算面の低さから生産が敬遠され、世界的に不足しているとも言われているメンマ。自作をしてみると敬遠したくなる気持ちもわかるくらいに手間と時間が掛かりますが、わざわざ作るに値するだけの味わいが楽しめますよ。

READY
準備するもの
  • 育ちすぎたタケノコ

    必要量

  • 必要量

  • 塩蔵用の容器

    必要量

  • 包丁・まな板・鍋

    一式

STEP 1

メンマになるタケノコを入手する

  • メンマに適した育ちすぎたタケノコ
  • 掘るのではなく、折って収穫する
  • 普通サイズのタケノコ(右)とメンマ用のタケノコ

本来のメンマに使用する竹は、中国南部や台湾で生育されている麻竹(マチク)という極太の竹。『麺に乗る麻竹』からメンマという名前になったとも言われています。

今回紹介するメンマの材料は、日本で入手のしやすい孟宗竹。真竹(マダケ)や淡竹(ハチク)でも可能ですが、この中では最も太くなる孟宗竹のタケノコが、市販品のメンマに一番近い仕上がりになります。

そんなメンマ作りに適したサイズのタケノコを手に入れるために、孟宗竹の竹林を所有している人を味方につけましょう。無許可での採取は、たとえ育ちすぎたタケノコでもNGです。

竹林は密になりすぎないようにタケノコを掘る作業が毎年不可欠。最近は人手不足・担い手不足で荒れ気味の竹林も多いので、喜んで迎え入れてくれる方が見つかる可能性も高いはず。

メンマ用に収穫するタケノコのサイズは、2mを超えない範囲であれば、どうにかなります。『掘る』のではなく『折る』だけなので、収穫作業はとても簡単です。
まだ小さいものは柔らかいメンマに、それなりに育ったものは歯ごたえのあるメンマに仕上がるので、手に入ったタケノコの個性を楽しみましょう。なんなら5mにまで育ったタケノコでも(こうなるとタケノコではなく若竹ですが)、先端だけなら使えます。

STEP 2

タケノコを下処理する

  • タケノコの皮を剥く
  • 鍋に入る大きさにカットする
  • 大きなタケノコは先端側と根本側に分けて使用
  • 根本側は硬い節をカットして使う

タケノコは収穫をしてから時間が経つとアクが強くなるので、できる限り早く下処理をするのがおいしく食べるコツ。ただしメンマにする場合は、加工をしていく中でアクは抜けるので、そこまでシビアに考えなくても大丈夫。

本来のメンマ作りは、1~2mに成長した麻竹のタケノコの皮をむき、蒸して、発酵させて、乾燥させて作るそうですが、ここで紹介するのは私が何度か挑戦して導き出した独自製法。これが絶対的な正解というものではないので、実際に作る際には自分でベストな方法を考えながら手を動かしてみてください。

まずはタケノコの先端部分を切り落として、皮を全部むきます。50cm程度までのタケノコであれば、鍋に入る大きさに切るだけです。それよりも大きなタケノコであれば、先端側と根本側に切り分けます。節が詰まっている先端側は、節ごと適当な大きさに切って、小さなタケノコと同じグループに入れます。

根本側は硬い節を切り落とすように筒切りにします。根元に近づけば近づくほど固くなるので、あまりに硬い部分は潔く諦めましょう。こうしてふたつに分けることで、柔らかい穂先メンマと、歯ごたえの強いメンマの2種類が楽しめるのです。

STEP 3

タケノコを茹でる

  • まだ小さいタケノコと大きなタケノコの先端
  • 大きなタケノコの根本側
  • 明らかに硬そうな皮は剥いておく

大きな鍋を用意して(これが一番大変かもしれませんが)、下処理をしたタケノコを水から煮ます。茹で時間はタケノコのサイズや硬さ次第ですが、沸騰してから1~2時間くらい。鍋から立ちこめるトウモロコシのような甘い香りを楽しみながら、気長に茹でてください。根本側はいくら茹でても皮が固い場合もあるので、その場合は皮を剥いてください。手で簡単に処理できます。

STEP 4

タケノコを塩漬けにする

  • 塩はケチらずにたっぷりと
  • 発酵によって全体が白くなります
  • 袋を開けて匂いや状態を確認します

茹でたタケノコの水気を切り(適当で大丈夫)、漬物樽や厚手のビニール袋に入れて、塩をたっぷりと振って密封します。本来のメンマ作りでは塩を入れずに乳酸発酵をさせるのですが、乳酸菌の分解する力が強すぎるのか、何度試しても溶けてしまいました。塩をたっぷりと効かせて、乳酸菌を抑制しつつゆっくりと発酵させるほうが確実です。

塩漬けする期間はどれくらいが正解なのかは正直良くわかりませんが、穂先側で一カ月、根本側で二か月くらいにしています。しばらくすると全体が白い菌に覆われますが、鼻を近づけてみて腐った匂いでなければ大丈夫のはず。うまく発酵が進んでいれば、沢庵を漬ける糠床や、野沢菜を漬けている樽のような匂いになります。

POINT

自家製の発酵食品づくりに絶対の安全はありません。大成功することも大失敗することもあります。そして成功と失敗の間には「発酵しているけど腐敗もしている」場合があります。少しでも異臭や嫌な味がしたら食べるのはやめ、また最初の味見では口にするのは少量にしておきましょう。

STEP 5

タケノコを干す

  • 小さく切っておくと乾きが早い
  • カラカラに乾いた穂先メンマ
  • あえて切らずに干すのもおもしろい

塩漬けに成功したら、水分を拭きとって適当な大きさに切って、干し網に入れて天日干しします。このときにある程度小さく切っておかないと、干すのにやたらと時間が掛かってしまいます。干しあがるのに掛かる日数は、タケノコのサイズと天気次第。

干す量が多い場合、干し網の収容能力には限界があるので、タケノコの柔らかい部分から干して、それが乾いたら次を干していく流れが合理的です。これで自家製乾燥メンマのできあがり。しっかりと乾いていれば常温保存も可能ですが、念のため冷蔵保存が安心でしょう。

STEP 6

メンマを調理する

  • 穂先メンマをたっぷりと乗せたラーメン
  • 二種類のメンマを乗せた沖縄そば
  • 自家製メンマなら、このように大胆な盛り付けも可能

ここからは調理の工程です。食べたい量の乾燥メンマを取り出して、たっぷりの水に一晩浸して戻します。それをさらに下茹でして、染み込んでいる塩分をしっかりと抜き、食べてみて塩気が抜けていれば、最後に好みの味付けをしていきます。

ごはんのおかずに、酒のつまみに、ラーメンのトッピングに、いろいろと使いまくりましょう。個人的にはしっかりと胡麻油で炒めてから、醤油や出汁を煮含ませたものが好みです。

STEP 7

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体験したら、写真をとって『やった!レポ』に投稿しましょう!苦労したことや工夫したこと、感想などあれば、ぜひコメントにも記載してください。

MATOME
まとめ

誰も欲しがらない育ちすぎたタケノコですが、こうして手間暇をかけてあげれば、立派な食材に生まれ変わります。ちょっと大変かもしれませんが、ぜひ極上の達成感とあわせて味わってください。優に一年間は食べ放題ですよ。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性4
4知性
4感性
アクティビティ
食べる
環境
山 ・ 森
季節
春 ・ 夏
所要時間
1日以上
対象年齢
小学生高学年以上
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