フリーの編集者。実用書をメインに活動。趣味は物作りと、生き物観察、釣りや登山などアウトドア。釣り好きが高じて、築地に通い魚食普及を推進するおさかなマイスターの資格を取得。HP:http://funfun-design.com/
海辺の生物は、どのように水の中で暮らしているのでしょうか?
海水の透明度が高いと陸からも魚影を確認できますが、基本的に海面は太陽の光によって反射し、陸からは魚の姿はあまり見えません。
しかし、もし水の中をデジタルカメラなどで撮影できれば、さまざまな生き物の姿を観察できるでしょう。私たちが普段食べている魚や貝、甲殻類や軟体動物は、潮の満ち引き、流れや透明度、めまぐるしく変化する海中でたくましく生きています。こうした生物のイキイキとした姿を観たり、自分で魚がいるポイントを現地で探すことは、自然界を理解するひとつの手立てとなるでしょう。
海辺の場合、「磯」や「堤防・桟橋」が生き物に出会えるオススメのスポットになります。防水のデジタルカメラを使って、海辺の生き物を観察してみましょう。
ここでは、カシオのデジタルカメラ(EX-FR110HとEX-FR100)を使用します。カメラとコントローラーを分離して利用できるので、カメラを水の中につけて、撮影を行うことができます。EX-FR110Hは高感度撮影もできるので、暗い岩場もきれいに撮影できます。
EX-FR100:http://casio.jp/dc/products/ex_fr100/
EX-FR110H:http://casio.jp/dc/products/ex_fr110h/
海に出かける前には、あらかじめ潮見表と天気を下調べしておくと、生き物に出会えるチャンスが増えるかもしれません。
潮見表とは、海面の水位の予測値をまとめたもので、満潮・干潮の時間帯を知ることができます。海の水は、月の引力により満潮と干潮を繰り返します。満潮には海面が一番高くなり、干潮には海面が一番低いくなり、約半日の周期で繰り返されます。
磯に出かける場合は、干潮の時間帯を狙うのがポイント!満潮から干潮になる際に、岩のくぼみに海水が取り残されて潮だまり(タイドプール)ができます。普段は海の下で見られない生き物などが、潮だまり取り残されていることがあるので、近くで観察できるチャンスです。
堤防や桟橋に出かける場合は、満潮の時間帯を狙うのがポイント!海面が高くなるので、堤防や桟橋から海の中を撮影しやすくなります。
また、海の天気は変わりやすいので、安全に楽しむためにも天気予報はしっかりと確認しましょう。
水の中を撮影するため、デジタルカメラを準備しましょう。
磯の観察では、EX-FR110Hのカメラとコントローラーを分離して、カメラを手持ちの自撮り棒(スマホ用)に取り付けています。これで、少し離れた手の届かない岩場も撮影しやすくなります。
堤防・桟橋の観察では、より深い海の中を撮影できるようにEX-FR110Hを専用の防水ハウジング(EAM-5)に入れてセットしています。
EAM-5:http://casio.jp/dc/products/ex_fr100/option/
EX-FR110Hで、カメラとコントローラーを分離して海の中を動画撮影する場合、水中にレンズが入ると電波が届かずモニターが表示されなくなります。ここでは、水につける前に録画ボタンを押しています。
お天気の穏やかな日に、干潮の時間帯を狙って磯に出かけ、潮だまりの周辺を探索してみましょう。岩の隙間や岩場の影を観察し、生き物がいそうな気配がしたら、手持ちの棒を伸ばしてカメラを水の中につけて撮影してみましょう。
岩や海藻を移動させてみると、隠れているカニやヤドカリといった、生き物が見つかるかもしれません。
※磯の岩場は滑りやすいので、十分気をつけてゆっくり動くようにしましょう。
※磯には危険な生き物も潜んでいます。むやみに触れないようにしましょう。
海面からの距離が近い堤防や桟橋があれば、満潮の時間帯を狙って、海の中を動画で撮影し観察してみましょう。
手持ちの棒を最大限に伸ばして、海のなかにカメラを潜らせて撮影します。水に潜らせている時間は、ついつい短くしがちですが、海中ではしばらく静止するなどして海の中のようすをじっくり録画してみましょう。
※海面からの距離が遠い堤防では、危険なので撮影しないようにしましょう。
※堤防・桟橋では海に落ちないように注意し、一人で遊びにいくことは避けましょう。
さらに月齢カレンダーなどで、満月や新月にあたる「大潮」の満潮だと水位が高くなるため、桟橋などでは観察しやすいでしょう。
カメラを引き上げて、録画した動画をモニターでチェックしてみましょう。
この動画に映っているのは、水深が浅いところに多く生息するハコフグ(0:00~0:27)とクロダイ(0:27~)。ハコフグは、胸ビレの動かし方で体を旋回するようすがかわいいのが特徴的。優雅に泳ぐ大きな魚はクロダイ。海底にある貝も噛み砕ける強靭な顎(歯)があり、底で餌を探していることが多いです。海水と淡水が混じり合う汽水域の川でも見かけることができます。ただし、クロダイは大きな物音がすると逃げてしまうため、カメラを入れる時はそっと物音を立てずに近づけるとよいでしょう。
帰宅後に、撮影した動画を大きな画面につないでチェックしてみると、思わぬ生物が写っているかもしれません。また、魚の泳ぐスピードや泳ぎ方を見比べて、魚の形に着目してみると、発見があるかもしれません。
海が近くにない人は、小川などでもよいでしょう。また都会の川でも面白い写真や映像が取れるかもしれません。もし生き物の写真が撮れたら、『やった!レポ』に投稿してみましょう!
防水のデジタルカメラを使うと、普段見ることのできない水の中の生き物を手軽に観察することができます。磯では、水の中の生き物の目線になり、すぐ間近で観察することができます。
堤防・桟橋のそばの海の中では、陸からは想像もできないような世界が広がっているかもしれません。
デジタルカメラを使った海の中の生き物の撮影は、海の生態系を知ることができる、楽しい観察方法のひとつです。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
※このHow toでは、カシオのデジタルカメラ(EX-FR110H)に、専用の防水ハウジング(EAM-5)をつけて撮影を行いました。
EX-FR100:http://casio.jp/dc/products/ex_fr100/
EX-FR110H:http://casio.jp/dc/products/ex_fr110h/
EAM-5:http://casio.jp/dc/products/ex_fr100/option/
やった!レポ