2011年の震災を機に、食の安心安全を伝えるために大規模貸し農園の運営を手がけ、2016年春に独立、フリーランスの農園コンサルタントとして活動している。そのかたわら発酵クリエイターとして味噌作りなどの食農イベントも多数開催。農業、狩猟、釣りなど、オールラウンドに自然を楽しむ。千葉県君津市に、未来農場CropFarmを設立。畑を通じて自然教育、食育を発信している。twitterアカウントは@Yuu_Miyahara
アウトドアや防災など、いざというときに役立つロープワーク、皆さんはいくつぐらい知っていますか?普段から使わないと、いざという時思い出せなくて困るものです。
そこで今回は、プランター菜園を例に、生活に寄りそったロープワークを紹介します。ロープワークと言ってもさまざま、締める、輪をかける、こぶを作る、繋ぐ、束ねるなど、それぞれ目的にあった最適な結びがあります。アウトドアや防災ではその選択が命に関わることもありますが、まずは身近なもので気軽に実践してみましょう。小さなことから始めれば失敗だって大丈夫!
プランター(幅30cm、深さ30cm程度のもの)
野菜の培養土
夏野菜の苗(ナス、トマト、ピーマン、唐辛子など)
支柱(自然のもので代用OK)
麻ひも
じょうろ
「巻き結び」は、対象となる芯にロープを縛るのに使います。結びやすく、解きやすいのが特徴で、特に対象となる芯の先端が解放されている場合は、より素早く結ぶことができます。また結び目にこぶができず、ロープの両端がほぼ対象に伸びるので、ロープの途中で結びを入れる場合にも活躍します。
今回はミニトマトの苗が倒れないよう支える支柱に結びました。巻き結びは基本的にはロープにテンションが掛かった状態で使うものですが、固定位置がずれにくくかつ解きやすいので、野菜の成長に合わせて位置を調整するのに便利ですよ。
長いロープを束ねたり、支柱など棒状のものをまとめて縛るのにも、巻き結びは便利です。
「本結び」は、ロープ同士を繋げるための結びです。結束の強度はそれほどないものの、ほどくのがとても簡単です。一本のロープを輪にする時によく用いられます。古くは風呂敷で物を包んだ最後の結びとして用いられていました。
今回は、巻き結びにした先の紐を2回ほどねじり、茎を挟んで本結びをしています。締め付けずに空間を作り、ねじった部分がクッションになることで、苗が風などで擦れて傷むのを防ぎます。茎が太くなったり不要になった時に簡単に解けるのもいいですね!
本結びは、同じ側の芯とロープの先端を持って引っ張ると簡単に解けます。
ロープを通す順序を間違えると強度がない結びになるので注意!
「ふた結び」は、巻き結び同様、対象となる芯にロープを縛るのに使います。何かに紐を結ぶのに迷ったらこれです!簡単で、締め付ける力も強いですが、張力が抜けると固定位置がやや不安定になります。
今回は三脚にした支柱の上に、ナスの苗を吊るす紐を結ぶのに使いました。
ふた結びの結び部分の構造は、巻き結びと同じです。先に結びを作ってから掛けることもできます。
「ロープワーク」と聞くとついつい身構えてしまいそうですが、今回は家庭で簡単に試せる方法を紹介しました。どんな時にどんな結び方をするのかを覚えるだけで、ロープワークがぐっと身近になったのではないでしょうか。
今回の結び方は、今までの経験で私が覚えた「今のベスト」であって、皆さんが体験することでよりベターな方法が出てくるかもしれません。思いついたら是非『やった!レポ』に投稿してシェアしてくださいね!
自然遊びの感動は、自分で体験することで心の内から湧き出てきます。自然が相手なのでやり直しがきかなかったり、時間がかかったりするかもしれませんが、じっくり向き合って失敗も時間も楽しみましょう!