東京都豊島区生まれ。1994年より東京環境工科専門学校の前身である東洋工学専門学校において、フィールドインストラクター・専任講師として自然環境保護保全系人材養成にかかわる。2003年より国際自然大学校へ。子供から大人までを対象としたアドベンチャー教育や環境教育、アウトドアクッキングなどのプログラムをプロデュース。企業や青少年教育団体向けに、自然体験活動の安全管理についての講演活動などをしている。NPO法人東京都キャンプ協会理事、NPO法人川に学ぶ体験活動推進協議会理事。「自然体験は特別な自然でなく、身近な自然の変化に気づくきっかけ作り。自然を知ることは、日本人としての伝統や文化を理解する基礎となる」。
樹液採集やトラップ採集より、はるかに簡単なのは外灯での昆虫採集です。道具の用意や準備は最小限で出かけられます。広葉樹の山間を走っている道沿いの明るい外灯の下に転がっていることが多く、標高がそれほど高くない山中の道路は特にねらい目です。外灯だけでなく、付近の自動販売機やコンビニ、施設にある水銀灯、橋やダムの外灯もねらい目です。黄色い光にはあまり飛んでこないので、白や青の光を探しましょう。LEDの街灯は集まりにくいので避けたほうが良いでしょう。やみくもに歩き回ってもなかなか成果は出ないので、昼間のうちに車などで探索することをおすすめします。街灯を探すだけでなく、まわりの木々を観察してカブトムシやクワガタムシが好む木を見つけましょう。*注意:虫刺されや怪我の予防を考えて、適した服装、準備(虫よけ、帽子、タオル、長袖長ズボン、手袋、運動靴など)をして出かけましょう。また、水分をよく摂取し体調管理には気を付けて活動しましょう。
場所にもよりますが、時期的には6月後半から8月前半が採集に適しています。8月後半から9月になるとカブトムシは減り、クワガタムシの比率が多くなります。
時間帯は日が暮れて1時間程度経過した、20時から24時くらいまでが最適。深夜は飛来数が減る傾向にあり、夜明け前の午前4時位になると再度飛来する確率が上がります。
もう一つの大切な要素は気温です。25度程度の気温と、べたつく程の湿度が理想的。べたべたして寝苦しいくらいの夜が灯火採集には適しています。20℃を下回る気温や強風の日は飛来数が減ります。
月齢も重要です。満月とその前後は飛来数が減ります。新月の前後2、3日か曇りの日もよいでしょう。若干の雨なら飛んでくることもありますが、本降りの雨の日はカブトムシもクワガタムシも人間もお休みです。
自動販売機やコンビニエンスストアの街灯、緑に囲まれた工場や倉庫の街灯などにもたくさん飛来することがあります。敷地内に無断で入ってはいけません、必ずマナーを守りましょう。懐中電灯の光や騒音には十分気をつけ、近所迷惑にならないようマナーを守って活動しましょう。
紫外線を発する蛍光灯式のブラックライトや明りの強い水銀灯などを、森の中に自分で設置することもできます。電源確保は難しいですが、発電機持参でトラップを仕掛けるマニアの人などもいます。
光に集まる昆虫を観察していると、光点を軸にクルクルと回転しながら飛んでいるのが分かります。夜は休んでいるはずのセミなどが飛んできてしまうこともあります。長い時間眺めていると、時間帯で少しずつ、虫の種類が変化していくのも分かるはずです。虫も何かの法則で時間を感じながら、生きていることがわかります。観察を通して、よく考える力が身につくことでしょう。また、昆虫採集は、昆虫や野生動物の生活、自然と命のつながり、尊さを知る貴重なきっかけになるでしょう。ただ、採集した昆虫をお家で飼育するには、生き物を飼う責任感が必要です。持ち帰る前によく考えましょう。*注意:車で外灯採集に出かける場合、歩行者、対向車、後続車には十分気をつけましょう。林道などを歩いている時もまわりの交通には十分注意しましょう。子どもは夢中になると周りの状況が目に入らなくなってしまいます。交通量が多い道路での採集は危険を伴うので絶対にやめましょう。暗さで転ばないように、道路周辺の側溝やガードレールなどにも十分注意しましょう。