2018.03.208309 views

大地の絵の具で絵を描こう

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つくらし

未来とくらしをつくる、ちいさな学びの場
大地の色の豊かさに触れ、その不思議を発見しよう

赤、オレンジ、黄、グレー、茶、白、紫、ピンク、ベージュ、緑、‥‥。これ、何の色だと思いますか? 実は、私たちの足もとにある土の色。「えー、そんな色の土、見たことない!」と思うかもしれないけれど、よく見てみると、あなたの身近なところにもさまざまな色の土があるはず。小さなシャベルとビニール袋を持って、どんな色の土があるか見つけにいってみませんか?

そして、いくつかの色の土が集まったら、土絵の具をつくり、自由に絵を描いてみましょう。今までは、ただ「茶色」と一括りに見えていた土も、絵の具にして並べてみたら、色の違いに驚くはずです。さらに、土の色を手がかりに、さまざまな発見も得られるはず! さあ、挑戦してみましょう。

READY
準備するもの
  • ビニール袋

    5~10枚位

  • 小さなシャベル(スプーンでも可)

  • 乳鉢(ボールとすりこぎでも可)

  • 茶こし(大きめのもの)

  • 絵皿(耐水で内側が白色)

  • デンプン糊(木工用ボンドでも可)

  • 画用紙

  • 古新聞

    5~10枚位

  • バケツ

  • 雑巾

  • ロープ

  • 洗濯バサミ

STEP 1

どんなところで見つかるの?

さまざまな色の土は、山奥や秘境などの特別な場所でなく、あなたのすぐ足もとにもあります。まずは、身近なところで見つけてみてください。そして、その後に、少し違った場所(雑木林や公園、畑や田んぼ、川や海の近くなど)に見つけにいってみましょう。地形や自然環境が違うと、土の色も違います。

また、同じ場所の土でも、深さによって色が違います。一番見つかりやすいのは、土手や斜面などの地層が見えているところ。地層をよく見てみると、同じ断面でも色の違う土が見つかるはず。自分たちが住んでいる地域だけでなく、夏休みなどの旅行先で見つけにいってもいいですね。見つけた土を地図に貼っていくと、地域による土の色の違いがわかったりします。

土探しは、こどもたちにとっては普段の遊びの延長ですが、大人にとっては土を探しているうちに、これまでの経験や知識と結びつき、土の色だけでなく、土地の記憶や暮らしなど、新たな発見につながっていきます。昔からその土地に住んでいる人と一緒にいくと、土と地域との関係がよくわかります。たとえば、その土を使ってつくっていたもの、育てていたもの、その地域の植物や生きものたちなど、思いがけないモノやコトと土が関係していたりするから、きっとビックリするはずです。

STEP 2

土を集めよう

さあ、土を集めに出かけます!寒すぎたり暑すぎたりしなければ、季節はいつでもOKです。ただし、雨の日は土が乾かないので、事前に天気予報はチェックしましょう。

土がある場所に出たら、最初に自分の足もとの土を一握りとって、ビニール袋に入れ、その色をじっくり観察します。どんな色をしていますか? 次に、そのまわりにある土の色も観察しましょう。そのまま、土の色を見ながら少し歩いてみて、違う色の土を見つけたら、別のビニール袋に入れます。違う色の土は、どんなところにあるでしょう? 木の下、斜面、畑、雑木林など。土を少し掘ってみてもいいかもしれません。

絵の具に必要な土は、1色あたり一握りほど。土を集めるときは、環境を壊さないように必要最低限の量にしましょう。

STEP 3

土を乾かそう

集めた土は、古新聞の上に広げて乾かします。直射日光がよく当たる場所に、土をなるべく薄く広げると乾きやすくなります。新聞は風で飛びやすいので、四隅に石などを置いておくと良いでしょう。天気にもよりますが、大体1時間くらい乾かします。

どの土が、誰のものか、わからなくならないように、土を乾かしている間に、マジックで新聞紙に名前を書いておきましょう。そのときに、見つけた場所も書いておくといいですね。

STEP 4

土を細かく砕こう

土が乾いたら、1色ずつ乳鉢に入れて土を砕いていきます。乳鉢がなかったら、ボールとすりこぎでも良いです。土が細かくなったら、茶こしで土をふるってゴミや木片などを取り除き、粒の大きさを揃えます。

茶こしでふるった土は、絵皿(内側が白く耐水性のもの)に入れると色が鮮やかに見えて、それぞれの土の色の違いがよくわかります。みんなが見つけた土を並べて比べてみましょう。色だけじゃなくて、触り心地も確認します。サラサラ、ふわふわ、ざらざらなど、見ただけじゃわからない感触の違いに気づくはず。

STEP 5

土絵の具をつくって絵を描こう

市販の絵の具は、何でつくられているか知っていますか? 絵の具の種類によって材料は違いますが、基本的には、色の素(顔料)と、紙に色を固定するためのもの(接着剤)と、その2つを混ぜるもの(溶剤)でできています。土絵の具も同じで、色の素となる土(顔料)に、糊(接着剤)と水(溶剤)を混ぜてつくります。ここでは、接着剤に「デンプン糊(木工用ボンドでも可)」を使います。デンプン糊は、主に植物などのデンプンからつくられているので、こどもたちでも使いやすく、手に入りやすいです。

絵の具をつくる際、砕いた土の入った絵皿に、デンプン糊と水を混ぜていきます。水の量によって描き心地が変わるので、少しずつ様子を見ながら、好みの固さになるまで混ぜていくと良いでしょう。絵の具ができたら、画用紙に絵を描いていきます。

土絵の具は、普通の絵の具よりも色の粒が大きいので、筆ではなく素手(指や掌全体)で描くのがおすすめ。上手く描こうと思うより、土絵の具の感触を楽しみながら、大地の色の豊かさを感じましょう。

POINT

土と糊と水を混ぜるといっても、描き方はいろいろ。紙に水で薄めた糊を垂らして、そこにパラパラと土絵の具をふりかけるという手法もあります。自由に画法を試してみましょう。

STEP 6

展覧会をしよう

描いた絵は、洗濯バサミで挟んでロープに吊していきます。吊るすことで、絵が乾きやすくなるだけでなく、屋外だととっても気持ちがいい青空ギャラリーに早変わり! 通りがかった人たちも見ていってくれるかもしれません。みんなが描いた絵を見ながら、気づいたことを発表して、次に土を集めにいく場所を決めてもいいですね。教えてください。

STEP 7

写真を撮って『やった!レポ』に投稿しよう

集めた土や、土絵の具、または土絵の具で描いた絵などを、写真に撮って「やった!レポ」にシェアしましょう。土を見つけたときのことや、描きながら気づいたことなどあれば、コメントなどに書いてください。

そうそう、土にはいろいろな色があると言いましたが、実はなかなか見つからない色もあります。その色は、みんながよく知っている色。さて、何色でしょう? いろんな場所に土を見つけにいって、それでも見つからない色があったら、きっとその色。何色かわかったら、ぜひ教えてください。

MATOME
まとめ

あなたの家や学校のまわりには、どんな色の土がありましたか? 土の色が違うと、育ちやすい植物が違ったり(沖縄では、北部にある鮮やかな赤土は果物が育ちやすく、南部に多いベージュの土は野菜がよく育ちます)、つくれるものが違ったり(陶磁器や瓦や土壁など)、その土ができた年代や気候が違うことがわかったりします。

また、同じような色の土しかないと思っていても、実はすぐそばにまったく違う色の土があることも多いのです。色の違う土がすぐ近くにあるのは、植生や気候の変化、地殻変動や火山の噴火など、その場所や地球の記憶が土の色に刻まれているから。土の色を手がかりに、歴史をたどっていくこともできるかもしれません。

見つけた土は、絵の具だけじゃなく、土クレヨンをつくったり、土で布を染めたり、土のコレクションボックスをつくったり、土の地図にまとめるなど、楽しみ方はたくさんあります。自分なりの楽しみ方を見つけましょう。私たちのホームページでも紹介しているので、いろいろ試してみてください!

2002年から私たちが各地でおこなっている「土で絵を描くプロジェクト」
http://www.digitalium.co.jp/clay/

※私有地や公共の場所で土を採取する場合、持ち主などに許可をもらってください。
※土探しは、ケガや事故に十分注意し、こどもたちだけでなく、大人も一緒にいきましょう。
※暑い時期は、帽子と水分補給を忘れずに、熱射病に注意しましょう。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
4知性
5感性
アクティビティ
つくる
環境
山 ・ 川 ・ 森 ・ 街 ・ 田畑 ・ 公園
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
半日
対象年齢
4才以上(保護者同伴)
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