1971年地球の日(4/22)に生まれる。1996-2004年カナダやアメリカを何度も訪れ、雪山登山、ロッククライミング、野外教育法、ネイティブアメリカン古来の教え、大地と共に生きるサバイバル技術等を学ぶ。
2001年よりWILD AND NATIVE
(http://wildandnative.com/) 主催、2013年一般社団法人危機管理リーダー教育協会(http://cmle.jp/) 設立。ネイティブアメリカンの大地と共に生きるサバイバル術、アウェアネス等を、一般の方から自衛官警察官まで共有。
最新著書「キャンプでやってみる子供サバイバル」(http://amzn.to/2svhoiD)
夏はアウトドアが楽しいシーズン!でも、暑さに負けて、クーラーの効いた部屋にこもりっきり…という方も多いのではないでしょうか?
炎天の下、逃げ場のない「現代人以外の生き物」たちはというと、本能的に暑さから逃れ、巧に「涼ハンティング」をしています。「涼ハンティング」とは、文字通り、涼しい場所を探す行為。人工的なものではなく、自然が作り出してくれる「涼しい場所」を探し求め、その場所を楽しむことです。
今回は、そんな生き物たちに習い、身近な環境で「涼ハンティング」を楽しむ方法を紹介します。思いもしなかった場所に「オアシス」が見つかるかもしれません。個人的には、本当に暑い日こそ、楽しめると思います(今回の写真は全てイメージです)。
「都会のど真ん中だから!」なんて諦めず、まずは身近な環境に目をやり「オアシス」を探してみましょう。ここでは、オアシスを見つける3つのヒントを紹介します。
まずはじめに、木陰であること。
木陰は、直射日光を遮ってくれるだけでなく、木の揺れや葉の擦れる音が、更なる「涼」を誘います。「涼しさ」は、肌感覚意外の、視覚や聴覚でも感じるものなのだと思い出させてくれます。
次に、アスファルトやコンクリートの照り返しのない土の上であること。
しかも、野草がきちんと生えているような緑地を探しましょう。同じ土でも、グランドのように固められた土では、熱が照り返す感じがします。野草の生えている地面で、木陰であれば、裸足になるとひんやりとさえ感じるはずです。
そして、風通しのよい場所であること。
夏は主に、南よりの風が吹きます。そのため、南側がオープンになっている場所がおすすめです。また、壁際や窪地的な場所よりも、少しでも開けた場所や、丘の上などは最高です。
これらのヒントを参考に、良い場所を見つけたら、ゆっくり腰を下ろし体で温度を感じてみてください。きっと、「あれ?外って意外と涼しいんだな!」なんて思うことでしょう。また、風通しがよい場所であれば、蚊も飛ばされてしまうので、あんまり刺されないことにも気がつくはずです。
原始的な暑さ対策とは、「汗をかく」こと。
残念ながら、現代生活では、仕事をしたりする上で「汗をかくことはNG」という状況が多いです。そのためか、汗をかく事が「不快」だとか、「臭う」だとか、ネガティブな印象になってしまったのかもしれません。
「涼ハンティング」では、汗をかく事に「感謝」をして、思いっきり汗を開放してあげましょう。「涼しい場所」に辿りつくまでには、汗をかいているでしょうから、しばらくじっとしてみます。
そして、「汗をかいたから涼しくなる!」と、しっかり言い聞かせて、自分の「涼しいセンサー」を敏感にする事が大切です。汗により次第に体温が下がり、心地いい風でひんやりとし、「汗をかく=気持ちいい」ということに改めて気がつき、爽快感を味わえるはずです。
木陰のある場所に、タープやシートなどを張って、もう一層日除けを作ります。砂漠などで使われるテクニックですが、シートの屋根を二枚張ると、それだけで温度が10度くらい下がると言われています。
厳密には、その二枚の屋根シートの間隔が5センチ~7センチでなければいけないと言われていますが、実際の木陰には木漏れ日もあり、それを遮断するという意味で、体感温度的にもかなり有効的なオプションです。実際に写真の日も、かなり暑い日でしたが、涼しく過ごすことができました。
野草の見分け方を知ってる方は、ヨモギ、カキドオシ、セイタカアワダチソウなどを付近で探して、お茶にして飲んでみましょう。もしくは、ミントやカモミールなど、市販のハーブティーを持参してもいいでしょう。
コツは、ホットで飲むこと。上記のハーブには「精油」が含まれています。大まかな働きとして、精油成分の入ったお茶をホットで飲むと「汗作用」、冷たくして飲めば「利尿作用」が強く働きやすいといわれています。
ホットで飲むと、一時的に身体は温まりますが、それはあくまでも自分の身体の熱。それを、そのまま身体に閉じ込めてあげれば「保温」に繋がり、放出してあげれば「冷やす」事に繋がります。「涼ハンティング」の締めとして、温かいハーブティーで乾杯なんて、なかなか粋ではないですか?
「涼ハンティング」で、快適なオアシスを見つけて楽しむことができたら、ぜひ「やった!レポ」に投稿して、みんなにもシェアしましょう。気づいたことや感想があれば、コメントに記入してください。
いかがでしたか?快適なオアシスが見つかったという方は、立派な涼ハンターです!きっと、これまで以上に、夏の捉え方や楽しみ方が広がったはずです。
四季のある日本で、暑い夏を味わえるのもわずかな期間だけ。それであれば、自然に向き合い、夏らしく楽しんでみるのも良いのではないでしょうか?この体験を通して、季節や身近な自然に気付き、それらを深く感じるきっかけにして頂けたら嬉しいです。
季節の自然をありのままに感じ・楽しむ体験として、こちらの記事もおすすめです。
ネイティヴアメリカンに学ぶ!「寒さが好きになる発想転換法」
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/150
※野草の見分け違いによる事故にはくれぐれもご注意下さい。
※野草を取る際は、必ず知識のある方と一緒に行ってください。
※管理された施設では、植物などの採取を禁止しているところもあります。必ず、利用する施設のルールに従って、行うようにしましょう。
※火器を扱う場合は、必ずその場所が使用できる環境か確認して行うようにしましょう。