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2020.02.133754 views

これが天然山行だ!便利を捨て、地下足袋で山を歩こう

7

米山 悟

カメラマン/冒険登山愛好家
道具やしくみから自由になり、一生モノの技を身につける

最近の登山用品は美しく、機能も充実した道具が多いですね。それらはとても便利なのですが、ひとつだけ致命的な欠陥があります。それは、「便利なものを使い始めると、それまで当たり前にできていたことができなくなってしまう」ということ。

私の山登りの流儀は、なるべく人が作ってくれた便利な道具やしくみ(登山道や山小屋も含めて)からFREE(自由 / 助けなし)になり、天然の山を天然の方法で登ることを求めます。そういう方法が、奥が深くておもしろかったので、結果的に山登りに飽きず長続きした理由かもしれません。こうした山登りを「天然山行」と呼んでいます。

そして、その「FREE 四本柱」となるのがこの4つ。
1、テントフリー(イグルー)
2、ストーブフリー(焚き火)
3、登山靴フリー(地下足袋)
4、GPSフリー(地図とコンパス)

便利な道具の助けなしに、簡単な道具だけで自然の中で活動することは、本来人が持っていた生きる術がよみがえり、一生モノの自信になります。

このHow toでは、FREE 四本柱のなかでも「3、登山靴フリー(地下足袋)」の楽しみ方を紹介します。歩くって基本だけど、ほんとにちゃんと歩けますか?硬く丈夫な「殻」に守られた登山靴ではなく、より素足に近い地下足袋で、天然山行を味わってみませんか?

その他のFREE 四本柱に関連するHow toは、下記でも紹介しています。

1、テントフリー(イグルー)
イヌイットのように雪でイグルーを作ろう
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/180

2、ストーブフリー(焚き火)
ナイフ1本で火起こし! きりもみ式発火に挑戦
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/57

4、GPSフリー(地図とコンパス)
地図を読む、そしてその先へ
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/195

READY
準備するもの
  • 地下足袋

  • テーピングテープ(怪我や故障を応急で手当します)

  • 山に必要な服装・装備(雨具と非常用防寒具)

  • 地形図+コンパス

  • 水筒

  • おにぎり

  • おやつ

STEP 1

素足に近い、地下足袋を手に入れる

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    快速5枚 + 足首メッシュ脚絆併用
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    左:フェルト底 / 右:スパイク地下足袋
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    地下足袋 実用3枚
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    地下足袋 快速5枚

皆さんは、地下足袋を履いたことがありますか?
私は、雪のない季節なら、山登りをするときにいつも地下足袋を履いています。靴下のように足にぴったりフィットして、軽くて動きやすく、激しく動いても脱げることはありません。それになんといっても格好いい。

登山靴を買おうとすると数万円するものが当たり前ですが、地下足袋は、千円台から購入することができるのでお手頃な上、軽くてペッチャンコに折りたたんで持ち運びもできるので、ひとつくらい履き替えを持っても邪魔になりません。

そのため、私は用途別に何足も持っています。例えば、沢登り用のフェルト底の地下足袋、手強い藪漕ぎの山で使うスパイク地下足袋、冬季など入山するまでの町用兼天場リラックス用など。一度この履き心地に慣れてしまうと、重くて硬い登山靴に戻ることはできません(私の場合)。

まずはじめに、自分の足の大きさにあった地下足袋を手に入れましょう。大きく分けて「縫い付け足袋」と「貼り付け足袋」がありますが、山ではゴムコーティングが側面まである、耐久性のある後者がおすすめです。はじめの1足としては、ワークマンなどでも購入できる丸五の「実用3枚」や「快速5枚」などが良いでしょう。

実用3枚 https://marugo-online.jp/shop/g/gJITSUYO3-BK-220/
快速5枚 https://marugo-online.jp/shop/g/gKAISOKU5-BK-225/

(何)枚というのは、ボタン代わりのコハゼの数です。10枚、12枚と、スネの半分までつながっている丈の長いものもありますが、私は、コハゼ少なめで丈の低いものと、足首を巻くメッシュの脚絆との併用をおすすめします。蒸れにくく、洗いやすいし、かさばらないので!

登山靴より底が薄いですが、足裏からは地面の感触をしっかり感じ取ることができるし、思っている以上に丈夫です。地下足袋のサイズは、自分の脚よりも0.5センチ大きなサイズを購入することをおすすめします。これは、下山する際など、足がむくんで指が伸びることもあり、地下足袋の先に爪先が当たって痛くなることがあるので、あらかじめ少し大きめのサイズを選び、爪先に余裕を設けておくためです。

POINT

少し大きめの地下足袋を履いていたとしても、爪先の指が下りの時痛くなることもあります。そんな時は、痛くなりはじめに、指をテーピングテープで巻いて保護すると良いでしょう。

STEP 2

地下足袋を持って、登山に出かける

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    地下足袋に履き替えて登山開始

いよいよ登山に出かけます。地下足袋に慣れるまでのはじめのうちは、行動時間の短い、半日で帰れるコースで様子を見るのがいいですね。

また、登山口までの舗装道路を長く(30分以上)歩く場合は、ジョギングシューズやスニーカーなど通常の靴を履いたほうが良いです。底の薄い地下足袋は、山道や土の上を歩くには気持ちが良いのですが、硬く平らに舗装されたアスファルトの上を歩くと、すぐに足裏が痛くなってしまいます。「天然の地面」に到着したら、靴を地下足袋に履き替えて、いよいよ登山開始です。

STEP 3

ゆっくり進み、歩き方を磨く

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    足の置き場に注意しながら歩く

地下足袋での登山では、はじめは足元をよく見て、足の置き場に注意しながら、一歩一歩ゆっくり進みます。不用意なところに足を置けば、薄い足底ですから多少は痛い目に遭います。指先をぶつければアザになります。ガレ場などで足の甲にちょっと石が落ちただけでも飛び上がるほど痛いです……。裸足と大して変わらないのですから当然です。

硬く丈夫な「殻」に守られた登山靴に対し、地下足袋は少し修練を要します。歩き方を磨けというのです。たかが歩行ですが、舗装してない山道での歩行は、一歩一歩に素早い観察と判断が必要です。

でも、地下足袋で歩くことに慣れれば、それが簡単にできるようになります。歩きぶりも筋肉の付き方も違ってきます。道具に頼るのではなく、人が誰でも持っている体術が洗練され、技として身についていくのだと思います。

つい百年前まで、日本人はわらじで山道を歩いていました。わらじは草履とはちがって、指が全部、ソールの外側に出ていて、ぶつけて痛くないのかと思いますね。でもあれは、例えればネコのヒゲのようなセンサーの役割だったようです。同じ人間、慣れれば素足は、そこまで良い動きをすると思うのです。靴を履くということは、あの優秀なセンサーを覆ってしまっていると考えることができます。

むしろ、ダラダラ歩いてもとりあえず足裏やつま先が痛くないような「油断靴」で歩いているから、思わぬところで転んで怪我をするとも言えるのではないでしょうか。

山歩きというのは、場合によっては死ぬかもしれない危機が頻繁に訪れます。ちょっとぐらいの便利さに目がくらんで身体能力を怠けさせる事こそ危ないと、私は思います。

MATOME
まとめ

地下足袋を履いて天然山行、いかがでしたか?
私が、裸足に近い感覚で登れる地下足袋が好きなのは、より天然世界に調和したい、できれば動物みたいに山で自由になりたい、せめて100年前の昔の人みたいに登って、山に対する畏怖を感じたいと思うからです。

山に登る楽しみは、人と天然世界との間にできてしまった殻を一つ一つ取り払う喜びを知ることではないかと考えます。地下足袋は、まさに天然世界を足裏の感覚で捉えられるものです。

皆さんも、地下足袋を履いて自然の中へ出かけ、道具やしくみから自由になり、本来人が持っていた生きる技を身につけましょう。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性5
3知性
4感性
アクティビティ
感じる
環境
山 ・ 川 ・ 森 ・ 田畑 ・ 海
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
4時間~6時間
対象年齢
小学校低学年以上
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  • おとしふみこ
    2020.02.26 00:01

    なるほど〜。
    先割れ靴下ですね。
    ありがとうございました。

  • iglooist
    2020.02.18 13:50

    地下足袋を裸足で履いて二週間ほど山で過ごしたことありますが、汗かいたりして、数日で中がトロトロになってきました。普通は先割れ靴下を履くのがおすすめです。いろいろやってみるのが良いです。

  • スガハラです。
    2020.02.13 19:32

    地下足袋いいですよねぇ、ゴロゴロした岩場とか、裸足感覚で且つグリップも効くし、ビョウの着いたやつは粘土質の斜面とかある山で安定した足元が期待できますね。脚絆もセットで!(今度買いに行こう!)

  • おとしふみこ
    2020.02.13 11:19

    地下足袋、意味もなく、ちょっと憧れていました。

    疑問が生じたのですが、
    「地下足袋は素足に履くのか?」
    ということです。

    足袋ックスや五本指などの靴下(靴の下だから違うか?)は履かないのか……。

    足袋だから素足に履くの当たり前だろ〜、
    ということでしたら、愚問でした。

    どーも靴感覚な発想ですみません!

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