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2020.07.30688 views

「距離のものさし」を育てよう

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佐々木拓史

アウトドアトラベラー
身近な場所を探検しながら、距離の感覚を広げよう

たとえば、A地点からB地点までの5kmという距離の長さを、子どもに説明する場合、どうやって伝えますか?

家から学校までのX倍や、最寄り駅までのX倍という表現がすぐに思いつきますよね。ランニングなど距離と密接に関係するスポーツをやっている人ならばともかく、大人でも距離をイメージするには自分が実際に馴染みがあったり、経験した距離を思い浮かべると思います。何度も歩いた小学校への距離感覚って心のなかに染み込んでいませんか?
持論ですが、人は経験値からしか距離を思い浮かべられないと思うのです。

そんな体に染み込んだ「距離のものさし」のようなものを、子どもの頃から少しずつ広げてあげることができたら、やりたいこと、行きたい場所がどんどん広がり、想像力を自由に膨らませられる感覚が養えるのではないでしょうか?

私は、現在神奈川県の葉山町に住んでいるのですが、小学生の息子やその友人たちと一緒に、よく近所の野山を探検します。坂の向こうや曲がり角の先に何が広がっているのかを確かめたい、という探究心がその根底にあるのですが、同時に子どもにとっての「距離のものさし」をどうやったら広げていけるのかを、日々試行錯誤しているところです。

このHOW TOでは、そんな子どもの「距離のものさし」を、親子で一緒に育てる方法を紹介します。身近な環境で、子どもや友人ファミリーと試してみませんか?

READY
準備するもの
  • 紙の地図

  • スマートフォン

  • 距離の計測できるGPSアプリ(Nike Plusなど)

  • 地形図が表示できるアプリ(ジオグラフィカなど)

  • 想像力

  • 好奇心

  • 探究心

STEP 1

近所の地図を用意する

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    図書館にある国土地理院の地図
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    地図で見たいエリアを確認
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    目的のエリアの地図を探す
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    昭文社の都市地図

はじめに、近所のできるだけ詳しい地図を用意します。距離を想像するときは、より身近なところを思い浮かべるものなので、自宅から歩ける範囲、更に広げていくには隣町くらいまでを範囲としましょう。地図を広げたら、もう探検家の気分です。

準備する地図は、スマートフォンなどでGoogle マップを表示しても良いですが、紙の地図が適しています。探検家の気分になれるという気持ちの部分もありますが、現実面で一度に見られる範囲が広いのと、距離が均一なので計画を立てやすいというメリットがります。国土地理院の地形図や、昭文社の都市地図などがいいでしょう。

実際に地図を穴のあくまで見つめてみると、そのたびに新しい発見がたくさんあることでしょう。

POINT

地元の本屋さんに行けば、近所の地図が必ず売られています。もっとも簡単なのは、1,000円くらいで売られている市町村別の地図です。Google マップになれすぎてしまった私達にはこの地図が新鮮。

都市地図よりもおすすめなのが、国土地理院が発行している1/25000 の地形図です。取り寄せてもいいですが、地元の図書館に行けばコピーすることができるでしょう。インターネットでも閲覧することができますが、やはり紙のものには叶いません。
https://maps.gsi.go.jp/

STEP 2

ルートを考える

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    ルートを考える
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    地図記号

地図が用意できたらルートを考えましょう。最初は短く簡単に、徐々に難易度や距離を伸ばしていきましょう。後々心に残るように、楽しく印象深いコースとすることが大切です。

ルートを考えるときに大事なのは、好奇心と探究心。普段なら行きそうもない小道や、気になる地形を見つけること。一緒に行く相手の興味関心事は何でしょうか。昆虫が好きなのか、植物が好きなのか、建物が好きなのか、海や山の自然が好きなのか、ルートは何パターンでも作れると思います。

スタートとゴールを象徴的なものにしたり、一つのコースに名前が付けられるようなテーマを持たせられると、あとで思い出して、ふりかえりやすくなります。

葉山に住んでいる私のコースで例えると、逗子海岸から森戸海岸まで海岸線をずっと歩いてみたり、前田川の源流を探検してみたり、鷹取山から銭湯を目指してみたりしています。最後がご褒美的な銭湯となるコースは特に人気で、また行きたいねと、子どもからもリピートのリクエストが何回かありました。

POINT

地図を眺める際は、必然的に地図記号に目が行くと思います。その昔、社会の時間に習いましたよね。記号をキーポイントにいろいろ探してみるのも楽しいと思います。川や丘、公園など、住宅ではない場所が探検スポットになりやすいです。気になるところがあったら、該当地図の箇所をGoogle マップを開いて航空写真モードで拡大してみましょう。Google マップでも何かわからない所があれば、いつかの探検ルートに入れてみましょう。

STEP 3

探検にでかける

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さあ、ルートが決まったら実際に歩いてみましょう。仲の良いお友達やご近所さんを誘うのが、これからも継続できるかの分かれ道。

とにかく楽しみながら臨機応変に、場合によってはルートを変更したりもしながら目的地を目指します。寄り道も、途中で遊ぶのも歓迎しましょう。子どもそれぞれの興味関心が異なるので、誰もが固有の視点を持っているのだと思います。大人の狙い通りに進むわけなんてないのです。「近所の神社をめぐる探検」コースを用意してたとしても、子どもによっては、花のコースや昆虫のコースという印象で残るかもしれません。

普段から歩きなれている場所も、季節や時間でまったく違うものに見えるものです。早朝や夕方、そしてライトを付けながら夜の探検をしてみると全く違う発見があるかもしれません。

一緒に歩く大人はできるだけ少ないほうがいい。子どもの年齢や行く場所の危険度を考えて人数を決めましょう。大人が没頭して楽しみすぎると、子どもの危険に気が付けないことがあります。グループで行く場合は、常に人数を把握でき、俯瞰してグループを見られる役割の大人を一人配置しましょう。

POINT

おすすめのスマートフォンアプリ
- Nile Plus などの無料で使えるランニングアプリ
ルートと距離を計測するために、スマートフォンのアプリは必須です。ランニングアプリがいろいろと出ているので、好きなものを使いましょう。スタート地点で記録を開始して、ゴールで終了とします。

- ジオグラフィカ
前述した国土地理院の地図をアプリから見ることができます。Google マップには載っていないような小道や、地図記号が載っているので、歩いている最中に役立ちます。

MATOME
まとめ

その昔、北海道から沖縄までの4,000kmを自転車で走りました。また、ユーラシア大陸の西の果てであるポルトガルのロカ岬から南の果てであるシンガポールまで、1万7000kmを自転車で走ったこともあります。最近だと昨年にアメリカのトレイルランニングの大会で160km走りました。人力での移動を無数にしている私の体の中には、これらの経験に基づく「距離のものさし」が出来上がっています。

一方で、自宅から学校までの通学路だったり、最寄りの駅までの道のりだったり、その短いものさしでしか距離を測れない自分がかつてはいました。ユーラシア大陸の1万7,000kmとまで言わないけれど、もっと長いものさしを子どもの頃から持つことができたのなら、当時の身の回りの世界がもっと広がってたのではないだろうか、と時々思うことがあるのです。

旅やアウトドアを大好きな自分が息子に伝えていけるものはなんだろうか、と考えることがあります。
自分が見てきた大好きな世界を厳選して共有していくこと。また、この距離のものさしを広げてより自由に発想できる手助けをすることではないだろうか。そんなことをうっすらと考えながら、日本の北の端から南の端まで、東南アジアからヒマラヤまで、この6年間息子と旅を続けています(9割は彼のためというより自分の道楽だと思っていますが)。

距離に限らず、いろいろなものさしを子どもの頃から広げて育てていく手助けができればと思っています。なぜなら実体験や経験を重ねることで発想の幅が広がってくるからです。皆さんも、子供と一緒に、ものさしを広げる探検に出かけてみてはいかがでしょうか。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性4
4知性
4感性
アクティビティ
感じる
環境
山 ・ 川 ・ 森 ・ 街 ・ 田畑 ・ 海 ・ 公園
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
1時間~3時間
対象年齢
小学校低学年以上
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