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2022.11.301183 views

「刃物の物理」を意識して自分に合った野外用ナイフを選び出そう

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宮原 悠

農園プランナー・発酵クリエイター
ナイフの性能はデザインと素材で決まる

皆さんは野遊びに繰り出す時、どの遊びにも必ず持っていく、といった道具はありますか? 私は何かしらのナイフを一本持っていくようにしています。人類は道具を使うことで発展を遂げてきました。古代の石器に端を発するナイフは、切る、割る、削る、刺す、といった人の指先では不可能な作業を可能にしてくれる便利な道具です。刃物はとても危険な道具でもありますが、正しく使えば、わたしたちの体一つでできる仕事を増やしてくれます。今回はそんな実用的な野遊びの道具としてのナイフの選び方を、刃物に働く物理の観点からご紹介します。どんなナイフでもかまいません(なければ包丁でも!)、手持ちのナイフを1本用意してそれを観察しながら読み進んでもらえば、ナイフに宿る使いやすさを生む工夫に気づくはずです。

READY
準備するもの
  • 革手袋

    1双

  • ナイフ

    1本

STEP 1

野外でのナイフの使い道を思い描こう

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    薪作りには刃厚のある丈夫なモデルを
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    野の素材を使う工作には強度が必要
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    魚をさばくには長めのブレードが必要

ナイフとは鋭いエッジをもつ1枚刃の刃物の総称です。切断する対象や、そのナイフが生まれた国や文化ごとに多様に発展しています。数えきれないバリエーションのなかから最初の一本を選ぶには、まず自分の野遊びにではどんな使い方をするか想像してみましょう。釣った魚をさばく、野の素材で工作をする、薪をつくる、食材を調理する……。「切る」という目的は共通しますが、切る対象によってベストな大きさや形、重さが変わってきます。自分がどんな作業にナイフを使うのかしっかりイメージできていると、自ずと選ぶべきナイフが絞り込まれてきます。

STEP 2

ナイフの基本の形状と役割を意識する

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    ポイントの鋭さ、エッジの長さと形状に注目
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    形状は似ていても刃の厚みで性格が変わる
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    切り身をつくるフィレナイフはカーブ部が長い

ナイフには対象を切るブレードと握るためのハンドルがあり、ブレードは用途に応じて厚みや長さが異なります。ブレードの先端のポイントの鋭さや、対象を切り開くエッジの角度も用途によって変わります。野外で使う上でとくに意識したいのがポイントの形状とエッジのカーブ部とストレート部の長さです。

ポイントは錐のように物に穴を穿ったり、小さい穴を切り広げるのに活躍します。カーブは対象に当てて滑らせることで効率良く切り開いたり、削ったりすることができます。ストレート部は強い力をかけて物を削り出したり、薪を割るような作業で活きます。

ブレードの厚み、ポイントの形状、カーブ部とストレートの長さは設計思想によって変わってきます。強度が必要な作業に使うナイフはブレードが厚くなり、強さより切れ味を求める場合はブレードが薄くなります。魚や肉を切るナイフはカーブ部が長く取れるように反り上がった形になり、削る作業をメインにするナイフはある程度ストレート部が長いほうが使いやすくなります。

STEP 3

「切れ味」とは何かを考える

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    鋭いエッジで薄い刃はよく切れる

ナイフはよく切れるかどうかでその性能を評価されますが、そもそも「物を切る」とはどういう現象でしょうか? 固形物は組織の結びつきによって形を保っていますが、研ぎ上げたナイフのエッジを固形物に押し当てると、対象の組織の間にナイフのエッジが潜り込んでいきます。このとき、エッジが広角(刃先の幅が太い)だと押し当てる力が分散してしまうため強い抵抗を感じます。反対に、ナイフを研ぎあげてエッジが狭角(鋭角。刃先の幅が細い)になっていたら、対象に極細の線状に力が加わるため、軽い力で潜り込んでいきます。

この潜り込んでいく際に、エッジの角度とブレードの厚みも切れ味に影響を及ぼします。ブレードが薄いナイフはエッジの断面の角度が小さいため、抵抗なくスムーズに切れ進んでいきます。その反対にブレードが厚いナイフではエッジ断面の角度が大きくなります。この場合、ブレードを対象物の組織が左右から押さえつける力が働くため切りにくくなります。

切れ味についてはほかにもいくつかの要素が関係しますが、大まかにはエッジの鋭さと角度、ブレードの厚みが切れ味を左右すると考えれば良いでしょう。

MATOME
まとめ

野外活動に欠かせないナイフですが、現代では商品群が大きくなりすぎて選びづらくもなっています。しかし「物を切る」という目的は揺るぎません。今回ご紹介した刃物にまつわる物理の条件を意識して選べば、入門にぴったりの1本を見つけ出せるはずです。そして、最初に手にした1本は刃物の世界を渉猟する基準となります。それを使い込むうちに、自分の体と使い方に合った一生物のナイフを指し示してくれるでしょう。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性4
4知性
3感性
アクティビティ
探す
環境
山 ・ 川 ・ 森 ・ 海
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
~30分
対象年齢
小学校中学年以上
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