京都造形芸術大学 空間演出デザイン学科卒業。卒業後、地元兵庫県の公立中学校にて、美術科常勤講師として勤務ののち上京。2015年より東京・阿佐ヶ谷にて、こどものためのデザイン教室「MAY-デザインの教室-」をスタート。教室代表を務める。http://maybe-s.jp
普段目にする風景のなかで、私たちは一体どれだけのものを意識して過ごしているでしょうか。このHow toでは、においを通じて普段の暮らしの中で見過ごしている風景を見つめなおしてみます。
「葉っぱ」と「土」のにおいに焦点を当て、大きな枠組みで自然をとらえるだけでなく、そのなかにも様々な違いがあることを知ると普段の風景が少しだけ違ってみえるでしょう。
身近にある葉っぱと土を採集しましょう。葉っぱはまずそのままにおいを嗅いでみましょう。土は数か所から採取してみて、そのままにおいを嗅いでみましょう。
*注意:植物や土の採取は場所に応じて許可が必要です(国立、国定公園など)。規制が無い場所でも、少量だけ採取するようにしましょう。
つぎに、採取した葉っぱを細かくちぎって、においを嗅いでみましょう。細かくちぎることで、そのままの状態よりもにおいが際立ちます。路肩に生えている雑草は、青臭いにおいのものが多いですが、香草のように独特のにおいのものもあります。いろいろな葉っぱで試してみましょう。
*注意:かゆみやかぶれが心配な場合は、ゴム手袋やはさみを使って作業してください。
すり鉢で、葉っぱをすりおろしてにおいを嗅いでみましょう。STEP1そのままの状態、STEP2ちぎった状態、STEP3すりおろした状態、それぞれのにおいの強さを比べてみても良いでしょう。
鍋に少量の土を入れて、加熱してみましょう。そのままの状態よりも、土のにおいが強く感じられるはずです。
*注意:換気は忘れずに行いましょう。蒸気でやけどしないよう、顔を鍋に近づけすぎないよう注意しましょう。
煮沸消毒した空きビンに、採取した葉っぱ、もしくは果物や野菜などと、ひたひたになるまでの水を入れたものと、水を入れないものとを用意しましょう。両方とも冷暗所で数日保管します。
うまくいくと水を入れたほうは発酵します(シュワシュワと泡が出ていれば成功です)。水を入れなかったほうは、枯れるか、腐るかの状態になるでしょう。それぞれのにおいを比べてみましょう。
*注意:腐ったにおいは一気に嗅がないようにしましょう。カビが生えている場合は、においをかがずそのまま廃棄してください。
発酵のより詳細なやり方は、インターネットでも多く掲載されているので参照して実践するとよいでしょう。
あなたがよく通る道の、道端に生えた雑草がどんなにおいか知っていますか?日常のちょっとした自然に意識を向けること。普段、当たり前に目で見ているもののにおいを嗅いでみること。視覚だけでなく、嗅覚を通して自然を体験すると、毎日が少し違って見えるかもしれません。時間に余裕がある日は、いつもの通り道でお気に入りのにおいを探してみてはいかがでしょうか。