1965年生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。広告代理店勤務を経て、2000年に株式会社スペースポート、2001年にThink the Earth設立。以来、コミュニケーションを通じて環境や社会について考え、行動するきっかけづくりを続けている。主な仕事に地球時計wn-1、携帯アプリ「live earth」、プラネタリウム映像「いきものがたり」、書籍『百年の愚行』『1秒の世界』『グリーンパワーブック 再生可能エネルギー入門』ほか多数。多摩美術大学客員教授。
月を観て愛でることは、古来から日本人が親しんできた習慣であり、文化です。特に満月は、お月見に代表されるように夜半に夜空に浮かぶ「まんまるな月」を愛で、月光の下でお酒を楽しんだり、楽器を鳴らし、和歌を詠んだりと、古くから夜の楽しみの機会として親しまれてきました。また新月は、時に「皆既日食」や「金環食」を起こす大イベントが訪れる大役を果たします。新月の夜は月明かりが無く、星が明るく見えるので、星空を楽しむには最適な夜になります。では半月は、どうでしょうか? 「あー、月が出ているなぁ」とは思っても、満月のように心の琴線に触れるような体験にはなかなかならないですよね。でも、半月が今見えている場所は、実は、数時間前(後)に、地球がいた(いる)場所なのだと知ったら、どうでしょうか? たとえば、デートの時に彼女に「さっき、レストランで食事をしていたとき、僕たちは、あの月のあたりにいたんだよ」と言ってみたりして(結果に責任は負いませんが)。実は半月は、視覚的に地球の公転を体感することができる機会なのです。ちょっとした知識があれば簡単に理解でき、しかもロマンチックな「半月の楽しみ方」をご紹介します。
月齢カレンダーという便利なカレンダーも数多く販売されています。このカレンダーを使うのも良いでしょう。
暦アプリやサイトには以下のようなものがあります。
アプリ:「月読君」「Star Walker」
サイト:「国立天文台 天文情報センター 暦計算室」 http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/ など
上弦の月の方が、夜の浅い時間に観測できるので見付けやすいでしょう。下弦の月は、夜中から明け方にかけて夜空に探すことができます(でも流れ星の観測するときなど、その時間帯の方が都合が良い、という場合もありますよね)。
実際に、3時間半前にやっていたことを覚えておくと楽しいです。たとえば、キャンプ場であれば「みんなでバーベキューしていたよね」とか「川で魚取りをしていたよね」など。
月は太陽の光を反射して光っています。半月の弦の中心(平たい側)から弓の中心(円弧側)に向かって線を延ばすと、その先にある太陽が月を照らしていることになります。地平線(あるいは水平線)の下にある太陽の存在がちょっと想像できるかもしれません。
地球が太陽をまわるスピードや太陽系のスケール感を日常生活のなかでは、なかなか実感することはできません。日の出や日の入りを見ても、太陽が昇ったり沈んだりするようにしか見えず、地球が自転しているから太陽が動く、と感じることは難しいですよね。コペルニクスやガリレオ、ニュートンのおかげで「地動説」は知識としては定着しましたが、生活実感としては、まだまだ「天動説」の世界を生きているのです。そんな中で、この半月体験は、ちょっとだけ「地動説」を実感することができる面白い体験です。慣れてくると夕日を眺めているだけで、地球がまわっていることを体感できるようになります。地動説が体感できたからって、何の役に立つわけでもありませんが、世界の秘密をちょっと知った気持ちになってもらえたら嬉しいです。世界に関心を持つことは、この世界に生まれたことを楽しんで生きることにつながると思うからです。