玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科卒。2014年度西武造園(株)入社。東京都立川市、昭島市にまたがる国営昭和記念公園にある、環境学習プログラム「富良野自然塾東京校」のインストラクターとして、より多くの人に今の地球環境のことを知ってもらう活動をしています。2016年より、各地に出張して年齢や目的に応じたプログラムを行う活動も開始しました。http://www.showakinen-koen.jp/html/furano/index.html
私たちが生きていく上で、なくてはならないものは何でしょう?
美味しいものを食べ、楽しく遊び、気持ちよく眠り明日を迎えられるのはなぜか、その理由を考えてみたことはありますか?
このHowtoを通して、身近な公園や、川や山などの自然が豊かな場所で、地球の環境について考えてみましょう。
私たちが生きていく上で、なくてはならないものを3つ考えてみて下さい。携帯電話?テレビ?ゲーム?お金?愛?一人一人これがないと困るものはあるでしょう。
しかし、この3つは私たち人間だけではなく、他の生き物にとっても必要不可欠なものです。それは空気、水、食べ物です。
自然の中で改めて、「空気」「水」「食べ物」について考えてみましょう。
私たち動物は、呼吸をしないと生きていけません。身体を動かすために空気中の酸素を使い、いらない二酸化炭素を出しています。
一方で植物は、葉っぱの中で、太陽の光、二酸化炭素、水分を使って養分を作り、いらない酸素を出しています。この働きを、光合成といいます。
あなたの周りに植物はありますか?なるべく大きい葉っぱを見つけてじっくり観察してみましょう。必要なものをもらって必要ないものをあげている、そんな関係を感じながら葉っぱを観察してみましょう。植物が光合成をして酸素を出しているから、私たちは呼吸が出来るのです。
私たちは水を飲まないと生きていけません。人間の体の約70パーセントは、水分で出来ています。では、私たちが毎日飲んでいる水はどこからくるのでしょう?
まず雲から雨が降ります。雨が森に降り、木の葉を伝って少しずつ地面に落ち、落ち葉や土に染み込みます。やがて土の中に染み込んだ水が、ゆっくり時間を掛けて湧水となって地表に現れ、その小さな流れがいくつも合わさって大きな川になります。その川の水を浄水場で綺麗にしたものが、水道管を通って私たちの元へやってくるのです。
いつでも途切れることなく水が飲めるのは、「緑のダム」といわれる森のおかげです。
実際に毎日飲んでいる水はどこから来るのか、水源を辿ってみるのも良いですね。
食べ物は体を動かすエネルギーです。では、その食べ物は何からできているのでしょうか?
魚を例に考えてみましょう。魚は主に小さな魚などを食べています。そして、その小さな魚は、動物プランクトンを食べています。動物プランクトンは、植物プランクトンを食べています。植物プランクトンは、土に含まれた栄養をとったり光合成をして栄養を作っています。つまり、魚は、太陽、水、土などの自然があるから生きています。そして私たちはそれらを食べているのです。それを食物連鎖といいます。どのような生き物もこの連鎖でつながっているのです。
魚以外の食べ物も、同じように辿ってみましょう。自然とのつながりがわかるはずです。
私たちが生きていく上で必要不可欠な「空気」「水」「食べ物」。共通して言えることは、「自然からもらっているもの」だということです。
地球が誕生して46億年。長い時間をかけて現在の自然環境が出来ました。未だに、同じような環境を持つ星は見つかっていません。
この自然環境のおかげで生きていることを改めて意識し、これからの生活に向き合っていきましょう。
私たちの周りには物が溢れていて、大切なものを見失いがちです。時間をみつけて、自然が豊かな場所に足を運び、五感を使って自然を感じてみましょう。私たちが生きていく上でなくてはならないもの、大切なものが何かを気付かせてくれるはずです。