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2017.05.231974 views

【連載】野生児育成計画#7 空き缶でウッドガスストーブを作る!

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藤原祥弘

エディター/ライター
空き缶ストーブで効率のよい燃焼を体感しよう!

家庭でも野外でも、私たちはいろんな目的で火を使います。明かりを得るため、濡れたものを乾かすため、熱を加えて殺菌するため、体を温めるため……。なかでも最も身近な使い道が食物の調理でしょう。

家のガスコンロと比べると、野外で燃やす焚き火は大きく、近くに寄れないほどの熱を発することもあります。それなのにどうでしょうか。お湯を沸かしたり、食材を調理してみると意外にも時間がかかるものです。

これは家庭で使うガスの炎のほうが、焚き火の炎よりも温度が高いこともありますが、もうひとつ理由があります。それは、焚き火は周囲に熱を拡散するタイプの燃え方をし、ガスコンロは一点に熱を集中する燃え方をしているから。焚き火は周囲に熱を撒き散らすので、体で感じる温度のわりに食材に伝わる熱が少ないのです。

焚き火をおこした目的が調理なら、食材の加熱に使われなかった熱はエネルギーの無駄づかいをしたことになります。薪も有限の資源ですから、使う量を少なくするにこしたことはありません。

少ない薪から効率よく熱を取り出すなら、熱を一点に集中させられるストーブが効果的。燃焼効率の高いストーブは薪を減らせるだけでなく、煙やススの量も少なくできます。

近年、世界中で研究が進んでいるのが「ウッドガスストーブ」や「ウッドバーニングストーブ」と呼ばれるタイプのストーブ。火床からの放熱を抑え、燃焼に使う空気を予熱することで、小さな炉でも大きな熱を得ることができます。

そして、このストーブの製作に必要な材料は3つの空き缶だけ! 数百円の材料費で、驚くほどよく燃えるストーブを作ってみましょう。

READY
準備するもの
  • 空き缶 大・中・小

    各1缶

  • 電動ドライバドリル

    1個

  • ステップドリル

    1個

  • 金切ばさみ

    1個

  • ペンチ

    1個

  • 缶切り

    1個

  • コンパス

    1本

  • 白い紙

    1枚

  • 革手

    1組

  • 定規

    1本

  • 油性ペン

    1本

STEP 1

道具と材料を用意する

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材料となるのは大きさの異なる3つの空き缶。大きいものは炉の外殻、中くらいのものは炉の燃焼室、小さいものは鍋などを載せるためのゴトクになります。大きい空き缶は密閉できる鉄の蓋があることが必要ですが、中くらいの缶と小さい缶は上側があいていても使うことができます。今回は塗料の収納缶と100円ショップで売られている灰皿、あずきの缶詰を使いました。

これらの缶の穴あけに活躍するのは「ステップドリル」という階段状のドリルビット。この道具があると、手軽に空き缶に丸い穴をあけることができます。

POINT

缶の切り口は鋭いので、缶を切る作業中は革手を着用しましょう。

STEP 2

穴の位置を缶にしるす

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大きい缶と小さい缶には8ヶ所、中くらいの缶には16ヶ所の穴をあけます。等間隔に穴の位置をしるすため、白い紙にコンパスを使って2つの円を描きます。円の大きさは小さい缶と大きい缶の直径よりも少し大きいもの。

これをケーキをカットするように中心を通る8等分と16等分する線を描き入れます。この円の真ん中に缶を置いて、線に合わせて油性ペンで穴の位置をしるします。

STEP 3

大きい缶を加工する

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    大きい缶の蓋の上に中くらいの缶を乗せる
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    缶の蓋をくり抜き、短冊状にバリを作る

大きい缶の周囲にあける穴の数は8ヶ所。缶の底から2cmの高さに油性ペンで点をうち、そのしるしを中心にして、直径2cmの穴をステップドリルであけていきます。

缶の周囲に8ケ所の穴があけられたら、今度は大きい缶の蓋を加工。大きい缶から蓋を取りはずしてから、中くらいの缶を重ねて、中くらいの缶の円周を蓋にうつしとります(写真2枚目)。

蓋に中くらいの缶の円周をうつしとったら、その円よりも内側にドリルでひとつ穴をあけ、そこから金切りばさみを挿入。油性ペンのマーキングよりも5mmほど内側を丸く切り抜きます。

切り抜きが済んだら、中くらいの缶がぎりぎり通る程度の大きさに穴を調整しましょう。今度は抜いた丸い穴の縁から、マーキングした円まで細かく切れ目を入れて短冊状のバリを加工。続けて、バリをペンチで下側に折り曲げます(写真3枚目)。

MATOME
まとめ

シンプルな構造なのに、飛躍的に燃焼効率を高めてくれる空き缶ストーブ。焚き火では焚き付けにしかならないような小枝でも、空き缶ストーブを使えばお湯を沸かし、米を炊くことができます。キャンプや野遊びで活躍するのはもちろん、自然災害への備えとしても空き缶ストーブは有効です。災害時に電気やガスが寸断されても、近くの公園や川原を歩くだけで1日ぶんの調理に十分な薪を集められるでしょう。また、空き缶ストーブは「理想的な燃焼」についても教えてくれます。熱を散らさないこと、可燃性のガスをきれいに燃やしきること、火床を高温に保つことなど、上手な焚き火に必要な条件が空き缶ストーブには詰まっています。空き缶ストーブを自作してその炎をよく観察すると、ふだんの焚き火も数段上達するはずです。

GROW CHART
成長スコアチャート
野性4
4知性
2感性
アクティビティ
つくる
環境
山 ・ 川 ・ 海
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
1時間~3時間
対象年齢
小学生高学年以上
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