幼少期を豪雪の自然豊かな地域で育ち、大学時代に野外教育を学ぶ機会を得て、富士山麓の民間団体「ホールアース自然学校」に就職。プロとしてキャンプや教育旅行、エコツアーを提供するとともに、全国各地のプログラム開発や人材育成に関わる。2006年より松本大学総合経営学部観光ホスピタリティ学科に在籍。エコツーリズムや自然体験活動、環境教育を大学教育で取り扱う。ほかにNPO日本エコツーリズムセンター共同代表理事、自然体験活動推進協議会トレーナー(2016年現在)。
ブラシのように長い穂の形が特徴のエノコログサ(狗尾草)。日本全土に分布し、みなさんも一度は手にとって遊んだことがあるのではないでしょうか?穂が出ていたら、茎ごととって、近くの人にこちょこちょいたずらするだけでも楽しいものです。ここでは、エノコログサを使った遊びを紹介します。エノコログサの穂の部分をくるりとまくと、簡単にかわいらしいウサギや、ネコのような動物のできあがり!また穂は、握り方一つでイモムシのような動きになり、楽しいもの。散歩の合間に、親子や、ペットと一緒に、エノコログサで遊んでみましょう。
エノコログサを見つけて、茎ごと穂を取り、近くの人の腕や脇に近づけて、こちょこちょします。これだけでもお散歩が楽しくなりますよね。さらに、エノコログサの大きい穂と小さい穂のふたつがあれば、ウサギやネコのような動物がつくれます。まずは、大きさの違うエノコログサを見つけて取りましょう。
秋の終わりの種が結実した頃は、穂がポロポロこぼれてしまい、動物づくりには不向きになります。夏や秋口の青々した状態がお勧めです。
エノコログサの大きい穂と小さい穂が取れたら、大きい方の穂をくるりと丸めて、ひと結びにします。結ぶときは、エノコログサの方向に沿って曲げないと穂に逃げられてしまうので、まずは穂の先を指で固定し、茎の方からぐるりと曲げて、穂の中心に輪をつくり、茎を通すという手順で、ひと結びをつくります。
大きい穂のひと結びの穴の中に、小さい穂を通します。写真を参考に、大きい穂の上から、小さい穂の茎を差し込む手順で作ります。
動物の形に見えてきましたか?ちょうど耳が同じ長さになるように形を整えます。耳が長ければウサギの形に、短ければネコやイヌの形になります。もっと大きな穂が見つかれば、同じ要領で体としっぽをつくっても楽しいです。
次に、エノコログサの穂を写真のように手に握り、ゆるめたり、握ったりを繰り返します。エノコログサのイモムシが動きだし、上に上がって来ます。その様子はまるで生きて動いているよう。上がってくる様子をじっくり観察してください。
エノコログサは、日本全土にごく普通に分布しているイネ科の植物です。荒地や日当たりのいい場所に生え、別名はネコジャラシとも言います。この遊びは、エノコログサのフサフサとした毛を活用したもので、昔から一般的に日本中で遊ばれてきたものです。身近であるからこそ、小さな子どもたちにも伝えたいし、簡単で誰にでもできるから、一緒に遊べるのが楽しいです。