NPO法人自然体験活動推進協議会(CONE)常任理事、NPO法人日本ロングトレイル協会理事、白山白川郷トレイルクラブ事務局長、Japan Outdoor Leader Award運営委員会委員長、ひだの未来の森作りネットワーク幹事、東海インタープリターネットワークミーティング世話役、世界遺産合掌街道実行委員会副委員長、白川村伝統的建造物群保存地区保存審議会委員、白川郷観光協会理事など。
川を横断するときに、橋を使わずに川の中を歩いて渡ります。大地を分断する川は、人間の往来をさまたげる境界線でもありました。その理由は単純明快。物理的に、歩いて渡ることができないからです。この困難を乗り越え、川を渡り切ったとき、その達成感は格別です。時には、まるで自然を征服したように感じることがあるかもしれません。今回は、安全に渡れるところを選びながら、ちょっとした冒険体験をすることになります。ドキドキを乗り越える体験を繰り返すことで自信を育みます。
はじめに、命の砦となる、ライフジャケットを着用します。水深30センチでも溺れることがあるので、水の力を軽く見てはいけません。安全対策はしっかり行いましょう。
次に、川の渡るポイントを決めます。水深は自分の膝まで。一緒に渡る人がいる場合は、最も背が低い人に合わせます。川底がある程度見える場所で、うねりや水しぶきが少ない場所を選ぶのがポイントです。すぐ下流に、堰堤(えんてい)や大きな段差、滝がある場所は避けましょう。
いよいよ川を渡ります。川底は、滑りやすかったり、石がゴロゴロしていたりで不安定です。歩幅は小さく取り、ゆっくり歩きながら、川を渡ります。反対岸に渡りきるまで、気を抜かないようにしましょう!
一度渡りきった小川は、もう「自分のもの」です!渡った後には、ふり返って眺めてみましょう。また、同じ小川でも、場所が変われば難易度も変わります。次のポイントを決め、攻めてみましょう。さらに、もっと幅の広い川に挑戦したくなることもあるでしょう。そのように、「自分の川」をどんどん増やしていってください。今回は、膝の高さまでとしましたが、川底と水流の正確な情報を持ち、水底を歩く技術を高めれば、体がすべて沈む深さでも渡ることができます。そこまでできるようになれば、楽しいでしょうね。もちろん、泳いで渡ることもありますが、それは別の技術です。一方で、川の水の力は軽く見てはいけません。油断するとあっという間に流されてしまいますし、場所によっては下に吸い込まれる水流に巻き込まれることもあります。そんな時、自分の命を守るのはライフジャケットです。必ず着用するようにしましょう。