1967年11月生まれ、幼少から大学まで奈良で育つ。大阪府立大学農学部卒業後、同大学の修士課程(造園学修士)を修了。修士の時にオーストラリアのメルボルン工科大学に留学経験を持つ。29歳のときに転職し、財団法人公園緑地管理財団(現在の一般財団法人公園財団)に入社し現在に至る。幼少から、とにかく生き物が大好きで、小学生時代は真っ暗になるまで野山で遊び、家の中で遊んだ記憶があまりない。へこたれない私の力は、幼いころに磨かれたように思います。
日本には、かなり昔から昆虫採集の文化が根付いています。現代の子どもたちは昔より外で遊ばなくなったと言われていますが、都市部の公園でさえ夏休みに網を振り回して昆虫採集を楽しむ子どもたちをよく見かけます。そんな昆虫たちは、私たち日本人にとって、とても身近な存在なのですが、実は多くの人が昆虫のことを知りません。体はいくつの部位から成り立っているのか?脚は何本なの?耳はあるのだろうか?身近な昆虫の代表である「アリ」を題材に、観察することを通して、子どもたちと一緒に、楽しみながら学びを深める一つの方法をお伝えします。
虫メガネ(アリの観察用として、あったら便利)
白い画用紙(厚手の紙であれば何でも)
スタンプパッド(黒)
スティックのり
川砂(細かい目)
色鉛筆
アリを観察するために屋外に出かけましょう。子どもたちに五感をフル活用して観察してもらいます。目で見て、触れて、匂いはどうだろう?小学生以上の子どもたちには観察メモを取らせます。観察を通して発見したこと、感じたこと、考えたこと、何でも書き取らせます。絵や図を描いても良いでしょう。
アリについて発見したこと、感じたこと、考えたことを、みんなで分かち合う時間を作ります。できればひとりずつ発表しましょう。体のつくり、歩き方、見つけた場所、何をしていたのか?なんでもかまいません。子どもたちの意見が出尽くしてから、以下のことを伝えます。
・アリの体は、あたま(頭部)、むね(胸部)、おなか(腹部)の3つの部分から成り立っている。
・足は6本で胸部から!
・触覚は、匂いや振動を感じるセンサーの役割を持っています。その触覚は頭部から2本。
さて、少しアリのことがわかってきたところで、絵を描いてみましょう。用意した画用紙の上に、子どもたちの指をスタンプ代わりにして描いていきます。
アリのあたま(頭部)を描きます。小指を使ってスタンプ!
次に、むね(胸部)を描きます。人差し指または中指を使ってスタンプ!
そして、おなか(腹部)を描きます。親指を使ってスタンプ!
最後に6本の足と2本の触覚を鉛筆(黒の色鉛筆)で描き入れると、アリンコ1頭の完成です。シンプルですが、なかなかリアルでかわいらしく仕上がります。
指につけるインクの量を少なめにすると、指紋が浮き立ち、さらに素敵な「ありんこアート」になります。
1匹でもかまいませんが、アリは、行列を作って行進していることがよくあります。ですので観察したことをベースに、子どもたちに自由に描かせて下さい。
アリの絵が完成したら、最後に砂を使ってアートを仕上げます。砂を落としたい場所にのり(スティックのり)を付けます。のりが乾かないうちに、その上に用意した細かい川砂をばらまきます。すると、のりをつけた部分だけ砂が残って、素敵な「ありんこアート」が完成します。
シンプルだけど描き方で、こんなにも違う!これまた楽しい。
昆虫の体って?あたま(頭部)、むね(胸部)、おなか(腹部)の3つの部分から成り立ち、6本の足は胸部から、2本の触覚は頭部から出ています。昆虫の体の基本ベースについて、楽しみながら子どもたちに学んでもらえます。このHOWTOは、アメリカで開発された環境教育プログラム「Growing UP WILD」のほんの一部です。幼い子ども向けに考えられたもので、絵を描くのが苦手な子どもたちでも、とても素敵な作品が出来上がります。是非、試してみて下さい。「Growing UP WILD」のテキストには、おもしろいアイデアがギュッと詰まっているので、興味のある方は、Growing UP WILDの講習会に、ぜひご参加ください!http://www.projectwild.jp/index.html