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2021.12.02607 views

ヤドリギとヒレンジャクのおいしい関係!

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鈴木純

植物観察家
植物と生き物の関係を通して、自然の妙に触れてみよう

冬枯れの樹木を見上げて、「あれ?あんなところに鳥の巣が?」と思うものがあったら、それはもしかしたらヤドリギかもしれません。樹上にポンポンと丸いものがついている様子は、可愛らしくもあり、不思議でもあり、植物好きな人でなくても、つい気になってしまう存在です。今回はそんなヤドリギがどんな植物なのか、せまっていきたいと思います。
ヤドリギは冬以外の季節でも見ることができますが、冬に観察するからこそ楽しめる現象があります。今年の冬はヤドリギのことをよく知って、気になる存在にしてみましょう。

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READY
準備するもの
  • 双眼鏡、または望遠レンズがついたカメラ

STEP 1

ヤドリギを見つけてみよう!

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    樹木の枝についたヤドリギ
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    1本の木にこんなにたくさんつくことも
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    冬は、遠くから見てもすぐに分かる

さっそくヤドリギ探し…をする前に、少しだけ前知識を入れておく必要があります。まず、ヤドリギは自分自身で地面から芽生えることはありません。いつだって、ほかの樹木の枝や幹からにょきっとその姿を現します。なぜなら、ヤドリギはほかの植物に寄生をして生きる植物だからです。
とはいっても、ヤドリギは自分でも葉っぱを持つので、自ら光合成をすることもできます。なので、完全に寄生しきっているというわけではなく、寄生先から水分や栄養をもらう一方で、自分でも栄養をつくるという生き方をしています。こうした植物を「半寄生植物」と呼びます。

ということで、ヤドリギを探すなら、ヤドリギが寄生している樹木の枝に注目する必要があります。春から秋にかけては、寄生先の樹木に葉っぱがたくさんついているため、ヤドリギを探すのは難しいですが、樹木の葉っぱが落ちる冬になると、ヤドリギの姿は急に目立ちます。なので、ヤドリギを探すなら冬が断然おすすめです。
ケヤキやエノキ、サクラの仲間などの落葉樹に寄生していることが多いようなので、冬のケヤキやエノキがあったら、何気なくその枝を見上げてみましょう。そこに丸いボンボリのようなものがついていたら、それがヤドリギかもしれません。

STEP 2

ヤドリギの実を見つけよう

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    黄色い実が光にあたって輝く
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    特徴的な葉っぱとそこに点々とつく実
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    一株のヤドリギに実がたくさんつく

ヤドリギは、秋から冬にかけて実をつけます。常緑性のヤドリギは冬でも濃い緑色の葉っぱをつけているので、その葉っぱのなかで実が光にあたって輝くといっそう目立つ姿になります。
ヤドリギには黄色の実をつけるものや、赤い実をつけるものがありますが、二股に分かれた葉っぱのなかに実が点々とついている姿はとても可愛らしく、これを好んでリースに使ったりする人もいます。

では、ヤドリギは人に喜んでもらいたくて、その黄色い実をつけているのでしょうか。なんとなく、そうではないような気がします。
ということで、ヤドリギの実を見つけたら、今度はその実を誰が食べに来るかじっと待って観察してみることにしましょう。

STEP 3

ヒレンジャクがやってきた!

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    赤い模様が美しいヒレンジャク
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    ヤドリギの中に飛び込んだヒレンジャク
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    実を食べるヒレンジャク
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    次々とやってくるヒレンジャク

双眼鏡を片手に遠くからヤドリギを見守っていると、そこに赤い模様が美しいヒレンジャクがやってきました。その綺麗な姿に見とれていると、ヒレンジャクは迷いのない動きでヤドリギのなかに飛び込んでいきます。そして、パクっ!と、ヤドリギの実を食べてしまいました。
観察を続けていると、近くの樹木の枝にたくさんのヒレンジャクが止まっていて、次々にヤドリギの実をめがけて飛んでいきます。しばらく食べると、今度は近くの水辺に降り立って水を飲み、またヤドリギが寄生している木の枝に止まって小休止。そしてまたヤドリギに飛び込んで実を食べて…ということを何回も繰り返しています。
どうもヒレンジャクは、ヤドリギの実が大好物のようです。

POINT

ヤドリギの実を好んで食べるレンジャク類は渡り鳥なので、その年によって飛来数が大きく変わります。今年は出会うことが出来るだろうか、というドキドキも含めて楽しんでください。

MATOME
まとめ

葉っぱで光合成をして、生きるための栄養を作りだす植物にとって、光を得ることは生存上の重要課題です。光を獲得するための方法は植物の種類によって様々ですが、ヤドリギの方法はちょっとユニークです。なんといっても、自分の成長を地面からはじめるのではなく、ほかの樹木の上からはじめてしまおうというのですから。
確かに樹上で生活がはじまれば、いきなり空高いところで光を集中的に集めることができます。とは言っても、樹上で芽吹くためには、まず種を寄生先の枝や幹の高さまで運ぶ必要があります。それを手助けしてくれるのがレンジャク類だったというわけです。

植物観察は、植物を単体として見るだけでなく、ほかの生き物とどのように関係しているのかを知るとより深い楽しみを得ることができます。今年の冬は、ぜひ観察対象にヤドリギを加えて、自然の妙に触れていただければ嬉しいです。

『そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい(雷鳥社)』http://www.raichosha.co.jp/book/other/ot48.html
『種から種へ 命つながるお野菜の一生(雷鳥社)』http://www.raichosha.co.jp/book/other/ot56.html

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
4知性
4感性
アクティビティ
見る
環境
森 ・ 街 ・ 公園
季節
所要時間
~30分
対象年齢
小学校低学年以上
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