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【連載】ブッシュクラフト入門#8 まわりにある素材でトング(火箸)を作ろう!

8

川口拓

WILD AND NATIVE 代表
焚き火まわりで大活躍! トング作りでバトニングと巻き結びを覚えよう

焚き火をしていて、燃えている薪を組みなおしたい、お肉などを裏返したい、赤く燃える炭を移動したい、だけど火箸を忘れてしまった・・・!なんて時に大活躍するトング(火箸)。まわりにある素材を使った作り方を紹介します。
ブッシュクラフトには焚き火がつき物ですが、なるべく荷物を手軽にしたいと思うと、長いトングを持って行くのはちょっと面倒。だけど焚き火をするたびに、「トングがあれば便利だなあ・・・」なんて思うことは頻繁にあります。この作り方を覚えておけば、好きな大きさに作れますし、帰りに荷物になると思えば、最後は薪にしてし燃やしてしまうことも出来ます。
ぜひ作り方を覚えて、またひとつ荷物を減らしてしまいましょう!

【連載】ブッシュクラフト入門
#1 ペグ作りで覚えるナイフの使い方
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/86
#2 タープと2種類のロープワークでつくるシェルター
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/87
#3 フォックスウォークで地球と歩こう
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/90
#4 トラッキングベーシック
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/96
#5 ナイフ一本で挑戦!快適な焚き火ベンチをつくろう
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/103
#6 マルチに使える薬草ミストを仕込もう!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/117
#7 サバイバル術「シグナリング」を覚えておこう!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/124
#8 まわりにある素材でトング(火箸)を作ろう!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/129

READY
準備するもの
  • 素材となる枝

  • バトンになる枝

  • 小指の太さくらいの小枝

  • ツル(今回はヤマイモのツル)

  • ナイフ(モーラナイフ、ブッシュクラフトサバイバル)

STEP 1

素材を選ぶ

  • 左からバトンとなる枝、小枝、ツル、ナイフ
  • ○ 節の少ないもの
  • × 節の多いもの

自分が作りたいトングのサイズを思い浮かべ、素材を選びます。太さは直径3センチくらいが適度です。長さは本当にお好みで。大きな焚き火をしたい時には、長めの火箸が必用になります。
オススメは杉の枯れ枝です。扱いやすいし、含まれている精油の成分が、抗菌、殺菌作用を持っているので、中身が虫食っていたり、腐っていたりすることが比較的少ないです。また食材などを掴む時にも安心です。

POINT

はじめはなるべく真っ直ぐな材を選んであげたほうが簡単です。今回私は敢えて曲がっている材をチョイスしてみました。難易度は少し上がりますが、カーブが不思議な使用感を醸し出してくれました。
なるべく節の少ない枝を選びましょう。(写真参照)
基本的に薪割りでもクラフトでも節とは戦わないのが通説です。杉枝の節は比較的容易に削り落とせたりしますが、それでも仕上がりが変わってきますので、時間をかけてでも良い素材を選びましょう。

STEP 2

材を必用な長さに切り出し、面を平らにする

  • V字の切込みを全周に入れる
  • 膝などを使って折る
  • 切断面を平らに面取りする

このステップは、「ブッシュクラフト入門#1 ペグ作りで覚えるナイフの使い方」を参考にしてください。https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/86

まずはナイフを使って必要な長さに切り出します。V字の切込みを全周に入れてあげてから、膝などを使って折ります。その後両方の切断面を平らに面取りしてあげます。

POINT

次の作業において、面をしっかりと平らに出来ているかどうかがキーポイントになりますので、少し丁寧にこの作業をやってみてください。

STEP 3

バトニングで材を割る

  • 真っ直ぐなラインを探す
  • 写真②材を安定させる
  • 写真③取っ手に近い方の刃を使って割る
  • 写真④刃を地面に対して垂直に保ち割る
  • 写真⑤五分の一くらい残しておく

材を良く見て、真っ直ぐなラインを探してあげます。そのラインをナイフでバトニングし、縦に二等分するように割ります。

POINT

<バトニングのポイント>
・必ず平らな固い面などに置き、材を安定させます。グラグラしていると裂け目も真っ直ぐになりません。前ステップで面を平らに削っていないと材が安定しません。(写真②)
・ナイフを水平に保ちながら、ナイフのなるべく取っ手に近い方の刃を使って割っていきます。(写真③)
・材のちょうど真ん中を狙って、歯が食い込むまでは軽めに叩きます。
・小刻みに、少しずつ、刃を地面に対して垂直に保ちながら、丁寧に割っていきます。(写真④)
・全部下まで割らずに、全体の長さの五分の一くらい残しておくと、後の工程が楽です。(写真⑤)
・いくら上手に割っても、木目の向きや癖などで、どうしてもきれいに縦割れしない場合もあります。そういう場合は違う材を使います。

STEP 4

小枝を挟み込む

  • 裂け目に挟み込む
  • これでも十分トングとして機能します!

出来上がった裂け目に、小枝の両側を平らに削ったものを挟み込みます。面を平らに削ることによって、挟み込んだ材がずれ難くなります。

POINT

奥に挟み込めばそれだけ先が広がりますが、裂け目が広がっていき、真っ二つになってしまわないように気をつけましょう。私が作ったものも、撮影後ふたつに割れてしまい補修しました。

STEP 5

ツルを選ぶ

とりあえずツルを見つけたら、棘がないか、軽く触って肌に刺激がないかなどを慎重に調べて、手にとってみましょう。
強さと柔軟性が比例する傾向にあるので、直系5センチくらいの円状に巻き付けてあげて、きれいなカーブを描くかどうかを確かめてあげます。あとは単純に引っ張って強度を確かめます。種類は分からないけど、頑丈な紐として使えるツルは、結構ありますよ。

STEP 6

挟み込んだ材がずれないよう、ツルで固定する

  • 写真①ツルをあてがう
  • 写真②
  • 写真③
  • 写真④
  • 写真⑤

使っているうちに、挟みこんだ木片がずれないように、ツルを使って固定します。この時に巻きつける部分にV字型の切込みをいれておくと良いでしょう。

ツルで固定する際に大活躍するのが「巻き結び」です。この際ぜひ覚えておきましょう。
1. まずはツルをあてがい一回転巻きつけます。(写真①)
2. 巻き付ける際、一番最初にあてがったツルに交差するようにします。(写真②)
3. さらにもう一回転巻き付け、一番最初にあてがったツルのすぐとなり、一回転目のツルの下に入れ込みます。(写真③)
4. ギュッと引っ張ったら巻き結びの出来上がり。通常の結び目はツルに負担がかかりすぎて向かないのですが、この結び方なら大丈夫です。(写真④)
5. あとは適当に巻きつけては入れ込むという工程を繰り返しながら固定します。きれいに整理された結び目は強度が強い傾向にあるので、丁寧にやってあげましょう。(写真⑤)

STEP 7

出来上がり!

  • 出来上がり
  • 面を平らにする(写真①)

早速何かを掴みあげてみましょう。
大きめの重い石を簡単に掴めるようなら合格!

POINT

STEP2で面を平らにすることで、挟む部分のグリップがしっかりと効くようになります!(写真①参照)

STEP 8

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オリジナルトングを作ったら「やった!レポ」に投稿して、みんなと体験をシェアしませんか?質問や感想はコメントに記入してください。

MATOME
まとめ

使う時には、軽く先を焚き火で炙ってあげると殺菌になります。洗剤を使って洗う必要はありません。
ホームセンターなどで、材木や紐を買って来ても作れるので、わざわざ山に行かなくても楽しめます。
出来上がりが失敗して、イマイチ使いにくかったとしても、ブッシュクラフトはその「作る」工程を、自然のリズムの中で贅沢に楽しむのが醍醐味です。完成させることよりも、作っている時間をメインにしてあげましょう。作っていて楽しければ、それがもう立派なブッシュクラフトなのです!

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気が向いたら是非手にとってみてくださいね!

GROW CHART
成長スコアチャート
野性4
3知性
2感性
アクティビティ
つくる
環境
森 ・ 公園
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
30分~60分
対象年齢
中学生以上
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