狩猟採集、野外活動、自然科学を主なテーマに執筆・編集するフリーランスのエディター、ライター。川遊びチーム「雑魚党」の一員として、水辺での遊び方のワークショップも展開。著書に『海遊び入門』(小学館・共著)ほか。twitterアカウントは@y_fomalhaut。
広い河原や小石の散らばる浜へ出かけると、だれかれとはなしに始まるのが水切りや遠投。石は人類がもっとも早い時期に使った猟具のひとつ。
もしかしたら、その頃の記憶が私たちにも残っていて、自然と石を投げさせるのかもしれません。ひとつひとつ重さも形も異なる石を拾って、思うままに使いこなすのはなかなか難しいもの。
適当な石を探し、その形や重さに合わせてフォームを調整し、イメージした場所に投げる、という遊びは、身体や指先の感覚や、視覚、触覚、筋肉のコントロールを養うのに最適です。
※どこでも簡単に楽しめる石投げですが、注意したいのは安全の確保。石を投げる先に人や動物、民家などがないことを念入りに確認してから楽しみましょう。
【連載】野生児育成計画
#1 大潮の夜を探検! 真夜中の磯遊び
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/67
#2 「水切り」と「遠投」をマスターせよ!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/79
#3 木の枝からパチンコを作る!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/93
#4 焚き火を使って「干し肉」を作る!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/97
#5 春の小川で「草摘み」に挑戦!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/100
#6 潮干狩りで狩猟採集生活にデビュー!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/102
#7 空き缶でウッドガスストーブを作る!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/112
#8 五寸釘を七輪で熱してナイフを作る!
https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/118
石を投げて遊ぶときは安全確認を念入りに。姿が見えなくても、水の中でスノーケリングを楽しんでいる人や、対岸の茂みのなかに人がいるかもしれません。また、子供が投げる場合や、道具を使う時には、思わぬ方向に石が飛んでいくことも。正面だけでなくサイドや後方にも人がいないことを確認しましょう。また水鳥などの生き物がいないかもしっかりと確認しましょう。
水切りに向いているのは円盤状の平べったい石。軽いものよりもある程度重みのある石のほうが、水の抵抗に負けず、より長く水面を滑走します。大きさの目安は、自分の人差し指を石の縁にかけたときに無理なくグリップできるサイズであること。小さすぎても大きすぎても、石に回転がかけられません。
基本の握り方は、親指と人差し指で円をつくって、そこにすっぽりと石を納める握り方。中指から小指までは軽く握って中指の腹に石が載るようにします。投げ出すときは石にかけた人差し指で石に強い回転をかけるようにします。
水切りのいちばんのコツは「水面に近い高さから石を放つこと」。石の投げ込まれる角度が水面に対して大きいと、石は跳ねあがらずに水中に潜り込んでしまいます。
また、水中に潜り込むほどではなくても、角度が大きいと石は着水した瞬間に高く跳ね上がり、2回目以降の跳ね上がりの回数が少なくなってしまいます。
石を投げるときはなるべく腰を落とし、サイドスローで石に回転をかけながら水面すれすれに投げ出しましょう。
道具を使うと、素手で投げるよりもより遠くへ石を飛ばすことができます。用意するのは、長さ60cm~2m程度の竹。この竿の先に石を設置して振り抜くと、腕で投げたときよりも早い速度で石を投げ出せるので、より遠くへ飛ばすことができます。竹が短めの場合は石を置くくぼみを作って、竹が長い場合は先端をいくつかに割くだけで準備完了!
長さ60cm程度の棒の場合は、先端近くに石を設置するためのくぼみをナイフなどで削り出します。くぼみが浅いと投げる最中に石が外れてしまい、深いと石が外れず、足元に落ちてしまいます。上手に削れると気持ち良く石が飛んでいくでしょう。
※慣れるまでは方向が定まらないので、前方だけでなく側方や後方にも人や動物、建造物がないか注意しましょう。
長めの竹竿の場合は先端をナイフで割り裂くか、石でつぶしていつくかに分ける。その先端に押し込んでちょうど収まる大きさの石を選んで軽く押し込めば準備完了。
振り抜くだけで気持ち良く石が飛んでいきます。投げる最中に落ちてしまう場合は押し込みが足りず、足元に落ちる場合は押し込みすぎ。ちょうどいい場所を感覚で探し出しましょう。
水切りをやってみたら、何回跳ねさせたかメモをして石の写真や場所を写真に撮って記録してみましょう。投石記録した情報や記念に撮った写真を『やった!レポ』に投稿してみませんか? 質問や感想はコメントに記入してください。
手頃な石と広い水面あれば手軽に楽しめる石遊び。ひとつひとつ大きさも形も違う石を思い通りに操るのはじつは視覚、触覚、筋肉のコントロールなど、なかなか高度な作業です。子供の遊びとあなどるなかれ、高知県では毎年水切りの世界大会が開かれており、また水切りのギネスの記録では88回(!)も跳ねさせた人がいるのだとか。
簡単に楽しめる石投げですが、くれぐれも安全の確保にはご注意ください。気軽に放った石が自分や周囲の人を傷つけるかもしれないことを忘れずに!
【連載】野生児育成計画
#1 大潮の夜を探検! 真夜中の磯遊び
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#2 「水切り」と「遠投」をマスターせよ!
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#4 焚き火を使って「干し肉」を作る!
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#5 春の小川で「草摘み」に挑戦!
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