日本の正月飾りの歴史は古く、一般家庭でも、平安時代後期には門松を飾る風習が始まっていたと言われています。正月飾りとして今も一般的に供えられているのが門松や鏡餅、そして今回作り方をご紹介する「しめ縄飾り」です。いずれも元々は「依代(よりしろ)」、つまり神が降臨する目印であり、家内の安全や豊穣などを祈る為、そして「結界(けっかい)」、悪しきもの・忌むものがやってこないよう祈る為のものです。このHow toでは、身近なフィールドへ出かけ、材料集めをするところからスタートし、しめ縄を自作する方法を紹介します。自宅でバケツ稲やプランター田んぼをしている方は、脱穀したあとの稲わらを使うと、愛情込めて育てた稲を無駄なく活用していただけます。オリジナルのしめ縄を作り、正月飾りを準備して、新しい年を迎えてみませんか?
野や畑で採れる自然の植物から、風味豊かで味わい深い「ワイルドコーヒー」が作れるのを知っていますか?ワイルドコーヒーは、穀物やシイの実などのドングリでも作れますが、秋から冬にかけて旬なのが、タンポポコーヒー。使用するのは、主にタンポポの根っこ。春に向けて根っこに養分を蓄わえるこの季節は、採取するには最適です。「イヌリン(植物によって作られる多糖類)」が増え、甘味が出るため、滋味深いコーヒーを作ることができます。またタンポポは、「蒲公英(ホコウエイ)」という生薬名があり、西洋ハーブでも「Dandelion(ダンデライオン)」と呼ばれる立派な薬草です。肝機能の改善や血糖値を下げる効果などがあることがわかっており、沢山飲んだり、食べたりするクリスマス、忘年会、お正月にぴったりです。焙煎するためコーヒーに似た風味がありますが、カフェインレスなので、カフェイン摂取を控えたい人にもおすすめ。春に向けて、畑や庭の手入れをする時に、タンポポを抜く方も多いのではないでしょうか。丈の高い草も枯れて、タンポポも見つけやすい季節。ただ抜いてしまうのではなく、そのパワーを味わって見ませんか?
最近、縄文文化が注目を浴びています。縄文、というとまず思い浮かべるのはなんといっても縄文土器ではないでしょうか。有名な火焔型土器(かえんがたどき)のようなものから、煮炊きに使用する器まで、縄文の遺跡からは必ずといっていいほど土器が出土しています。縄文土器は、移動しながらの採集・狩猟生活が定住型の生活に変わったことで生まれ、発達したと言われています。土器は、現代でもレンガや植木鉢などに使われている原始的な技術です。自然から採取する粘土を焼いた=素焼きしたもので、焼成することで化学変化を起こし硬化します。原始の魅力たっぷりの土器、現代でも自然の中のものを使って自分で作ることができます。縄文の暮らしを想像しながら、土器の基礎技術となる素焼きにチャレンジしてみましょう。※注意事項・焚き火をする際はやけどなどに十分注意してください・子供は必ず大人と一緒に作業しましょう
植物標本とは、植物の保存技術のこと。植物の全体または部分を乾燥処理して、台紙に貼り付けて保存する「押し葉標本(おしばひょうほん)」や、アルコールなどに浸して保存する「液浸標本(えきしんひょうほん)」があります。採集地、採集年月日、採集者などの情報を記入した標本ラベルを付けて自然科学の研究資料となり、さまざまな目的に活用されるそうです。最近は、鑑賞目的などで、ガラス瓶に植物を入れて専用オイルで満たした液浸標本「ハーバリウム」が人気です。そこで「葉脈標本」に続き、WILD MIND GO! GO! 編集部が、観賞用の液浸標本「ハーバリウム」作りに挑戦しました。花や葉っぱの美しさに触れながら、意外にも少しの材料でできるハーバリウム制作。ぜひ皆さんも挑戦してみませんか?「葉脈標本を作ってみよう!」https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/94
アメリカから日本にやってきて90年。今やアメリカザリガニは日本の里山のどこにでもいる子供たちの遊び相手になりました。ところが本国やヨーロッパでは、遊び相手ではなく食材として愛されています。日本人の感覚からすると抵抗がありますが、それはきっとアメリカザリガニを目にする場所が汚れた水辺だから。きれいな湧水を集めた川に棲むアメリカザリガニは、立派な食材です!ここでは、そんなアメリカザリガニを獲って美味しく食べる方法を紹介します。【連載】野生児育成計画 #1 大潮の夜を探検! 真夜中の磯遊びhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/67#2 「水切り」と「遠投」をマスターせよ!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/79#3 木の枝からパチンコを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/93#4 焚き火を使って「干し肉」を作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/97#5 春の小川で「草摘み」に挑戦!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/100#6 潮干狩りで狩猟採集生活にデビュー!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/102#7 空き缶でウッドガスストーブを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/112#8 五寸釘を七輪で熱してナイフを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/118#9 夏の夜の雑木林を探検!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/127#10「カラムシ」の繊維で紐を作ろうhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/135#11 魚の多い秋の磯で、シュノーケリングで泳ぎ釣り!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/141#12 ザリガニは食材だ!湧水で獲ったザリガニを食べようhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/168
私たち人間は、進化する過程で様々な便利な道具を生み出してきました。ランニングの際に、足元を守ってくれる靴もそのひとつで、衝撃を和らげ、走りやすさを提供してくれます。しかし、文明の発達する前の遠い昔には、裸足やワラジなどを履いて長距離を移動していました。メキシコの山岳地帯に住む先住民族で、「走る民族」という名を持つ”ララムリ”は、走る時に「ワラーチ」と呼ばれるサンダルを履いているそうです。ワラーチは、廃棄されたタイヤを底に使い、革ひもで足を固定するシンプルな履物です。彼らは、このワラーチを履き、夜通し100kmを走ると言います。日本でも数年ほど前から、いろいろな人がワラーチを自作しており、試行錯誤してオリジナルのワラーチが作られています。ここでは、私流のワラーチの作り方を一例として紹介します。このHow toでは、普段履きなれた靴ではなく、ララムリのようにワラーチを作り、素足に近い感覚で歩き・走ってみます。足から大地をダイレクトに感じ、地球を踏みしめてみましょう。
5月頃、入梅の前くらいから開花とともにその存在感を増すドクダミ。身近にありふれた野草で、抜いても抜いても生えてくる庭の管理上の厄介者だったり、その独特な香りで嫌われ者になることの多いドクダミですが、「十薬」という別名を持つ優秀な薬草でもあります。抗菌、殺菌、消炎、鎮痛(痒)、美肌などなど……その名に恥じない薬効を持っています。そんなドクダミで、薬草をアルコールに漬けてその香りや薬効成分などを抽出する「ハーブティンクチャー(ハーブチンキ)」を作り、 化粧水や虫除け、虫刺され、料理など、 日々の生活やアウトドアライフに活かしてみませんか?このHow toでは、ハーブティンクチャーの作り方と、おすすめの活用方法を紹介します。普段は厄介者に見えている野草も、そのパワーを知って生活に取り入れることで、新しい発見につながるはずです!
夏にも食べられる、身近な野草や木の芽がたくさんあるのを知っていますか?春よりアクも苦みもありますが、その分、栄養価も高くなり、パワーみなぎる夏の野草たち。今回は、そんな野草だけを材料にして作る、おいしい魅惑のカレーを紹介します。見た目はいまいちですが、野草のアクも旨味になり、栄養抜群、食物繊維たっぷりで、なんともやみつきになるお味です。庭や畑の草取りや、里山で元気な草たちに出会ったら、ちょっと若葉をいただいて、ぜひ作ってみてください。草を沢山摘んだり、長時間炒めたりと、手間暇がかかるので、何人かと一緒に作るとおいしさも楽しさも倍増します。蒸し暑く、ジメジメとして過ごしにくい日々も、力強く生長する野草からパワーをいただいて、元気にすごしましょう!
わたしたちは息をして生きています。それはつまり、常に何らかの匂い分子を吸い込んでいることを意味します。そのことに気づくか気づかないか、ポイントは私たちの意識にあります。香りや匂いに焦点を当てた散歩、アロマスケープに出かけて、嗅覚の地図を作ってみましょう。写真を撮ったり、匂いをスケッチしたり、言葉で形容したり、そのエリアを構成する匂いを探し出し記録します。複数人で一緒に歩くと、全く異なる匂いを発見するので、より興味深い発見があるでしょう。この体験を通して、嗅覚の使い方もトレーニングできます。学校では美術や音楽は習いますが、匂い香りについては学びません。嗅覚をトレーニングすると、そのまま呼吸のトレーニングにもなり、心身に良い影響をもたらすと言われます。匂いのする素材を収集して、「自然から匂いを抽出して香水を作る」と組み合わせても楽しいです。普段気づかなかった深淵な世界がじつはそこに広がっていたことに気づくでしょう。*「自然から匂いを抽出して香水を作る」:https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/153
私たちの身近に生えている野草や山菜など。天ぷらやおひたしと言った、和食として食べるイメージが多いのではないでしょうか? 古くから日本人が食してきた野草・山菜ですが、「和ハーブ」*として捉えると、料理の幅がぐっと広がります。和ハーブも、西洋ハーブと同じようにオリーブオイルやチーズ、バターとも相性がよく、洋食にも大活躍する食材になります。また、料理のレパートリーが増えれば、草摘みの楽しさも倍増します。このHow toでは、庭にいつのまにか生えてきたり、里山を歩いていると道端に生えている身近な野草や山菜を集め、バターやクリームチーズと混ぜ合わせて、「和ハーブバター」と「和ハーブチーズ」として美味しくいただく方法を紹介します。なかには、スーパーで買えるものもありますが、自然に生えているワイルドな和ハーブは、香りも味も格別です! また、自分で見つけ、丁寧に採った新鮮な食材は、特においしいく感じること間違いなしです。「野草や山菜には興味があるけど、どのように食べていいかわからない……。」「和食より洋食派。」「おしゃれに自然を楽しみたい。」という方にはおすすめの「和ハーブバター」と「和ハーブチーズ」。見るだけではなく、触って、嗅いで、味見して、身近な自然の味覚を、楽しく味わってみませんか?*和ハーブとは?日本を故郷としてこの風土で育ち、伝統的に暮らしの中に取り入れられてきた有用植物のこと。和ハーブ協会による、和ハーブの定義は「江戸時代以前から土着化している植物で、香りが強く、薬効があるもの」とされています。
赤、オレンジ、黄、グレー、茶、白、紫、ピンク、ベージュ、緑、‥‥。これ、何の色だと思いますか? 実は、私たちの足もとにある土の色。「えー、そんな色の土、見たことない!」と思うかもしれないけれど、よく見てみると、あなたの身近なところにもさまざまな色の土があるはず。小さなシャベルとビニール袋を持って、どんな色の土があるか見つけにいってみませんか?そして、いくつかの色の土が集まったら、土絵の具をつくり、自由に絵を描いてみましょう。今までは、ただ「茶色」と一括りに見えていた土も、絵の具にして並べてみたら、色の違いに驚くはずです。さらに、土の色を手がかりに、さまざまな発見も得られるはず! さあ、挑戦してみましょう。
皆さんはピンホールカメラ(針穴カメラ)を知っていますか?簡単に言うとカメラに必ず付いている「レンズ」が無いカメラのこと。レンズが無いのにどうして写るかって?代わりにとても小さい穴を使います。そしてその穴のおかげでちゃんと写真が撮れるのです。カメラ付きスマホの普及もあって、最近は誰でも簡単に写真を撮りますね。SNSにアップする人も多いです。では、なんで今どき「ピンホールカメラ」なのでしょう?それはレンズのカメラでは撮れない「光の柔らかさ」や「ゆったりと流れる時間」が、ピンホールカメラで撮った「ピンホール写真」では表現できるからです。アプリで加工する必要もありません。これまでのピンホールカメラは箱や缶などを利用して作り、印画紙やフィルムで写す方法が一般的でした。印画紙を利用する場合は暗室も必要ですし、現像の薬品も使わねばならず、ちょっと試すにはかなりハードルが高かったのです。でも近年デジタルカメラが進歩して、簡単にデジタルのピンホールカメラを作って撮ることができるようになりました。ぜひ皆さんも挑戦してください。そして、その魅力を存分に味わいましょう。
正確な数値は必要ないけど、「この棒の大体の長さを知りたい」「ここからあそこまでの大体の距離を知りたい」というシチュエーション、結構あるんじゃないでしょうか?しかし、そういう時にいつも定規や巻尺を持っているとは限りません。ましてや、山や森などの自然のなかでは尚の事。「身体ものさし」をインストールしておけば、その場ですぐに「ざっくり」とした長さや距離を知ることが出来ます。さらに、そのものさしを組み合わせれば 、定規や巻尺では到底測ることができない高い木や建物の高さも「ざっくり」測ることが出来てしまいます。このHow toでは、使いやすい2つの「身体ものさし」を身体にインストールする方法と、その2つのものさしを組み合わせた「間接測定」の方法を紹介します。
自然の中を歩き、花や葉っぱなどの素材を収集して、匂いを抽出し、カンタンな香水を作りましょう。自然界には匂いがあふれています。今回はチンキ法という、古来より人類が用いてきた原始的な抽出法を用います。香りをまとうためのファッション香水を作るのではなく、そのほのかな自然の香りを楽しみます。いわゆる昔のバニラエッセンスは、天然のバニラビーンズをアルコールに浸して香りを移したものです。(茶色い液体の方です。最近の透明のものは合成香料で作られたものが多いんです。)アルコールに浸して香りを移すこの方法と要領は同じです。今回はアルコールの代わりにウォッカを使います。梅酒や果実酒を作るのとも似ています。もし台所にある食品から香りを抽出すれば、「食べられる香水」になります。レモンで作ればレモン香水となり、魚料理にシュッとひとふきするのも楽しい食卓の演出ですね。同様に、例えばペットの匂いが染み付いたぬいぐるみを素材とすれば、ペットの匂いが抽出できます。匂いがする物であればたいてい、抽出できます。色々な素材で試してみてください。子どもも大人と一緒に楽しめますので、夏休みの自由研究ネタとしてもお使いください。
自然の中に入っていくと、風景に目を奪われるだけでなく、身体や足でもいろいろな心地を感じ取ります。砂利道や落ち葉道のような音が聞こえてくる道もあれば、芝生や砂地の沈み込み方、ぬかるみで体のバランスが不安定になるなど、全身でその土地を感じることができます。目に見える光景だけでなく、大地を踏みしめる感覚から、自然をより深く味わってみませんか?実際に自然の中に足を運んで、身体で得たその土地の体験を、HapticScape(ハプティックスケープ)と呼んでいます。このHow toでは、自然を通して得られる多様な触感を視覚情報に置き換えて、主観的な感覚である「歩き心地」をHapticScapeとして描きます。自分の主観的な体験を俯瞰して眺めてみることや、他の人と共有することを目標に取り組んでみましょう。HapticScapeをつくる手順は大きく3つに分かれます。第一に、自然の中に分け入って「歩き心地」をゆっくりと確かめます。そして、その体験を視覚的なハッチングで表現し、記録してゆきます。ここでいうハッチングとは、線画によるテクスチャのことを指しています。第二に、歩いた自然の中で、特に印象残った場所の風景をスケッチとして描きます。最後に、はじめに記録したハッチングを、描いたスケッチに書き込みます。