海で獲れる大型のカニが出まわるまで、川沿いに住む人にとってもっとも身近なカニだったのが「モクズガニ」。モクズガニはイワガニ科に属するカニの一種で、各地で「ツガニ」や「ズガニ」、「ヤマタロウガニ」などの地方名で親しまれてきました。海で生まれたモクズガニの仔ガニは、川を遡って川全体へと拡がり、数年を川で過ごすと今度は川を下って産卵のために海へ向かいます。モクズガニが海を目指すのは9~11月。秋になって川を下るモクズガニは、流域に暮らす人が楽しみにする秋の味でした。最近は、以前ほど重要な水産物ではなくなりましたが、今もモクズガニは日本の河川に多く住んでいます。このモクズガニを獲るなら、「カニくくり」がスリリング。細長い竿の先につけたワイヤーで、カニの腕をくくって釣り上げるという漁法です。釣って楽しく、食べて美味しいモクズガニ釣り。ぜひ挑戦してみてください。
子供たちとの秋のお出かけの一大コンテンツといえばドングリ拾い。日本人なら誰でも、ドングリを拾った経験があるのではないでしょうか。このドングリ、今では子供のおもちゃ程度の扱いを受けていますが、時代をほんのちょっと遡れば、私たち日本人を支える貴重な食料のひとつでした。子供たちが夢中になってドングリを拾うのは、もしかしたら、数千年にもわたって代々ドングリを拾い続けた記憶がどこかに残っているからなのかもしれません。ドングリは栄養面から見てもなかなかのもの。水を使って精製すれば、片栗粉のようなデンプンを取り出すことができます。ドングリから取り出せるデンプンの比率たるや、なんと殻つきの実の重さの1~3割にものぼります。取り出したデンプンはお菓子にしてもよし、毎日の料理に使ってもよし。一度ドングリからデンプンを作ってみれば、ドングリが食べ物に見えてくるはず。ドングリ拾いは都会でも楽しめる狩猟採集です!
わたしたちが毎日のように口にしているお米。黄金色の田んぼを車窓から眺めることはあっても、穂が垂れた稲を間近に見る機会は案外少ないものです。豊かに実った稲のまわりには、たくさんの生きものが集まってきます。生きものとの出会いから収穫体験まで、この秋田んぼに出かけてみませんか?刈取り前の田んぼは水を落としているので、泥んこになるのはちょっと・・・という人も大丈夫ですよ。
は、はじめまして…単独登山女子の日々野鮎美と申します!人見知りなので緊張してますが、よ、宜しくお願いします!どんなに自然が大好きでも山に行けない時もある……でも、いつも季節は感じていたいですよね。例えば、食事に旬の食材を取り入れるのは、季節を楽しむひとつの手段。食材をスーパーで買うのもよいですが、その時期の自然の恵みを自分で「採る」のもオススメです。採るといっても、山菜やキノコはちょっとハードルが高い。では、モミジならどうでしょう?「え?モミジって食べられるの……?」このHow toでは、秋の紅葉を天ぷらにして食べてみたいと思います。未知の味わいにLet's try!モミジを食材としてハンティングするのは新鮮ですよ。また、季節を発見する意識をもち、葉が紅葉した色や模様、形も観察してみましょう。まさに、秋を目で楽しむ、触って楽しむ、食べて楽しむ。
自然の中で遊んでいると、たくさんの植物に出会います。子供も大人も興味を持つのは、植物の生態より「この植物は食べられるの?」ということ。実は思いのほか食べられる植物は多いんです。見つけた植物を食べてみると、五感で自然を感じると共にちょっとしたサバイバル気分を体験できます。そんな食べられる植物の一つがクマザサ。今回はパンダだけでなく人間も食べられる、簡単で美味しいクマザサのお茶を作る方法をご紹介します。笹と言うと、七夕かパンダのご飯くらいの意識しかないかもしれませんが、アウトドアフィールドではとても身近な植物。山登りに行くと登山道のわきに群生していることも多く里山でもよく見かけます。クマザサは漢字で書くと「隈笹」。冬になると、緑の葉の縁が白色に隈取られることから命名されています。ただ、笹の仲間の見分けは難しく、クマザサでも白い隈取りがない場合もあるようです。季節を選ばず山にたくさん生えているクマザサですが、厳寒の冬に雪に埋もれてもその緑を保つ生命力は驚異的で、しかも栄養価が高いので最近では健康茶としても注目されています。野外で見つけたクマザサのお茶で、自然からのパワーをもらいましょう。
登山用の食事と言えば、お湯を入れるだけで美味しく出来上がるアルファ米や、ドライフードのおかずが主流の組み合わせ。荷物を背負って歩く登山では軽くて持ち運びが便利、でもちょっと味気ない、もっと美味しいものが食べられないの?このHow toは、そういった疑問や希望に応える簡単な時短レシピです。山の頂に登頂する達成感と、登っている時の景色を見る満足感、そこにさらにゴハンを美味しくつくって食べる楽しみをプラスすることで、より幅広い楽しさと充実感が得られます。
それと意識しなければ気がつきませんが、私たちの身近にある野草には食べられるものがたくさんあります。ほんの数十年前まで、身近な山野草の採集は「草摘み」と呼ばれて、楽しみと実益を兼ね備える女性の遊びでした。現代でも、「食べられるものないかな」という視線をもって散歩してみれば、そこここに美味しい野草を見つけられるはず。道草の食い方を覚えて、身近な食べられる野草とお近づきになりましょう!
野菜とは畑で作られるもの、人間が世話をしてはじめて美味しく育つものだ、なんて思っていませんか? 現代は野菜の品種改良が進んでいますが、人間に育てられる前は、野菜だって自然のなかにあったもの。野菜のなかには、今でもこっそり野生に帰って、道端で自由な暮らしを楽しんでいる「野良野菜」がいます。畑の近くの原っぱや河川敷は、そんな野良野菜の宝庫。雑草のなかに目を凝らせば、意外な場所で意外な野菜を見つけることができますよ!
ここでは、「水槽田んぼ」をつくり、稲の苗を植えて、秋まで育てて収穫を楽しみます。水を入れた水槽は、屋外に置いておいたり、生き物のいる土を入れたりすることで、身近なビオトープになります。通常の農業田んぼとは違い、水は常にためておき、収穫の日も、収穫後も抜きません。この方法は、稲の生理と、自然の生態系に合わせた栽培方法なので、きちんと育ち収穫できます。屋外に置くと藻がでてきて、イトミミズが増え、どこからかやってきた生き物が、水槽田んぼに住み着きます。小さな田んぼビオトープが、どんどん生き物でいっぱいになっていきます。こうした田んぼの姿は、昔は当たり前でした。水槽を置く環境が里山であれば、今は貴重となってしまった田んぼの生き物が復活することも期待できます。室内に置く場合は、同じく水系で取れるタニシやメダカ、ドジョウなどを飼うと、その生態系が観察できます。その場合は、遠くから来た生き物を放流しないようにしましょう。室内の身近なところに置けば、毎日水槽田んぼを観察できます。