HOW TO

How To一覧
テーマ:大地
  • 鈴木純

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    気温が上昇し、吹く風が春めいてくると、植物たちもにわかに動き始めます。足もとに咲くちいさな草花を見たり、樹上の可愛らしい芽吹きを見たりと、春の植物には見どころが満載です。なにを見ても楽しい季節ですが、その楽しみをさらに倍増させる方法があります。それは、春の植物観察を冬のうちからはじめておくことです。春は、ある日突然やってくるように感じますが、じつはそうではありません。植物の動きが止まってしまったかのように見える冬に、その準備は秘かに行われているのです。となれば、冬の終わりから植物観察をはじめることには、なにか意味がありそうです。具体的な植物観察事例を通して、春の予兆の楽しみ方が伝われば嬉しいです。今年はぜひ一足早く植物観察をはじめてみましょう!

  • 鈴木純

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    冬のとっておきのお楽しみ。冬芽観察に出かけましょう!・・・といってもわざわざ野山に行く必要はありません。家からすぐそばの場所でも、個性豊かな冬芽をたのしむことができます。方法はとっても簡単。樹木を探し、枝先をのぞきこむだけです。あとはルーペさえあれば、これまで素通りしていた近所の樹木の魅力にぐぐぐっと近づくことができます。家にこもりがちな季節ですが、気分転換も兼ねて近所のお散歩をたのしんでみませんか?冬にしか見られない期間限定の自然の芸術がまっています。

  • 野田岳仁

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    私たちの地域社会は、古くから生活の基本として、必ず水と共にありました。それは、湧き水や井戸、川や池です。それは農村部に限らず都市部でも同じこと。私たちの暮らしは、昭和30年代から40年代に全国的に上水道が普及するまで、主として井戸や湧き水に頼って生活してきました。近代化によって、井戸や湧き水は多くの地域で失われましたが、令和の時代に入ってもなお井戸が残っている地域もあります。農村部では、比較的井戸を目にすることがありますが、意外なことに井戸と馴染みの薄いような東京の都心でもみかけることがあります。なぜ、井戸は現在も存在し続けているのでしょうか?このHow toでは、地域の井戸を探すことを通じて、地下水の流れる地形の仕組みや、私たちの暮らしと井戸とのかかわりを再発見し、井戸が存在する現代的意義を考えていきます。

  • 私は、時々トレイルランニングという山を走るアウトドアスポーツをしています。100km超のトレイルランニングのレースでは夜間も山を走らなければならず、その練習にナイトランに出かけたのが、はじめて夜の山を歩いた、いや、走った経験です。練習に出かけた山は、過去に何度も走っているのに、暗闇は恐怖心をかき立てるように迫ってきました。視界はライトで照らせる範囲に限られ、にぎやかだった登山道はすれ違う人もなくドキドキします。そして、なんとか山頂までたどり着くと、眼下には人間界の圧倒的な夜景が広がり、思い出深い体験になりました。昼の世界と夜の世界は違います。このHow toでは、ナイトランの経験を元に、恐ろしくも美しい夜の山を楽しむ「ナイトハイク」を紹介してみたいと思います。夜の山には、色とりどりの色彩や美しい木漏れ日はありません。そしてなにより、夜は日中よりも危険です。それでもナイトハイクは、暗い闇だからこそ味わえる非日常の風景、達成感などがあり、その体験はきっと忘れがたい冒険となるはずです。安全には十分配慮してぜひチャレンジしてみてください。

  • たとえば、A地点からB地点までの5kmという距離の長さを、子どもに説明する場合、どうやって伝えますか?家から学校までのX倍や、最寄り駅までのX倍という表現がすぐに思いつきますよね。ランニングなど距離と密接に関係するスポーツをやっている人ならばともかく、大人でも距離をイメージするには自分が実際に馴染みがあったり、経験した距離を思い浮かべると思います。何度も歩いた小学校への距離感覚って心のなかに染み込んでいませんか?持論ですが、人は経験値からしか距離を思い浮かべられないと思うのです。そんな体に染み込んだ「距離のものさし」のようなものを、子どもの頃から少しずつ広げてあげることができたら、やりたいこと、行きたい場所がどんどん広がり、想像力を自由に膨らませられる感覚が養えるのではないでしょうか?私は、現在神奈川県の葉山町に住んでいるのですが、小学生の息子やその友人たちと一緒に、よく近所の野山を探検します。坂の向こうや曲がり角の先に何が広がっているのかを確かめたい、という探究心がその根底にあるのですが、同時に子どもにとっての「距離のものさし」をどうやったら広げていけるのかを、日々試行錯誤しているところです。このHOW TOでは、そんな子どもの「距離のものさし」を、親子で一緒に育てる方法を紹介します。身近な環境で、子どもや友人ファミリーと試してみませんか?

  • 前回「縄文人スイッチを探せ!妄想縄文体験をしてみよう」では、食を通して縄文時代を知り、縄文人と私たちとの繋がりを想像しました。私たちの中にアグレッシブな縄文人のDNAが12%存在するという話しでしたね。そこで今回は、彼らが作り出した人形(ひとがた)の焼物「土偶」を通して、彼らの、そして人間が持ち続ける、祈りの心の想像の旅に皆さんと一緒に出てみたいと思います。祈りの旅に出る前に、彼らの祈りの道具とされる「土偶」についてお話しします。土偶を知ることで、彼らの世界観の一端を知ることができるからです。そして、そのあと、祈りがもたらしたものについてあれこれ想像を巡らしていきましょう。「縄文人スイッチを探せ!妄想縄文体験をしてみよう」https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/205

  • 柴山元彦

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    当たり前のように眺めている、山々や渓谷といった美しい自然風景。こうした地球上にある凹凸は、地球が誕生してから何万年、何億年もかけて、大地のエネルギーによって作られたものです。大地の活動は、地震、火山の噴火などにあらわれ、その痕跡は、カルデラや断層地形などとして大地に刻まれてきました。日本の地形に見られる凹凸はというと、第四紀(260万年~現在)の地殻変動で作られたものがほとんどです。地震の影響でよく知られるようになった「活断層」という専門用語は、ただただ地震を引き起こす怖いものとして記憶されているのではないでしょうか。この活断層こそが、第四紀に繰り返し活動があった断層で、日本の美しい風光明媚な景色を作ってきました。活断層は、まさに大地活動の化石! 活断層に目を向けて観察することは、大地、または地球のエネルギーを感じられる近道とも言えます。このHow toでは、そんな活断層の仕組みや特徴、私たちの生活との関わりを解説し、実際に観察に出かける方法を紹介します。※上記の地図は、産業技術総合研究所地質調査総合センター「地質図Navi」にて、国土地理院の「地理院地図」を開き、産総研の「活断層データ」を表示しています。

  • 米山 悟

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    最近の登山用品は美しく、機能も充実した道具が多いですね。それらはとても便利なのですが、ひとつだけ致命的な欠陥があります。それは、「便利なものを使い始めると、それまで当たり前にできていたことができなくなってしまう」ということ。私の山登りの流儀は、なるべく人が作ってくれた便利な道具やしくみ(登山道や山小屋も含めて)からFREE(自由 / 助けなし)になり、天然の山を天然の方法で登ることを求めます。そういう方法が、奥が深くておもしろかったので、結果的に山登りに飽きず長続きした理由かもしれません。こうした山登りを「天然山行」と呼んでいます。そして、その「FREE 四本柱」となるのがこの4つ。1、テントフリー(イグルー)2、ストーブフリー(焚き火)3、登山靴フリー(地下足袋)4、GPSフリー(地図とコンパス)便利な道具の助けなしに、簡単な道具だけで自然の中で活動することは、本来人が持っていた生きる術がよみがえり、一生モノの自信になります。このHow toでは、FREE 四本柱のなかでも「3、登山靴フリー(地下足袋)」の楽しみ方を紹介します。歩くって基本だけど、ほんとにちゃんと歩けますか?硬く丈夫な「殻」に守られた登山靴ではなく、より素足に近い地下足袋で、天然山行を味わってみませんか?その他のFREE 四本柱に関連するHow toは、下記でも紹介しています。1、テントフリー(イグルー)イヌイットのように雪でイグルーを作ろうhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/1802、ストーブフリー(焚き火)ナイフ1本で火起こし! きりもみ式発火に挑戦https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/574、GPSフリー(地図とコンパス)地図を読む、そしてその先へhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/195

  • 神田健三

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    これは何の写真だと思いますか?答は氷ですが、花のようでもあり、雪の結晶にも似た形に見えます。そして、その中心付近に泡のようなものも見えます。これが今回のテーマ「チンダル像」です。花のようにも見えるので「アイスフラワー」の別名もあります。イギリスの科学者チンダル(1820~1893)が湖の氷で発見してスケッチを残したことから、この名がつきました。雪の研究で知られる中谷宇吉郎(1900~1962)も、詳しく研究しています。よく晴れた冬の日、庭先のバケツや、公園の池にはった氷の上に、このような小さな花模様を見つけたことはないでしょうか?「チンダル像」は、氷に太陽などの強い光が当たるとできる自然現象です。条件がうまく整えば、あなたの身近なところでも見つかるかも知れません。このHow toでは、美しく不思議な「チンダル像」の仕組みと、観察の方法を紹介します。※写真は、2019年12月に、後で述べる方法で氷を作り、太陽の光に1時間ほど当ててできた「チンダル像」をスマートフォンで撮影したものです(WMGG編集部撮影)。関連記事雪の結晶を観察し、天からの手紙を読んでみようhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/179

  • つくらし

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    蜜蝋クレヨンって聞いたことありますか?蜜蝋とは、ミツバチのお腹から分泌されて、巣づくりに使われる蝋(ロウ)のこと。この蜜蝋に、顔料(色の素)を混ぜてつくったのが蜜蝋クレヨンです。クレヨンに使用される顔料には、さまざまなものがありますが、私たちの身のまわりにある土を混ぜても、カラフルな蜜蝋クレヨンをつくることができます。「土なら茶色のクレヨンしかできないよね?」と思うかもしれませんが、身のまわりの土をよーく見てみてください。赤、黄、ピンク、グレー、紫など、さまざまな色の土があることに気がつくはず。このHow toでは、あなたの身のまわりにある土を集めて、大地の色でカラフルな蜜蝋クレヨンをつくります。※STEP1~3は「大地の絵の具で絵を描こう」と同様の作業になります。https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/159

  • 藤原祥弘

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    晩秋の野山でひときわ明るい黄色のつる植物を見つけたら、それは山芋かもしれません。山芋は日本に自生するヤマノイモと野生化したナガイモの総称。山深い場所ではヤマノイモが、都市の郊外ではナガイモがよく見られます。特徴的な葉の形とつるの巻き方を覚えれば、家の近くにたくさんの山芋が隠れていたことに気がつくはず。掘っても問題ない場所なら、ぜひ掘りあげて調理をしてみましょう。市販品とは段違いの味の濃さに、きっと驚くはずです。【連載】野生児育成計画 #1 大潮の夜を探検! 真夜中の磯遊びhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/67#2 「水切り」と「遠投」をマスターせよ!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/79#3 木の枝からパチンコを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/93#4 焚き火を使って「干し肉」を作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/97#5 春の小川で「草摘み」に挑戦!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/100#6 潮干狩りで狩猟採集生活にデビュー!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/102#7 空き缶でウッドガスストーブを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/112#8 五寸釘を七輪で熱してナイフを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/118#9 夏の夜の雑木林を探検!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/127#10「カラムシ」の繊維で紐を作ろうhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/135#11 魚の多い秋の磯で、シュノーケリングで泳ぎ釣り!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/141#12 ザリガニは食材だ!湧水で獲ったザリガニを食べようhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/168

  • 村越真

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    「登山に地図・コンパスは必須」と言われ続けていますが、本当でしょうか?最近ではスマホで現在地も分かります。スマホ・ICT機器時代の地図読みの意義を探りながら、地図とコンパスの基礎的な使い方を身につけてみませんか。ポイントは、「等高線の読解」と「何のために地図を見るか?」という目的意識を明確に持つこと。野山に出て地図を使う経験を少しずつ積めば、暗号のような地図も、様々な情報をあなたに語りかけてくれます。コンパスもまた、使う目的を明確にし、シンプルな機能を使いこなすことで、アウトドアで役に立つ相棒としての機能が最大限に発揮できます。地図やコンパスを使ってアウトドアに出ると、これまでと違った見方で自然を見ることもできます。見えなかった世界が見えてきます。そこから、山の新たな愉しみも生まれることでしょう。前編では、準備(図読の楽しみを知る)から練習(机上読図、初歩の読図)までを紹介しました。後編では、実践から応用(GPSや高度計の活用、ナヴィゲーションスポーツ)を紹介します。「地図を読む、そしてその先へ <前編>」https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/195

  • 竹内洋岳

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    想像力を味方につけると、山登りの楽しみや可能性は無限に広がります。登山、とりわけ私がやっているような高所登山は「想像のスポーツ」です。それは、「この山に登ろう!」と決め、具体的な計画を頭に思い描いたときからはじまり、実際に山へ入り再び戻るまで、感覚の全てを使って次に起こりうることを予測します。登山家は、山という大いなる自然の中で、想像の競争をしているといってもいいでしょう。そしてその想像は、ときに目標の山に登るための原動力となり、また安全に山での行動を支えてくれる道しるべにもなります。私が、エヴェレストを筆頭に、地球上に14座ある標高8,000メートル峰の山々を完登できたのも、この想像力のおかげといえます。想像力と本能的に感じ取る恐怖心を駆使して危険を回避し、生きて返ってくることは、登山の本質とも言えます。いかに多方向に、いかに多重に先を読んで行動できているかが、楽しく安全な登山になるかを左右し、それまで踏み入ることのできないような領域に押し上げてくれます。これは、何も8000メートルを超える高所登山だけに限ったことではなく、低山でも言えること。ここでは、そんな登山の可能性を広げてくれる「想像力の使い方」をいくつかご紹介します。

  • 村越真

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    「登山に地図・コンパスは必須」と言われ続けていますが、本当でしょうか?最近ではスマホで現在地も分かります。スマホ・ICT機器時代の地図読みの意義を探りながら、地図とコンパスの基礎的な使い方を身につけてみませんか。ポイントは、「等高線の読解」と「何のために地図を見るか?」という目的意識を明確に持つこと。野山に出て地図を使う経験を少しずつ積めば、暗号のような地図も、様々な情報をあなたに語りかけてくれます。コンパスもまた、使う目的を明確にし、シンプルな機能を使いこなすことで、アウトドアで役に立つ相棒としての機能が最大限に発揮できます。地図やコンパスを使ってアウトドアに出ると、これまでと違った見方で自然を見ることもできます。見えなかった世界が見えてきます。そこから、山の新たな愉しみも生まれることでしょう。前編では、準備(読図の楽しみを知る)から練習(机上読図、初歩の読図)までを、後編では、実践から応用(高度計やGPSの活用、ナビゲーションスポーツにチャレンジ)までを紹介します。

  • 川口拓

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    夏はアウトドアが楽しいシーズン!でも、暑さに負けて、クーラーの効いた部屋にこもりっきり…という方も多いのではないでしょうか?炎天の下、逃げ場のない「現代人以外の生き物」たちはというと、本能的に暑さから逃れ、巧に「涼ハンティング」をしています。「涼ハンティング」とは、文字通り、涼しい場所を探す行為。人工的なものではなく、自然が作り出してくれる「涼しい場所」を探し求め、その場所を楽しむことです。今回は、そんな生き物たちに習い、身近な環境で「涼ハンティング」を楽しむ方法を紹介します。思いもしなかった場所に「オアシス」が見つかるかもしれません。個人的には、本当に暑い日こそ、楽しめると思います(今回の写真は全てイメージです)。