HOW TO

How To一覧
テーマ:自由研究
  • 私は、時々トレイルランニングという山を走るアウトドアスポーツをしています。100km超のトレイルランニングのレースでは夜間も山を走らなければならず、その練習にナイトランに出かけたのが、はじめて夜の山を歩いた、いや、走った経験です。練習に出かけた山は、過去に何度も走っているのに、暗闇は恐怖心をかき立てるように迫ってきました。視界はライトで照らせる範囲に限られ、にぎやかだった登山道はすれ違う人もなくドキドキします。そして、なんとか山頂までたどり着くと、眼下には人間界の圧倒的な夜景が広がり、思い出深い体験になりました。昼の世界と夜の世界は違います。このHow toでは、ナイトランの経験を元に、恐ろしくも美しい夜の山を楽しむ「ナイトハイク」を紹介してみたいと思います。夜の山には、色とりどりの色彩や美しい木漏れ日はありません。そしてなにより、夜は日中よりも危険です。それでもナイトハイクは、暗い闇だからこそ味わえる非日常の風景、達成感などがあり、その体験はきっと忘れがたい冒険となるはずです。安全には十分配慮してぜひチャレンジしてみてください。

  • たとえば、A地点からB地点までの5kmという距離の長さを、子どもに説明する場合、どうやって伝えますか?家から学校までのX倍や、最寄り駅までのX倍という表現がすぐに思いつきますよね。ランニングなど距離と密接に関係するスポーツをやっている人ならばともかく、大人でも距離をイメージするには自分が実際に馴染みがあったり、経験した距離を思い浮かべると思います。何度も歩いた小学校への距離感覚って心のなかに染み込んでいませんか?持論ですが、人は経験値からしか距離を思い浮かべられないと思うのです。そんな体に染み込んだ「距離のものさし」のようなものを、子どもの頃から少しずつ広げてあげることができたら、やりたいこと、行きたい場所がどんどん広がり、想像力を自由に膨らませられる感覚が養えるのではないでしょうか?私は、現在神奈川県の葉山町に住んでいるのですが、小学生の息子やその友人たちと一緒に、よく近所の野山を探検します。坂の向こうや曲がり角の先に何が広がっているのかを確かめたい、という探究心がその根底にあるのですが、同時に子どもにとっての「距離のものさし」をどうやったら広げていけるのかを、日々試行錯誤しているところです。このHOW TOでは、そんな子どもの「距離のものさし」を、親子で一緒に育てる方法を紹介します。身近な環境で、子どもや友人ファミリーと試してみませんか?

  • 三澤 遥

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    「葉っぱを描いてみましょう」と絵を描いてもらうと、緑色の絵の具やクレヨンを手に取る人が多いのではないでしょうか。葉っぱはどんな色をしているでしょう?実際に植物を観察すると、言葉では言い表せないほど色や質感が豊かです。同じ木に生えた葉っぱでも、一枚いちまい色が異なります。葉脈のかたちも、虫食いのかたちだって違います。今回は葉っぱを丸くくり抜いた「葉っぱ丸」をつくって、葉を観察してみましょう。葉っぱのかたちが丸く統一されることで、色の美しさや柄の面白さがより一層目に鮮やかに見えてきます。知っていると思い込んでいる葉っぱが、びっくりするくらい美しく思えたり、なんだか別のテクスチャに見えてきたり、知らない存在に思えてきたり・・・。身近なところに潜む感動をきっと発見できるはずです。

  • 春から夏にかけては、生き物の気配がどどどーーと増す季節。家の中にいるなんてもったいない!太陽の照りつける中、そよ風を頬に受けながら、あちこち走り回って、小さな命の不思議を楽しんではいかがでしょう?虫は、僕ら人間と違うところがたくさんある生き物。なんで体がかたいんだろう?頭から生えている触角はなに?6本足でどうやって歩いているんだろう?人間との違いを見つけて、家族や仲間と一緒に、ワイワイ話しながら楽しんじゃえば、なんだか虫も愛おしく見えてきます。それにはまず、本物をつかまえてみなきゃ!ということで、今回は、私むしハカセがとっておきの虫取りの極意と、初夏に出会える虫たちを紹介します。わが子は虫が好きなんだけど、親の私はちょっと…。そんな風に思っている方も安心して楽しめる虫のつかまえ方をお教えします!

  • 内山昭一

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    みなさんはセミが食べ物とは思わないでしょう。でもセミは、美味しく食べることのできる立派な食材です。成虫をサクッと揚げればエビ風味、丸々太った幼虫の燻製はナッツ味!狩猟採集時代の日常食は昆虫でした。栄養があって、たくさんいて採りやすかったからです。いまでも私たちのDNAには、虫採りの本能が刻み込まれています。昆虫採集の大好きな子どもが多いのはその証拠でしょう。夏には「セミを採って食す『セミ会』」を催すのですが、大人になってそうした狩りの本能に蓋をした人たちが参加します。彼らは幼少にかえり嬉々としてセミを採り、食べ、久しぶりの狩猟に心が解放されて帰っていきます。昆虫食の醍醐味を知ると、山や森へ行かなくても、家の近くの草原や河原はご馳走の宝庫になります。春は小川でヤゴがスイスイ泳ぎ、夏はセミがうるさく、やがて秋の鳴く虫の大合奏が聞こえます。冬には脂がのったざざ虫がザーザー流れる瀬の音を子守唄に眠っています。さあ、みんなで美味しい食材を狩りに出かけてみませんか?四季のある日本ではそれぞれが旬のご馳走がいろいろあります。このHow toでは、まずはじめに美味しい虫たちを紹介したあと、身近な昆虫「バッタ」を例に、狩りをして美味しく調理して食べる方法を紹介します。※このHow toには昆虫を調理する写真が表示されます。苦手な方はご注意ください。

  • 前回「縄文人スイッチを探せ!妄想縄文体験をしてみよう」では、食を通して縄文時代を知り、縄文人と私たちとの繋がりを想像しました。私たちの中にアグレッシブな縄文人のDNAが12%存在するという話しでしたね。そこで今回は、彼らが作り出した人形(ひとがた)の焼物「土偶」を通して、彼らの、そして人間が持ち続ける、祈りの心の想像の旅に皆さんと一緒に出てみたいと思います。祈りの旅に出る前に、彼らの祈りの道具とされる「土偶」についてお話しします。土偶を知ることで、彼らの世界観の一端を知ることができるからです。そして、そのあと、祈りがもたらしたものについてあれこれ想像を巡らしていきましょう。「縄文人スイッチを探せ!妄想縄文体験をしてみよう」https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/205

  • 柴山元彦

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    当たり前のように眺めている、山々や渓谷といった美しい自然風景。こうした地球上にある凹凸は、地球が誕生してから何万年、何億年もかけて、大地のエネルギーによって作られたものです。大地の活動は、地震、火山の噴火などにあらわれ、その痕跡は、カルデラや断層地形などとして大地に刻まれてきました。日本の地形に見られる凹凸はというと、第四紀(260万年~現在)の地殻変動で作られたものがほとんどです。地震の影響でよく知られるようになった「活断層」という専門用語は、ただただ地震を引き起こす怖いものとして記憶されているのではないでしょうか。この活断層こそが、第四紀に繰り返し活動があった断層で、日本の美しい風光明媚な景色を作ってきました。活断層は、まさに大地活動の化石! 活断層に目を向けて観察することは、大地、または地球のエネルギーを感じられる近道とも言えます。このHow toでは、そんな活断層の仕組みや特徴、私たちの生活との関わりを解説し、実際に観察に出かける方法を紹介します。※上記の地図は、産業技術総合研究所地質調査総合センター「地質図Navi」にて、国土地理院の「地理院地図」を開き、産総研の「活断層データ」を表示しています。

  • MAKI UEDA

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    何気なく食べている時でも私たちは五感を総動員しています。リンゴを口にした時に、もしピーマンの味がしたら、あるいはおせんべいのような食感だったら、意識していなくてもすぐに異変に気付くでしょう。今回はこの統合された五感をひとつひとつミュート(OFF)しながら、そのひとつひとつを意識的に確認する、そんな「五感の実験」としてのHow toを紹介します。特別な食材は必要ありません。台所にあるものを「五感的に」観察し、今晩の食卓で少しだけ実験してみましょう。実例として紹介するのは、2009年にロッテルダムの日本映画祭で開催した「五感のための晩餐会」という、フード・アート的なワークショップです。ひとつひとつの料理に添えられるのは、目隠しや耳栓など、感覚を消したり強調したりするための小物。メニューはコースで構成しました。1. お通し:耳栓をして食感と聴覚で味わう2. 前菜:スープを蒸留して香りのみを抽出し「食の香り」を体験する3. 主菜:目隠しをして視覚以外の全感覚で味わう4. デザート&ドリンク:目隠しと耳栓をして体内感覚で味わう+フレーバーペアリング日本の食材をたくさん使っているので、自宅でも体験しやすいと思います。

  • ここ最近、縄文時代に注目が集まっていることをご存知でしょうか。およそ15000年前から1万年以上続いた時代。あまりの時間的隔たりに「同じホモ・サピエンスなの?」と思いたくなりますが、間違いなく同じホモ・サピエンスであり、私たちからざっくり80代遡ると縄文人に行き当たるのです。そこで今回は、縄文人たちとの繋がりを日常の暮らしの中から探し出し、私たちの中に眠る縄文人の痕跡を探ってみたいと思います。私たちの暮らしには、縄文時代から続いているものが結構あります。今回はその中でも「食べること」を通して縄文人と私たちの繋がりを探し出し、日本人特有の味覚センスについて考えることにします。そして体験を通じて、私たちの中にある12%の縄文人DNAについても考えてみることにしましょう。※STEPで紹介するジオラマの写真は、新潟県立歴史博物館のものです。http://nbz.or.jp/

  • 津田和俊

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    山や森、川、海などの自然環境には、さまざまな生き物が生息しています。また、近所のスーパーマーケットに行くと、いろいろな生き物が私たちの食べ物として並んでいるでしょう。どんな生き物も基本的には小さな細胞からできていて、細胞の中には、その生き物の設計情報や遺伝情報を担っているDNAと呼ばれる物質が入っています。今回は、その細胞やDNAの持っている性質を利用して、身近な植物、野菜や果実などからDNAを抽出する方法を紹介します。

  • 神田健三

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    これは何の写真だと思いますか?答は氷ですが、花のようでもあり、雪の結晶にも似た形に見えます。そして、その中心付近に泡のようなものも見えます。これが今回のテーマ「チンダル像」です。花のようにも見えるので「アイスフラワー」の別名もあります。イギリスの科学者チンダル(1820~1893)が湖の氷で発見してスケッチを残したことから、この名がつきました。雪の研究で知られる中谷宇吉郎(1900~1962)も、詳しく研究しています。よく晴れた冬の日、庭先のバケツや、公園の池にはった氷の上に、このような小さな花模様を見つけたことはないでしょうか?「チンダル像」は、氷に太陽などの強い光が当たるとできる自然現象です。条件がうまく整えば、あなたの身近なところでも見つかるかも知れません。このHow toでは、美しく不思議な「チンダル像」の仕組みと、観察の方法を紹介します。※写真は、2019年12月に、後で述べる方法で氷を作り、太陽の光に1時間ほど当ててできた「チンダル像」をスマートフォンで撮影したものです(WMGG編集部撮影)。関連記事雪の結晶を観察し、天からの手紙を読んでみようhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/179

  • 藤原祥弘

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    年々、苛烈さを増していく日本の災害。地震、台風、水害……。自然災害はどこか遠くの出来事ではなくなり、明日にも自分にふりかかるかもしれないものになりました。「いざ」に備えて、道具や食料を用意しておかなくては……と、誰もが思っているでしょうが、防災についての情報が溢れかえり、何からそろえれば良いのか分かりづらくもなっています。そんな時、ヒントになるのがキャンプです。ライフラインから離れた場所で生活をまかなうキャンプには、防災のノウハウがたくさん詰まっています。そして、防災を意識したキャンプのキーワードになるのが、「保温」と「補給」です。この2つを前提にするだけで、被災時にどんなものが必要か明確になります。普段から被災時をイメージして道具を用意し、キャンプを楽しんでおけば、災害に余裕をもって対峙できます。

  • つくらし

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    蜜蝋クレヨンって聞いたことありますか?蜜蝋とは、ミツバチのお腹から分泌されて、巣づくりに使われる蝋(ロウ)のこと。この蜜蝋に、顔料(色の素)を混ぜてつくったのが蜜蝋クレヨンです。クレヨンに使用される顔料には、さまざまなものがありますが、私たちの身のまわりにある土を混ぜても、カラフルな蜜蝋クレヨンをつくることができます。「土なら茶色のクレヨンしかできないよね?」と思うかもしれませんが、身のまわりの土をよーく見てみてください。赤、黄、ピンク、グレー、紫など、さまざまな色の土があることに気がつくはず。このHow toでは、あなたの身のまわりにある土を集めて、大地の色でカラフルな蜜蝋クレヨンをつくります。※STEP1~3は「大地の絵の具で絵を描こう」と同様の作業になります。https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/159

  • 藤原祥弘

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    晩秋の野山でひときわ明るい黄色のつる植物を見つけたら、それは山芋かもしれません。山芋は日本に自生するヤマノイモと野生化したナガイモの総称。山深い場所ではヤマノイモが、都市の郊外ではナガイモがよく見られます。特徴的な葉の形とつるの巻き方を覚えれば、家の近くにたくさんの山芋が隠れていたことに気がつくはず。掘っても問題ない場所なら、ぜひ掘りあげて調理をしてみましょう。市販品とは段違いの味の濃さに、きっと驚くはずです。【連載】野生児育成計画 #1 大潮の夜を探検! 真夜中の磯遊びhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/67#2 「水切り」と「遠投」をマスターせよ!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/79#3 木の枝からパチンコを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/93#4 焚き火を使って「干し肉」を作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/97#5 春の小川で「草摘み」に挑戦!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/100#6 潮干狩りで狩猟採集生活にデビュー!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/102#7 空き缶でウッドガスストーブを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/112#8 五寸釘を七輪で熱してナイフを作る!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/118#9 夏の夜の雑木林を探検!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/127#10「カラムシ」の繊維で紐を作ろうhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/135#11 魚の多い秋の磯で、シュノーケリングで泳ぎ釣り!https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/141#12 ザリガニは食材だ!湧水で獲ったザリガニを食べようhttps://gogo.wildmind.jp/feed/howto/168

  • 村越真

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    「登山に地図・コンパスは必須」と言われ続けていますが、本当でしょうか?最近ではスマホで現在地も分かります。スマホ・ICT機器時代の地図読みの意義を探りながら、地図とコンパスの基礎的な使い方を身につけてみませんか。ポイントは、「等高線の読解」と「何のために地図を見るか?」という目的意識を明確に持つこと。野山に出て地図を使う経験を少しずつ積めば、暗号のような地図も、様々な情報をあなたに語りかけてくれます。コンパスもまた、使う目的を明確にし、シンプルな機能を使いこなすことで、アウトドアで役に立つ相棒としての機能が最大限に発揮できます。地図やコンパスを使ってアウトドアに出ると、これまでと違った見方で自然を見ることもできます。見えなかった世界が見えてきます。そこから、山の新たな愉しみも生まれることでしょう。前編では、準備(図読の楽しみを知る)から練習(机上読図、初歩の読図)までを紹介しました。後編では、実践から応用(GPSや高度計の活用、ナヴィゲーションスポーツ)を紹介します。「地図を読む、そしてその先へ <前編>」https://gogo.wildmind.jp/feed/howto/195